とちぎしろ【トチギシロ】(工芸作物)
とちぎしろ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:22 UTC 版)
それでも昔から生産者の間では収穫期のアサ畑では「麻酔い」をすることが経験的に知られていた。品質のいい白木という品種に、無毒の在来種をかけあわせて、1974年から品種を改善しており1982年に品種名「とちぎしろ」として種苗登録された。無毒アサ、無毒大麻と呼ばれている。THC含有率は0.2%であり、先に述べた産業用ヘンプの基準にも適合する。1984年には栃木県の麻はすべてとちぎしろに転換され、それからも品種の選別、精製過程の改善を経て期待通りの製品が出荷できるまでになった。厚生省麻薬取締部の鑑定では、3地点から採取されたとちぎしろのTHC濃度は0.07-0.15%の範囲と低く、またTHCの作用をおさえるCBD濃度の方が高いことから、仮にこれを濃縮してもTHCの作用は得られないと推察された。麻酔いはあるのかについて、2021年には厚労省が複数の大麻栽培農家の尿検査を実施し検証し、成分が検出されなかったことから、麻酔いは確認されなかったとした。 アサはその繁殖プロセスから、花粉が周囲2km程度に飛散する。THCの多い種と交配することで容易にTHCの多い種になることから、1984年には栽培種をすべてとちぎしろに移行し、無毒の状態は毎年検査され保たれている。薬用型は、葉の先の色が違い一見して分かるが、それが生育していたことはない。 それでも栃木県は種を厳重に管理して県外への譲渡を認めておらず、2016年12月には規定を改正して県内栽培者に県外からの研修生や見学の受け入れを禁止した。 なお、日本の大麻取締法第22条の2の2は、「大麻の濫用による保健衛生上の危害の発生を防止するため必要な最小限度のものに限り、かつ、免許又は許可を受ける者に対し不当な義務を課することとならないものでなければならない」としている。
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