「結婚式教会」での結婚式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 06:55 UTC 版)
日本で行われるいわゆる「キリスト教式結婚式」は、キリスト教徒の結婚式を模した結婚式が多い。すなわち本物の教会堂や聖堂でなく、結婚式のためだけにつくられた教会堂風の施設(宗教施設でなく集会場として登録されるいわゆる「結婚式教会」)において、特定の宗教や教会に所属しない者によって行われるケースが大多数である。また、様式としてもカトリックとプロテスタントの要素が混同したイギリス国教会風の場合が多い。その一方で正教会の様式が参考にされているケースは少ない。 現在の日本では、キリスト教徒は人口の1%程度であるが、信仰とは無関係に、キリスト教徒を模した挙式を望む人が非常に多い。ウェディングドレスを着て教会で式を挙げるというスタイルは、軽井沢にその源流がある。軽井沢は、明治時代に外国人宣教師が移り住んだことから国際避暑地として発展したため、その中で、キリスト教の教会が信徒以外の結婚式を受け入れるようになったことで、教会で式を挙げる人が増えていった。その後、1970年代にタレントの結婚式が軽井沢でたびたび行われたため、一般にも広まっていったとされている。キリスト教式が広く受け入れられていった理由として、団塊の世代は、当時の社会制度や価値観に抵抗した世代であり、新しい生活様式を生み出しただけでなく、個性を追求し、伝統的な価値観にプロテストした世代でもあったこと、また高度経済成長とともに裕福になりつつある社会の中で、女性の社会進出が進み、自由な思想や発想が受け入れられる時代になってきたことが、新しい挙式形態に影響を及ぼしたと考えられている。 マスコミなどがキリスト教形式の宣伝を繰り返し、一般的となっていることや、ウェディングドレスに似合う雰囲気という理由から、ホテルや結婚式場ではいわゆる 「キリスト教式結婚式」のプランが準備され行われている。一般的な進行としては、牧師が司式し、主に先に新郎が入場して祭壇の前で待つ。ウェディングブーケを持ち、ウェディングドレスを身にまとった新婦がエスコートする者(通常は実父)と共に入場。中央通路を進み、エスコートする者が新郎に新婦を引き渡す。以下順序等の違いはあるが、賛美歌(聖歌)、聖書の朗読、誓いの言葉、それに対する祝福、指輪の交換などが行われる。また、新郎新婦が建物から退場する際に、友人・親族等によって、ブーケ・トス、ライスシャワー、フラワーシャワー等が行われることもある。
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