【F7U】(えふななゆー)
Chance Vought F7U Cutlass(カットラス)
アメリカのチャンスボート社が開発した艦上戦闘機。
第二次世界大戦終了後、来るべきジェット時代の高速艦上機のひとつとして1946年7月から開発が開始された。
速度を追求したため、主翼に後退翼を採用しながら水平尾翼を持たない無尾翼機で、しかも垂直尾翼を主翼の中ほどから生やすという奇抜な外観をしている。
試作型のXF7U-1は1947年9月29日に初飛行し、1954年に部隊配備が開始された。
当時の艦上機としてはきわめて優れた速度性能を発揮し、高速時の運動性も悪くなかった一方で、低速時の揚力はきわめて貧弱なものとなった。
このため離着陸時の迎え角が非常に大きく、前方視界や安定性が劣悪なものとなった。
特に空母での離着艦時には致命的な弱点であり、事故を多発する結果となった。
このことから未亡人製造機というあだ名で呼ばれ、高速・低速ともに優れた性能を持つF8Uが配備されると、1957年には実戦部隊から退役していった。
スペックデータ
乗員 | 1名 |
全長 | 13.49m |
全高 | 5.37m |
全幅 | 11.78m |
主翼面積 | 46㎡ |
最大離陸重量 | 14,353kg |
エンジン | ウェスチングハウス(WH)製J-46-WE-8ターボジェット(推力20.5kN)×2基 |
最大速度 | 591kt |
実用上昇限度 | 12,200m |
航続距離 | 573nm |
兵装 | M3 20mm機関砲×4門、AIM-7 スパローAAM、ロケット弾ポッド等 |
主なバリエーション(カッコ内は製造機数)
- XF7U-1(3機):
試作機。ウェスティングハウス・エレクトリック(WH)製のJ34-WE-22 エンジンを搭載。事故により全損。
- F7U-1(14機):
前期量産型。試験にのみ使用。武装は機体下部の20mm機関砲4門のみ。
- F7U-2:
エンジンをWH J34-WE-42に換装。計画のみ。
- F7U-3(152機):
後期量産型。
エンジンをWH J46-WE-8(アフターバーナー付)に換装、主翼と垂直尾翼の拡大などの改良が施された。
武装は20mm機関砲4門、爆弾2.5t。
- F7U-3M(98機):
レーダーをAPG-30からAPG-51に換装し、AAM-N-2 スパローIを最大4発搭載可能としたもの。
武装はインテイク直上の20mm機関砲4門、爆弾2.5tまたはスパロー4発。
- F7U-3P(12機):
写真偵察型。
機首を63.5cm延長し、その中にカメラを装備した。また、20mm機関砲を40mm照明弾発射機に換装している。
試験のみ。
- A2U-1:
1951年提案。WH J46-WE-18 エンジンに換装など。50機発注されるも1954年にキャンセル。計画のみ。
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