2000年日本における口蹄疫
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2000年日本における口蹄疫(にせんねんにほんにおけるこうていえき)は、日本で2000年に発生した口蹄疫について記述する。
経緯
農林水産省畜産局プレスリリース第1~49報[1]
疑似患畜確認まで
- 3月12日 民間開業獣医師が診察、 1頭に発熱、食欲不振、発咳などの症状 を確認。
- 3月?日 他の同居牛にも食欲不振、鼻腔内のびらんなどの症状が伝播して いったことから、口蹄疫を疑う。
- 3月21日 宮崎家畜保健衛生所に通報。宮崎県畜産課を通じて通報を受けた農林水産省畜産局衛生課動物の隔離、施設の消毒等の措置の実施を指示するととも に、農林水産省家畜衛生試験場に病性鑑定材料を送付することを指示。
- 3月22日 ELISA検査及びCF検査を実施したところ、陰性の結果
- 3月23日 PCR検査結、併行して実施していたウイルスの存在を完全に否定できず。
- 3月24日 朝、国の専門家を現地に派遣して、再度検査材料を採取。
- 3 月24日・25日 再度実施したPCR検査 ではウイルスの存在そのものは確認されなかった。以上の結果から「口蹄疫」の疑似患畜と診断するに至った。
「家畜衛試ニュース(2000年) No.103 P2~7」[2]
- 3月22日 診断材料は翌22日に採取され、同日午後2時に海外病研究部へ到着した。海外病研究部では、ただちに口蹄疫診断の標準法に基づいた抗原検出用の補体結合反応とエライザを開始し、午後8時に両検査とも終了した。結果はいずれも陰性であったが、
- 同時に行っていたRT-PCRによるウイルス遺伝子断片の検出が同日の深夜、またエライザによる抗体検査では翌日に陽性の成績が得られた。
- 3月23日 日本では長期間口蹄疫が発生していないことから、診断には慎重を期する必要があるため、23日にはRT-PCRによる遺伝子断片の検出をさらに二度繰り返し実施した。結果はいずれも陽性であった。
- 3月25日 これらの成績は25日に開催された口蹄疫中央防疫対策本部防疫技術委員会で詳細に検討され、同農場の牛10頭を疑似患畜と診断した。対応。日本における92年ぶりの口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の防疫対応]より。
日本における92年ぶりの口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の防疫対応[3]
- 同時に実施したRTPCRによる遺伝子断片の検出および血清における抗体検出ELISAが陽性反応を示した。家畜衛試は,これらの病性鑑定成績をもって,OIEが定めた口蹄疫診断マニュアル(国際標準法)にしたがって,口蹄疫ウイルスによる感染と判断した。
疑似患畜確認後
宮崎県
- 3月
-
- 3月25日
- 3月28日
- 3月29日
- 4月
-
- 4月2日
-
- 宮崎県内での防疫活動に協力するため、15府県から派遣された20名の家畜防疫員が4月2日から6日までの予定で防疫活動を開始している[8]。
- 4月3日
- 4月4日
- 4月6日
- 4月10日
- 4月11日
-
- 4月9日までに近隣農場、疫学関連農場あわせて約350戸を含む14,300戸の立入検査を実施[13]。
- 搬出制限の期間の延長について
-
- 3月25日の宮崎市における口蹄疫の発生に伴い設定されている「搬出制限地域」(発生農場から半径20km~50kmの地域)において実施されている搬出制限等の実施期間については、原則3週間とされていたが、清浄性の確認のための抗体検査等に更に時間を要することから、当初想定していた4月15日より数日間ズレ込む見込みである。
- 4月13日
-
- 4月11日までに近隣農場、疫学関連農場あわせて約350戸を含む14,300戸の立入検査を実施[14]。
- 4月15日
-
- 4月13日までに近隣農場、疫学関連農場あわせて約450戸を含む14,308戸の立入検査を実施[15]。
- 4月17日
-
- 4月15日までに近隣農場、疫学関連農場あわせてのべ約450戸を含む14,308戸の立入検査を終了[16]。
- 4月19日
-
- 4月17日までに近隣農場、疫学関連農場あわせて約520戸を含む14,308戸の立入検査を終了[17]。
- 4月23日
-
- 4月21日深夜までに移動制限地域及び搬出制限地域における抗体検査が一通り終了したことから
- 初発農場から半径50kmの搬出制限地域の解除をするとともに
- 初発農場から半径20kmの移動制限地域を、4月3日及び4月9日に患畜・疑似患畜が確認された各々1農場を中心とした半径10kmの地域に変更することとする[18]。
- これと併せて,抗体検査の結果,清浄性を確認するために更なる検査が必要な農場については,農場隔離検査プログラムの対象とし,必要な検査を行うこととしている。農場隔離検査プログラムの対象となる農場は,現時点においては全国で31戸となっている[18]。
- 4月26日
-
- 4月23日から設定されている移動制限地域については、4月26日午前0時をもって,野尻町紙屋地区及び高城町四家地区が解除され,4月9日に患畜・疑似患畜が確認された農場を中心とした半径10kmの地域に変更となる[19]。
- 5月
-
- 5月2日
-
- 口蹄疫の患畜・疑似患畜の確認に伴い設定されていた移動制限地域は,5月2日午前0時をもってすべて解除された[20]。
北海道
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熊本県
- 3月
- 4月
-
- 4月3日
- 4月7日
- 4月11日
- 4月12日
- 4月14日
-
- 4月12日までに4,138戸の立入検査が実施され,1,746戸についての診療獣医師による報告があった[23]。
- 4月15日
-
- 4月13日までに4,138戸の立入検査が実施され,1,746戸についての診療獣医師による報告があった[15]。
- 4月17日
-
- 4月15日までに5,046戸の立入検査が実施され,1,945戸についての診療獣医師による報告があった[16]。
- 4月18日
-
- 4月16日までに5,046戸の立入検査が実施され,1,945戸についての診療獣医師による報告があった[24]。
- 4月19日
-
- 4月17日までに5,449戸の立入検査が実施され,2,089戸についての診療獣医師による報告があった[17]。
- 4月21日
-
- 4月19日までに6,144戸の立入検査が実施され,2,174戸についての診療獣医師による報告があった[25]。
鹿児島県
- 3月
-
- 3月29日
-
- 3月28日までに全県的な立入検査、民間獣医師の調査を実施中(いずれも異常なし)[6]。
- 3月31日
-
- 3月29日までの立入検査454戸、診療獣医師による報告等334戸について、いずれも異常なし[7]。
- 4月
-
- 4月3日
-
- 3月31日までの立入検査502戸、診療獣医師による報告等1,364戸について、いずれも異常なし[8]。
- 4月6日
-
- 4月3日までに558戸の立入検査と2,224戸についての診療獣医師による報告がなされ,いずれも臨床的な異常を認めず[11]。
- 4月7日
-
- 4月4日までに392戸の立入検査と2,611戸についての診療獣医師による報告がなされ,いずれも臨床的な異常を認めず[21]。
- 4月11日
-
- 4月9日までに1,184戸の立入検査と3,884戸についての診療獣医師による報告がなされ、いずれも臨床的な異常を認めず[13]。
- 4月12日
-
- 4月10日までに1,970戸の立入検査と4,975戸についての診療獣医師による報告がなされ、いずれも臨床的な異常を認めず[22]。
- 4月13日
-
- 4月11日までに2,886戸の立入検査が実施され,5,791戸について診療獣医師による報告があった[14]。
- 4月14日
-
- 4月12日までに3,723戸の立入検査が実施され,6,539戸について診療獣医師による報告があった[23]。
- 4月15日
-
- 4月13日までに3,825戸の立入検査が実施され,6,863戸について診療獣医師による報告があった[15]。
- 4月17日
-
- 4月15日までに3,904戸の立入検査が実施され,7,363戸について診療獣医師による報告があった[16]。
- 4月18日
-
- 4月16日までに3,904戸の立入検査が実施され,7,631戸について診療獣医師による報告があった[24]。
- 4月19日
-
- 4月17日までに4,014戸の立入検査が実施され,8,554戸について診療獣医師による報告があった[17]。
- 4月21日
-
- 4月19日までに4,209戸の立入検査が実施され,9,119戸について診療獣医師による報告があった[25]。
資料
- ^ 5月21日(第1~49報)までのバックナンバー
- ^ 口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の対応「家畜衛試ニュース(2000年) No.103 P2~7」家畜衛試ニュース(2000年) No.103より。
- ^ 家畜衛生試験場口蹄疫対策本部「日本における92年ぶりの口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の防疫対応」 (PDF)
- ^ a b c d e f “口蹄疫の疑似患畜について(続報)”. 農林水産省畜産局 (2000年3月27日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c d e 「家畜伝染病:宮崎市で飼育の肥育牛10頭が感染 農水省」『毎日新聞』2000年3月25日。オリジナルの2000年10月5日時点におけるアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c d e “口蹄疫への対応について(第5報)”. 農林水産省畜産局 (2000年3月31日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c d e f “口蹄疫への対応について(第7報)”. 農林水産省畜産局 (2000年3月31日). 2004年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c d e f g “口蹄疫への対応について(第8報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月3日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b “口蹄疫への対応について(第9報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月3日). 2004年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b “口蹄疫への対応について(第10報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月4日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c d e “口蹄疫への対応について(第12報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月6日). 2004年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c “口蹄疫の疑似患畜の確認について(第14報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月10日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c d e “口蹄疫への対応について(第16報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月11日). 2004年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c d “口蹄疫への対応について(第18報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月13日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c “口蹄疫への対応について(第21報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月15日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c “口蹄疫への対応について(第22報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月17日). 2004年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c “口蹄疫への対応について(第24報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月19日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b “口蹄疫への対応について(第28報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月24日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ “口蹄疫への対応について(第30報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月26日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ “口蹄疫への対応について(第34報)”. 農林水産省畜産局 (2000年5月2日). 2004年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c “口蹄疫への対応について(第13報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月7日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b c “口蹄疫への対応について(第17報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月12日). 2004年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b “口蹄疫への対応について(第18報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月14日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b “口蹄疫への対応について(第23報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月18日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
- ^ a b “口蹄疫への対応について(第26報)”. 農林水産省畜産局 (2000年4月21日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
関連項目
- 2000年日本における口蹄疫のページへのリンク