こうてい‐えき【口×蹄疫】
読み方:こうていえき
ウイルス性伝染病の一つ。豚・牛・水牛・羊・山羊・鹿・猪・ラクダ・トナカイなど偶蹄類の動物およびハリネズミ・ゾウなどが感染し、口腔の粘膜やひづめの間の皮膚などに水疱を生じる。国際獣疫事務局(OIE)のリスト疾病に指定され、国際的に厳しく監視される。日本では、家畜伝染病予防法の監視伝染病(家畜伝染病)に指定されている。
[補説] 成獣での致死率は低いが、感染率・発病率は高く、家畜の場合、運動障害・栄養失調により生産性が低下する。感染が拡大すると甚大な経済的損失を招くおそれがあるため、患畜は速やかに殺処分される。また、発生場所から一定範囲内の家畜の搬出は厳しく制限され、疑似患畜を含めて全頭殺処分し、埋却される。ウイルスが付着した飼料・人・車両も感染経路となるため、消毒や交通制限が行われる。
口蹄疫(こうていえき)
牛や豚、羊などの家畜がウイルスによって感染する急性伝染病だ。口や蹄(ひづめ)などに水泡ができるのでこのように呼ばれている。その他、発熱や歩行困難といった症状も現れることがある。
この病気は、ウイルスによる空気感染が心配されることから、感染した家畜は廃棄処分するしかない。口蹄疫は、畜産業に大きな打撃を与えるので、世界中で最も恐れられていう。
2001年2月、イギリスで口蹄疫の感染が確認されて以来、EU諸国を中心に世界的な流行の兆しが見え始めた。国連食糧農業機関 (FAO) は、2001年3月21日からローマで対策会議を開いた。
日本でも2000年、北海道と宮崎市で口蹄疫ウイルスの感染が確認された。このとき、国内で口蹄疫が発生するのは1908年以来92年ぶりのことだった。その後、清浄国への復帰を果たしたが、今回の大量発生に対する予防が求められている。
(2001.03.20更新)
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