さらなる贋作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/28 01:54 UTC 版)
「アイアランド贋作事件」の記事における「さらなる贋作」の解説
ウィリアム・ヘンリーは次なる発見に関して、単なる贋作からオリジナル作品へと移行していった。ウィリアム・ヘンリーは、どうやら研究ではなく偶然出会った父親の友人の話からシェイクスピアのパトロンであった第3代サウサンプトン伯ヘンリー・リズリーについて学んでいたらしく、彼はシェイクスピアとリズリーの間で交わされた文通を偽造することに決め、もっともらしい手紙を書き上げた。ウィリアム・ヘンリーは、両方の手紙がどのように同一のコレクションになるのかを説明するため、シェイクスピアのものは彼が送った「写し」の手紙であると注釈を書いた。サミュエルと彼の友人は伯爵の筆跡は褒めなかったものの、その手紙の文体は賞賛した。伯爵の手書き文書が実在することを知らなかったウィリアム・ヘンリーは、サウサンプトン伯の返事を左手で書いた。 Mr.Hの所有する表向きには奇跡の櫃とされていたものから、文書は次から次へとやって来た。シェイクスピアの信仰宣言書は彼がプロテスタントであったことを証明し、同僚俳優リチャード・カウリーへの手紙は彼が「完璧に性格の良い男」であったことを示し、エリザベス1世からの手紙は彼が国で最も影響力のあった人々のお気に入りであったことを明らかにした。カウリーへの手紙に同封された彼の自画像は、彼が計り知れないユーモアのセンスを持った悲惨な画家であったことを示した。その手紙には「気まぐれな空想」だと描写され、これは(マローンが書いたことだが)「本当に気まぐれなもので、マーティン・ドルーシャウトがシェイクスピアの死から7年後に作った版画からきた、彼自身によって書かれた我々詩人の惨めなデッサンであった」。また、劇場の受領書、契約書、彼の将来の妻アン・ハサウェイに向けて書かれた手紙や詩、そして詩人であるシェイクスピア自身によって実際に余白に注釈が書き込まれた書斎の本などもあった。しかし最も興味深かったものは、印刷のために用意された『リア王』の原稿、数枚の『ハムレット』の原稿、以前には知られていなかった2つの戯曲『ヴォーティガンとロウィーナ』、『ヘンリー2世』であった。
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