てよだわ言葉の流行の終焉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 07:30 UTC 版)
「若者言葉」の記事における「てよだわ言葉の流行の終焉」の解説
明治時代以降女性の間で流行していた「よろしくってよ」「そうなのよ」「そうだわ」といった「てよだわ言葉」は、1980年代以降廃れ始め、現代の若者の間では使われなくなっている。現在の若者世代では男女を問わず「〜だよ」「だね」「〜かな」、これに加えて「〜じゃん」「〜(で)さぁ」「〜なんだよね」のようなユニセックスな言葉遣いが主流になった。しかし、テレビの報道番組で報道される外国人女性のコメントや、バラエティ番組などで登場する外国人女性、あるいは洋画、日本国外のテレビドラマなどで登場する女性の台詞の日本語字幕や吹き替えでは、現在でもてよだわ言葉が広く使われている。 てよだわ言葉はそれほど歴史のあるものではない。明治時代の女学生の間で流行し、その後共通語の一部として全国に広まったものである。そのため方言ではあまり使われることがなく、江戸時代を舞台にした落語や時代劇には、現代では廃れた郭言葉のような特殊な女性語を使う女性が現れることはあっても、てよだわ言葉を使う女性は登場しない。昭和4年(1929年)に出版された落語の速記録によれば、下記のような言葉を使う女性が登場する。 「呆れ返っちまうね」「馬鹿々々しいじゃないか」(柳家小さん『富八』) 「ワン〳〵吠(ほ)え出したじゃァないか」「それから私が行って見ると大変なんだよ」(桂文治『夢分限』) てよだわ言葉は、流行し出した当初、耳障りで下品な言葉遣いとして非難・排斥されたものである。昨今は衰退の途にあるが、これは「良い」とか「悪い」とか評価できる問題ではない。 なお、普遍的な女性語が失われた現在でも、一人称においては今なお男女差がはっきりしており、女性が「僕」「俺」などという言葉を使うことには根強い抵抗感がある(ボク少女を参考)。
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