アイリアーノス
アイリアノス
(アイリアーノス から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/16 10:16 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動
クラウディオス・アイリアノス(ギリシア語: Κλαύδιος Αἰλιανός、ラテン語: Claudius Aelianus、175年頃 - 235年頃)は、古代ローマの著述家。ローマ近郊のプラエネステ(現在のパレストリーナ)出身。アイリアノスが書いた文献は全てギリシア語で書かれており、著述としては教訓が漂う逸話集の『動物の特性について』や『ギリシア奇談集』が有名である。なお、日本に於ける『ギリシア奇談集』は松平千秋、中務哲郎によって翻訳され、岩波文庫より出版されている。
『動物の特性について』にてサルデーニャやコルシカ沖で冬場を過ごし、しばしば波打ち際で人を襲う「海の羊」(シャチと解釈されることが多いが一説によればイッカクであるともされる)について語っているが、大洋近くに住む住民に伝わる寓話として、ポセイドンの子孫であるアトランティスの王が持つ権威の象徴であるクリオスの雄の皮で作られた帯を頭に巻き、王妃達はクリオスの雌の巻き毛を身に着けていたという話を紹介している。また、未確認生物のムカデクジラにも言及しており、「スコロペンドラ」として記載がある。
古代末期には教師として多くの人々より尊重されたとされる[1]。
脚注・参考文献
- ^ 高津春繁・手塚富雄、西脇順三郎、久松潜一 『万有百科大事典 1 文学』 相賀徹夫、小学館〈日本大百科全書〉(原著1973年8月10日)、初版(日本語)、4ページより引用。
外部リンク
アイリアーノス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 17:15 UTC 版)
アイリアーノスは最初にアプロディーテーが絶世の美男子であったパオーンをレタスの畑に隠したという奇妙な伝承について簡単に触れた後に、別伝として渡守の伝承について言及している。それによるとパオーンは渡守を生業とする男で、海を渡ろうとしたアプロディーテーがパオーンのもとに現れたのを親切に迎え、正体に気づかないまま目的地まで舟で渡した。すると女神は返礼として香油の入った壺を与えたので、パオーンが香油を身体に塗ったところ、世の男たちの中で一番の美男子となった。ミテュレーネー中の女たちはパオーンに夢中になったが、最後は不義の密会の現場を抑えられ、処刑された。 セルウィウスの短い言及も若干の差異はあるが、パライパトスおよびアイリアーノスの別伝とほぼ同じである。それによるとパオーンは老婆に変身した女神を報酬を受け取ることなく渡したので、香油の入った壺を授かった。パオーンがその香油を毎日塗っていたところ、女たちが憧れる存在となり、彼女たちをことごとくなで斬りにしたという。 またパオーンがレタスの畑に隠れたとするアイリアーノスの言及と類似するものが古代の伝承に散見している。
※この「アイリアーノス」の解説は、「パオーン」の解説の一部です。
「アイリアーノス」を含む「パオーン」の記事については、「パオーン」の概要を参照ください。
- アイリアーノスのページへのリンク