アニメーション分野
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 07:10 UTC 版)
アニメーション作品では「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」と「ガンダムシリーズ」というメジャータイトルで、外国人デザイナーとして逆輸入となるメカニックデザインを担当した。ヤマトではプロデューサーの西崎義展の指名により、6年もの時間を費やし、『YAMATO2520』の第18代ヤマトを中心にハードウェアデザインを担当。日本海軍の戦艦大和の図面を取り寄せ、『宇宙戦艦ヤマト』の資料も分析した上で、艦の内部からデザインしていった。 ガンダムでは『機動戦士Ζガンダム』の構想段階に3点のイラストを提供。ザク(未発表)やドムなど、そのプロポーションからディテールに至るまでを再構築し直したデザインにも取り組んだ。前半の主役メカ・ガンダムMk-IIを単独で描いたもの(他2種)はメインスポンサーであるバンダイ(現:バンダイナムコホールディングス)が玩具店等へ配布する番宣用ポスターとして使用され、彼の画集『オブラゴン』(講談社)に掲載されている。 『∀ガンダム』では総監督である富野由悠季の希望を受け、主要なモビルスーツ計8体のデザインを担当。主役メカの∀ガンダム は頭部のV字アンテナをチークガードに変え、ファンの間では「ヒゲ」に見えると騒がれた。ガンダム史上過去に例がない背面ディテールと流れるようなラインは、「機能的なアイディアが70%にファンタジーとユーモアを30%」という彼独特のアプローチによるもの。それらは工業デザインや建築をベースに培ってきた、エンターテイメント性を重視したSF用のデザインであった。それまで慣れ親しんできた玩具を中心に展開したガンダム特有のプロダクトデザインとは一線を画し、ロジックが備わったカタチに必然性のある「工業デザイン」をベースにデザインされていたのが、それは富野が希望していた、コピーが繰り返されることに甘んじていた国内のメカニック・デザイナーに対する挑戦でもあった。『∀ガンダム』放映から時間が経過し、富野とシドが目指した機能的に動く事で新しいカタチが出現する従来にはなかった外観をまとった「表裏一体」(back to the face)なコンセプトが20年を経過してようやく評価されている。
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