さんふらわあ_くろしおとは? わかりやすく解説

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やいま丸

(さんふらわあ_くろしお から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/27 08:02 UTC 版)

さんふらわあ > さんふらわあ くろしお
やいま丸
(PANSTAR DREAM)
基本情報
船種 フェリー
船籍 日本(1997-2002)
韓国(2002-2025)
パナマ(2025-)
所有者 運輸施設整備事業団
ブルーハイウェイライン
パンスターフェリー
商船やいま
運用者 ブルーハイウェイライン
ダイヤモンドフェリー
パンスターフェリー
商船やいま
建造所 三菱重工業下関造船所[1](1034番船)
航行区域 沿海区域・A2水域[1]
信号符字 DSFU2
IMO番号 9162150
MMSI番号 441178000
改名 さんふらわあ くろしお(1997-2002)
パンスター・ドリーム(2002-2025)
経歴
進水 1997年3月21日[1]
竣工 1997年
就航 1997年7月1日[2]
要目
総トン数 9,900 トン[1]
載貨重量 4,249 トン[1]
全長 160.0 m[2]
最大幅 25.0 m[2]
深さ 16.81 m[2]
喫水 4.49m[1]
満載喫水 6.05m[1]
機関方式 ディーゼル
主機関 NKK18PC-6V 2基
出力 27,000 hp[2]
最大速力 25.16ノット
航海速力 22.7ノット[2]
旅客定員 560名[2]
乗組員 40名
車両搭載数 12mトラック150台、4.5m乗用車70台[2][1]
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やいま丸は、商船やいまが所有しているフェリー。過去にはさんふらわあ くろしおとしてブルーハイウェイラインパンスター・ドリームとしてパンスターフェリーが運航したフェリー。

概要

日本国内航路での運航

さんふらわあ とさの代船として三菱重工業下関造船所で建造され、1997年7月1日東京 - 那智勝浦 - 高知航路に就航した。船名は高知航路を流れる太平洋の黒潮に由来する[3]

しかし乗客定員を従来のさんふらわあ とさの約1100人から490名と大幅に減らした事から収益の圧迫に繋がり、国道42号などの道路網の改善、南紀白浜空港への大型旅客機の就航といった航空便の発達、プレハブ材の普及に伴なう木材需要の低迷などによる貨物輸送の減少もあり、年間4億円から6億円・累積で40数億円の赤字となったことから、2001年10月1日、航路廃止により定期航路から引退[4]、最終便の高知発便は荒天のため那智勝浦を抜港し運航された[5]。高知航路廃止後には機関故障で長期離脱したスターダイヤモンドの代船として、2001年10月から12月までダイヤモンドフェリー神戸 - 別府航路に就航した[6]

国際航路での運航

その後は海外売船され、韓国パンスターフェリーパンスター・ドリーム(PANSTAR DREAM)となり、釜山港大阪南港を結ぶ国際航路に2002年4月から就航した。 2007年4月からは、元さんふらわあ みとパンスター・サニー(PANSTAR SUNNY)の就航によりデイリー運航となっていたが、2009年5月から本船のみの週3往復の運航となっていた。[7][8]

パンスター・ドリームは2025年春に代替されることが発表済み[9]だが、2024年8月1日に沖縄県石垣市が、同船を使用し2025年中頃より石垣港台湾基隆港に地元企業と同市が出資する新法人により就航する構想を発表した[10]。2024年9月に設立された新法人「商船やいま」はパンスター・ドリームを「やいま丸」に改名することを明言した[11]

2025年、商船やいまはやいま丸を購入と改装し、9月の運航開始に準備することを公表した[12]。8月9日、やいま丸は釜山港から基隆港に到着し、一ヶ月間の整備に入った[13]。8月27日、台湾では追加工事が起こり、航路は10月末頃に延期される予定と業務委託先の華岡集団が公表した[14]。9月16日、石垣市担当者が就航時期は「まだ決まっていない。できるだけ早期に就航したい」と述べた[15]

石垣・台湾航路問題

2025年6月18日、中山義隆は予算の説明などに虚偽があったとして、市議会により不信任決議が可決された。29日、中山は自動失職し、市長選挙への立候補を表明した。[16][17]

石垣・台湾航路の船である「やいま丸」は、2025年石垣市長選挙における主要な争点の一つとなった。中山義隆は航路構えて台湾との経済圏域を構築することを主張した。[18]一方で、砥板芳行は航路の経済性および公益性に疑義を呈し、航路を廃止しを示唆した。[19]主張の相違により、存続に関して不確実性が生じた。[20][21]8月17日、中山義隆は当選を果たし、航路推進の方針が継続されることとなった。[22]

航路を反対する市民団体「石垣・台湾航路問題解明市民の会」は、石垣市が違法や不当行為の可能性があるとして、住民監査請求を要請した。[23]石垣市は7月30日に請求を棄却した。[24]8月29日、同団体は那覇地方裁判所に住民訴訟を提起した。[25][26]

設計

前船のさんふらわあとさと比較して、やや小型となり総トン数は減少した。航路の利用状況に合わせて旅客定員が削減され、車両積載能力が強化されている。主機出力の増強により航海時間が約1時間短縮され、東京 - 高知の所要時間は20時間30分となった[2]

船内のコンセプトは「浴衣でくつろぐ船の旅」で、和風旅館をイメージした内装とされたほか、浴衣姿で船内のパブリックスペースを利用することが認められていた[2]

船内

ブルーハイウェイライン時代

客室
  • 特等室(ツインベッド2名 Aデッキ30室)
  • 1等室A(ツインベッド2名+ソファベッド1名 Aデッキ10室・Bデッキ20室)
  • 1等室B(一段ベッド×4 Aデッキ37室・Bデッキ13室)
  • 2等寝台(二段ベッド 4名×25室 Bデッキ)
  • 2等室(20名×2室 Aデッキ)
  • ドライバーズルーム(40名 Bデッキ)
公室
いずれもBデッキ。
  • エントランスホール
    • 案内所
    • ダンスフロア
  • レストラン
  • 展望浴室
  • パーティルーム(カラオケ設備有)
  • 娯楽室
  • ゲームコーナー
  • ドライバー浴室
  • ドライバー娯楽室

パンスターライン時代

4階コンパスデッキ
  • カフェ「夢」VIPラウンジ
  • スカイジム
  • ヘリデッキ
3階ブリッジデッキ
  • カフェ「夢」
  • カフェテラス
  • オーシャンビューガーデン
  • インフィニティーゴルフ
2階Aデッキ「クルーズゾーン」
  • ラウンジ「The PARADISE」(スイートルーム客専用)
  • 医務室
  • ロイヤルスイート「BLUE」「ORANGE」(各2名・ダブルベッド)
  • デラックススイート(2名×33室・ツインベッド)
  • スタンダードA(5名×13室・マットレス相部屋)
  • 団体客室(2室)
1階Bデッキ「フェリーゾーン」
  • ロビー
  • フロント
  • コンビニ「GS25」
  • ビジネスセンター
  • サウナ大浴場
  • レストラン「ムグンファ」
  • エンターテイメントステージ「マスカレード」
  • 特別レストラン「チェリーブラッサム」
  • ラウンジ「大阪」
  • 寿司バー「瀬戸内」
  • ゲームルーム
  • マッサージ・貸切浴室「セラピーハウス」
  • 免税店「SEASTAR SHOP」
  • カラオケルーム「DREAM」「CHORUS」
  • 会議室
  • ジュニアルーム(2名×4室・ツインベッド)
  • ファミリールーム(4名×9室・マットレス)
  • スタンダードA(5名×29室)
  • スタンダードB(2名×24室・ツインベッド相部屋)
  • 団体客室(1室)

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 貨物営業案内 フェリー部門主要目」ブルーハイウェイライン。2001年2月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月19日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i j 株式会社ブルーハイウェイライン「"浴衣"でくつろぐ船の旅 : 大型フェリー「さんふらわあ くろしお」」『らん』(38号)、日本船舶海洋工学会、1997年12月30日、44–46頁。ISSN 0916-0981NAID 110003866502。2016年2月15日閲覧
  3. ^ TOPICS - ブルーハイウェイライン(Internet Archive)
  4. ^ 長距離フェリー航路廃止復活へ2社と水面下で交渉 - 朝日新聞2001年10月2日朝刊和歌山版
  5. ^ さんふらわあ最後の航海今日廃止 - 朝日新聞朝刊和歌山版2001年10月1日朝刊
  6. ^ ダイヤモンドフェリー/「さんふらわあ くろしお」用船へ。投入船ドック入りで。別府-神戸直行便に変更 - 日本海事新聞2001年10月22日
  7. ^ パンスター、2月は“サニー”を運航」『海事プレス』2009年1月29日。
  8. ^ パンスター・ライン フェリー2隻を返船、神戸寄港は休止」『Daily Cargo』2009年4月8日。
  9. ^ パンスタークルーズフェリーが贈る新造船「パンスターミラクル号」2025年春 就航! - サンスターライン(2024年8月3日閲覧)
  10. ^ 石垣―基隆、貨客フェリー就航へ。来年中ごろ開始、パンスター運航船購入」『日本海事新聞』2024年8月2日。 (2024年8月2日付、同月3日閲覧(デイリー版3面掲載記事))
  11. ^ 石垣・基隆定期フェリー 韓国のパンスター社から購入へ」『八重山毎日新聞』2024年11月19日。
  12. ^ 石垣島〜台湾・基隆の定期フェリーが9月就航へ 片道1万円から、週3便運航」『風傳媒日本語版』2025年6月2日。
  13. ^ 賴淑敏、謝政霖「基隆往返石垣島渡輪9月啟航 預計每週往返3班」『公視新聞網』(中国語)、2025年8月9日。
  14. ^ 獨/基隆-石垣島渡輪「延至10月開航」!業者:有追加整備工程」『ETtoday旅遊雲』(繁体中国語)、2025年8月27日。2025年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年9月13日閲覧
  15. ^ 照屋 大哲「石垣-台湾の定期船、9月予定だっが…就航「まだ決まっていない」 沖縄」『琉球新報』2025年9月17日。2025年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月12日閲覧
  16. ^ 不信任決議受けた沖縄県石垣市長が自動失職、50日以内に市長選へ…議案の日付を執行部が改ざん」『読売新聞オンライン』2025年6月30日。2025年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月13日閲覧
  17. ^ 石垣市長選 不信任で失職した中山前市長が出馬表明」『琉球朝日放送 報道制作局』琉球朝日放送、2025年7月25日。2025年10月13日閲覧
  18. ^ 砂川孫優「台湾との定期船開設で経済圏域を構築へ 石垣市長選で5選目指す中山義隆氏、61項目の政策発表「全て実現する」」『沖繩時報』2025年8月6日。2025年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月6日閲覧
  19. ^ 砂川孫優「台湾との定期航路を廃止して子育て事業費に 石垣市長選へ野党系の砥板芳行氏、52項目の政策発表「市政を刷新する」」『沖繩時報』2025年8月6日。2025年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月6日閲覧
  20. ^ 台湾航路開設で対立 「経済の起爆剤」/「合理性ない」 争点①石垣市長選」『八重山毎日新聞』2025年8月14日。2025年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月22日閲覧
  21. ^ 徐子為「基隆-石垣島渡輪開航有變數? 網曝石垣市長選舉結果恐影響航線存廢」『民視新聞網』(中国語)、2024年8月14日。2025年10月7日閲覧
  22. ^ 石垣市長選 不信任決議で失職の中山前市長が5回目の当選」」『NHK』2025年8月18日。2025年10月6日閲覧
  23. ^ 台湾航路新設に疑義 石垣市民 市に監査請求」『沖縄タイムス+プラス』2025年6月7日。2025年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月10日閲覧
  24. ^ 前原博一、石垣達也「石垣市監査委員告示第6号 (PDF)」『石垣市役所』。2025年8月10日閲覧
  25. ^ 石垣―台湾航路巡り、住民訴訟 船舶取得の関連費用「市の支出は違法」 沖縄」『琉球新報』2025年8月30日。2025年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月6日閲覧
  26. ^ 台湾定期船 市を提訴 船舶購入など手続き負担 住民、市長らに賠償求める」『沖縄タイムス+プラス』2025年8月30日。2025年10月6日閲覧

外部リンク


さんふらわあ くろしお(ブルーハイウェイライン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 02:20 UTC 版)

さんふらわあ」の記事における「さんふらわあ くろしお(ブルーハイウェイライン)」の解説

9,723総トン全長160m、幅25m、出力27,000馬力航海速力22.7ノット旅客定員530名。車両積載数:トラック150台・乗用車70台。三菱重工業下関造船所建造1997年7月就航2001年9月航路廃止に伴い引退2001年10月から12月までスターダイヤモンドの機関故障に伴う代替船としてダイヤモンドフェリー神戸 - 別府航路就航したのち日本国外売却され2002年4月よりパンスターフェリー韓国)のPANSTER DREAMパンスタードリーム韓国船籍 、サンスターライン)として運航

※この「さんふらわあ くろしお(ブルーハイウェイライン)」の解説は、「さんふらわあ」の解説の一部です。
「さんふらわあ くろしお(ブルーハイウェイライン)」を含む「さんふらわあ」の記事については、「さんふらわあ」の概要を参照ください。

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