『元朝秘史』の記述とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 『元朝秘史』の記述の意味・解説 

『元朝秘史』の記述

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 22:06 UTC 版)

クイテンの戦い」の記事における「『元朝秘史』の記述」の解説

元朝秘史』は『集史』や『聖武親征録』といった他の史料比べて物語色が強いと屡々評されるが、「クイテンの戦い」についての記述とりわけ史実乖離していることが指摘されている。「クイテンの戦い」に至る流れ上述たように「(1)チラウンらのテムジン派への投降(2)タイチウト氏タタル部撃破によるモンゴル勢力拡大対し(3)危機感強めたコンギラト東方諸部族ジャムカ推戴して結集したがそれでも敵わず、(4)ナイマン・メルキト・オイラトといった遠方諸部族味方引き入れて決戦挑んだ結果生じたのである。しかし、『元朝秘史』は(1)(2)と(3)(4)の順番入れ替えてクイテンの戦い結果タイチウト氏撃滅チラウンらの投降生じた」と記し、また(3)と(4)を混同してナイマン・メルキト・オイラトを含むモンゴル高原一円諸部族からジャムカ推戴されテムジン戦い挑んだかのように記している。 『元朝秘史』がこのように史実改変して「クイテンの戦い」について記述するのは、編者テムジンにとって幼少期以来宿敵であるタイチウト氏撃滅を最も重要であると見なす故に、「タイチウト氏撃滅」がクイテンの戦い主題であると読者認識するよう務めたためであると考えられている。

※この「『元朝秘史』の記述」の解説は、「クイテンの戦い」の解説の一部です。
「『元朝秘史』の記述」を含む「クイテンの戦い」の記事については、「クイテンの戦い」の概要を参照ください。


『元朝秘史』の記述

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 09:32 UTC 版)

ジャライルタイ・コルチ」の記事における「『元朝秘史』の記述」の解説

元朝秘史』巻12274節にはオゴデイ・カアンによるチョルマグン西アジア派遣バトゥ東欧派遣続いて高麗へモンゴル軍派遣について以下のように記されている。 さきに、女真人高麗人[の国に]出征したジャライルタイ・コルチ後詰めにはイェスデル・コルチを出征させて、「鎮戍の軍(タンマチ)として、留まらしめよ」とのご沙汰があった。 — オゴデイ・カアン、『元朝秘史』第281当初、『元朝秘史』の記す「ジャライルタイ・コルチ剌亦児台豁児赤)」は単純にオゴデイ時期高麗方面出兵した「撒礼塔/撒里台」と同一人物であるとみなされ柯劭忞の『新元史』や屠寄の『蒙兀児史記』などでも剌亦児台豁児赤=撒礼塔/撒里台であることを前提に立伝されている。しかし、(1)「撒里台」と「剌亦児台」では音価一致せず、むしろモンケ時期の「車羅大」の方が相似すること、(2)1258年/丁巳年に「車羅大」への援軍として「余愁達」が派遣されていることは、『元朝秘史』の「ジャライルタイの後詰めイェスデル派遣された」という記述によく合致すること、(3)274節には「チョルマグンバグダードの民を帰順させた」とあるが、バグダード陥落させたのはモンケ時期フレグであって時系列混乱見られること、などを踏まえ現在では「剌亦児台=モンケ時期の車羅大」と見なし、『元朝秘史』巻12274節にはオゴデイ時期外征モンケ時期外征記述入り乱れていると解釈するのが一般的である。

※この「『元朝秘史』の記述」の解説は、「ジャライルタイ・コルチ」の解説の一部です。
「『元朝秘史』の記述」を含む「ジャライルタイ・コルチ」の記事については、「ジャライルタイ・コルチ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「『元朝秘史』の記述」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「『元朝秘史』の記述」の関連用語

『元朝秘史』の記述のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



『元朝秘史』の記述のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのクイテンの戦い (改訂履歴)、ジャライルタイ・コルチ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS