アレッポからの退避・施設の再開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 09:06 UTC 版)
「モハンマド・アラー・アルジャリール」の記事における「アレッポからの退避・施設の再開」の解説
2016年の7月7日以降にアレッポは包囲され、2016年10月3日に最後通告が出され、携帯電話には政権からのメッセージも届いた。それ以降は爆撃が激しくなり、11月にはサンクチュアリも爆撃され、生き残った猫は30匹ほどになってしまった。 アレッポは破壊された。アルジャリールは大きなショックを受けたが、生き残った猫を集めて住まいを移動した。2016年12月に政府軍と反体制派の停戦合意がなされ、アレッポの住人はイドリブ県に移動できることになった。アルジャリールは猫とともに救急車で移動し、目的地に着いたあとは負傷者の移送を行なった。 アルジャリールの友人たちはヨーロッパで暮らすことをすすめたが、彼はシリアで助けを求める人々のために働くことを選んだ。NGOの協力でトルコに入国したアルジャリールは友人たちや家族と会い、サンクチュアリの再開を計画する。イスタンブールで出会ったフィラースという猫とともにシリアに入国し、2017年にトルコ国境の近くに「エルネストのパラダイス」という施設を設立した。虎のような毛並みをしたマキシという猫がマーケティング担当となってSNSで活躍し、資金集めは順調に進んだ。建設では地元の人間を雇用し、子供のために「希望の遊園地」と名づけた遊園地を併設した。「希望」という名は、かつてサンクチュアリにいたホープという名犬に由来している。 新しいサンクチュアリの土地には、シリア各地から避難してきた人々が多く、シリアにとどまっていた獣医のユースフの協力も得た。このため猫以外の動物の手当ても可能になり、約100匹の猫の他に、犬、サル、ウサギ、ハト、ガン、アヒル、馬なども保護した。子供に動物との接し方を教える活動も再開した。 その後、政府軍がイドリブ県を攻撃したためにサンクチュアリは移動した。2020年3月5日のトルコとロシアの首脳会議によって停戦となったが、新型コロナウイルスの流行による物価の高騰や、1000匹に急増した保護猫に対応している。
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