さらなる連星合体現象検出への期待
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「重力波の初検出」の記事における「さらなる連星合体現象検出への期待」の解説
2016年6月15日、LIGOはふたつ目の重力波イベントGW151226の検出を発表した。LIGOの感度から見積もると、2016年11月から2017年8月までの観測期間において、GW150914と同様のブラックホール合体現象からの重力波をさらに5回は検出できるだろうと期待されていた(結果的には、7回の検出に成功した)。また、連星合体は毎年40回、現在の理論では予言できないようなまったく新しい現象も数多く検出されると見込まれていた。 LIGOをさらにアップグレードさせる計画があり、これによって信号雑音比は2倍向上し、GW150914のような重力波イベントが検出できる宇宙の体積は一桁増加すると見込まれている。またアップグレードされたVIRGO干渉計やKAGRA、構想中のLIGOインディアなどのネットワークを構築することで、天体位置の特定精度や天体の物理情報の導出精度がさらに向上すると期待されている。 また、宇宙に重力波望遠鏡を打ち上げて感度の大幅な向上を図る構想もある。宇宙重力波望遠鏡 (LISA)では、GW150914と同様なブラックホール合体の場合、合体の1000年前の段階から重力波を検出可能であるとされており、10メガパーセク以内に存在する未知の天体を数多く発見することが期待されている。これに先立って、技術実証ミッションとしてLISA パスファインダーが2015年12月に打ち上げられ、LISAが実現可能であることが確認された。 2020年に完了するアップグレードによって、LIGOは年間1000回のブラックホール合体を検出できると見積もられている。
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