「環境」という用語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 08:59 UTC 版)
コトバンクによると、元は中国の11世紀からの用語で、和製漢語になる。 研究者の早田(2003)は、環境は「environment」の訳語として、全国高女協会理事長で大日本優生会の創始者でもある市川源三が、1900年に「パーカー氏統合教授の原理」初出でそれ以前は、「environment」の訳語として「環象」「外界」などが使用されたとしている。 また、研究者の長沼(2008)は『「環境」をめぐる言語的「メタ環境」 : 翻訳語と文法的比喩』の中で、大正11年(1922年)に初版が出された『齋藤英和辭典』には environment の訳語として「環境」が登場してくる。レイチェル・カーソン(Rachel Carson)が Silent Spring を世に問うたのが1962年である。そして、その邦訳が2年後に日本で出版されている。この翻訳書は、1964年に刊行された青樹簗一訳『生と死の妙薬』である。その後、文庫本としてタイトルが『沈黙の春』と改題され、この短い段落で、surrounding が2回、environment が1回使用されているが、すべて「環境」と訳出されている。 1961年設立の環境開発センターにすぐに入所した田村明は「浅田孝の戦略」《都市計画家 Planners No.14》 1997 p.7で「単に建物をつくる、道路をつくるのではなく、より良い環境を創るといった意味で当時としては 極めてユニークだった『環境』という言葉を使っています。環境という言葉は当時は環境衛生程度の理解しか一般的にはなかった頃のことです。『随分、し尿処理会社と間違えられたよ』と浅田さんは言っていました。」と答えている。 小林治人「環境デザインと設景」(『設景 その発想と展開』1996年、マルモ出版所収)にも「私の記憶では「環境」という言葉が日本で、計画設計の対象として用いられたのは、東京都によって実施された「代々木公園計画設計懸賞募集」(1964年)に端を発していると思う。当時、環境という言葉に触れた多くの人々が、環境衛生というとらえ方をするのが普通の状況下にあった。私たち環境計画研究グループのメンバーの集合場所に「環境計画研究室」と貼り紙をしておいたら、衛生器材のセールスマンが訪れて来たという時代であった。」とある。
※この「「環境」という用語」の解説は、「環境」の解説の一部です。
「「環境」という用語」を含む「環境」の記事については、「環境」の概要を参照ください。
- 「環境」という用語のページへのリンク