「羽生世代」による将棋界の席巻
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「羽生世代」の記事における「「羽生世代」による将棋界の席巻」の解説
羽生世代の棋士は、1990年頃から30年近くにわたりタイトル棋戦やA級順位戦の主役で、タイトル獲得の過半数を占め続けた(将棋のタイトル在位者一覧 を参照)。羽生世代だけで全タイトルを制覇した年が4回ある(1995、1998、2000、2001、そのうち1995は羽生が単独で制覇)。その結果、タイトル獲得数3期以上(九段昇段の基準の一つ)の者が8人、うち永世称号保持者が3人(羽生、佐藤、森内)もいる特異な世代となった。 1994年度から2014年度までの21年間148回のタイトル棋戦で、5度の例外を除くすべてに羽生世代が出場した。特に棋聖戦 (将棋)については、1989年度から2018年度までの30年間すべてに羽生世代が出場している。ちなみに王座戦 (将棋) 戦については、1992年から2017年までの26年間すべてに羽生善治が出場した。 名人戦では、1994年から2016年までの22年間、毎年彼らのうちの誰かが七番勝負に登場している。羽生対森内のカードが特筆して多く、名人戦で9回(第54、61-63、66、69-72期)対戦しており、大山康晴-升田幸三と並び名人戦の中で1番多いカードとなっている。 竜王戦では、第2期(1989年度)に羽生が獲得して以来、第33期(2020年度)までの32回の七番勝負に「羽生世代」の棋士は27回登場している。しかし竜王位獲得は13回しかない。第11期(1998年度)までは先輩の谷川浩司、第17期(2004年度)以降は後輩の渡辺明が立ちふさがったためである。第17期(2004年度)以降、羽生世代の竜王位獲得は2回しかない。渡辺の竜王10連覇を森内が阻止した第26期(2013年度)と、羽生が47歳で最年長竜王となり永世竜王の資格も獲得した第30期(2017年度)である。 1995年に棋王5連覇で永世棋王の資格を得た羽生を皮切りに、2006年度に佐藤が棋聖5連覇で永世棋聖、2007年度に森内が名人通算5期で永世名人の資格を得るなど、羽生世代は将棋界の頂点を極める。一方、2000年代後半からは渡辺明に加え、ポスト羽生世代の久保利明、木村一基、三浦弘行もタイトル戦の舞台に多く出場するようになり実力が拮抗してくる。 羽生世代は1992年度以来ずっとタイトルの過半数を保持してきたが、2010年度それが一時的に崩れ、タイトルの過半数を羽生世代以外の棋士が占めることになった。2011年度以降は、再び羽生世代がタイトルの過半数を占めたが、その数はピーク時に比べると少なくなった。
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