大岡昇平によるテキスト批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 15:41 UTC 版)
「蒼き狼 (小説)」の記事における「大岡昇平によるテキスト批判」の解説
大岡昇平は雑誌「群像」の連載文芸時評『常識的文学論』(1961年1月号~12月号、のちに1962年1月、講談社より単行本化される)第一回の連載より数度にわたってこの作品を批判している。 論旨は『元朝秘史』の記述をもとに、「狼」を「頭口(明初の俗語で「家畜」の意)を害う狼」とすべきところを、井上靖は「頭を害う山犬」とする(故意に真意を歪めた解釈をしている)など、蒙古民族の狼に関する解釈と違うもので物語を作っており、その他の例を含めて「昭和三十年代の歴史小説家が、どんなに非歴史的な粗雑な頭の持ち主だったかの記録として、後世に残るであろう」(成吉思汗の秘密)としている。
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