「政治利用」とされている過去の事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:36 UTC 版)
「天皇特例会見」の記事における「「政治利用」とされている過去の事例」の解説
1973年、田中角栄内閣の増原惠吉防衛庁長官が内奏時に賜った昭和天皇のおことばを漏らし、政治利用であると批判され辞任に追い込まれた(増原内奏問題)。 1992年、宮沢内閣は天安門事件によって国際的な制裁を受け、国家イメージを悪化させていた中国から天皇・皇后の訪中を繰り返し要請され、これに応じている。銭其琛元外相が「西側の制裁を打ち破る最も適切な突破口になった」と回想録で明らかにしたことから、『産経新聞』は「訪中が中国に政治利用された」、『読売新聞』は「中国は日本の皇室の「政治的価値」を熟知している」との見解を示した。 2009年10月9日、鳩山由紀夫首相が韓国で開かれた日韓首脳会談後の共同記者会見で、韓国が要望する天皇訪韓について、「私は天皇陛下ご自身もその思いを強く持っておられると理解している」と発言したが、「天皇が反論されないことを承知して意図的な政治利用を図っていないか」との批判がなされている。 2009年10月23日、岡田克也外務大臣は、国会開会式での天皇のおことばについて、「陛下の思いが少しは入った言葉がいただけるような工夫を考えてほしい」と発言したが、鳩山首相が「陛下のお気持ちを推し量ることはできない。コメントすべきでなかった」と批判したほか、「天皇陛下のお言葉は慎重に考えられるべきだ。政治利用が起きたらまずい」、「天皇陛下の政治的中立を考えれば、お言葉のスタイルについて軽々に言うべきではない。極めて不適切だ」、「行き過ぎた発言だ。民主党のおごりを感じる」など与野党から批判が相次ぎ、『産経新聞』も社説「主張」にて岡田の発言を非難した。羽毛田信吾宮内庁長官は、「国政の場における陛下のお言葉には一定の制約がある」との見解を示した上で、「陛下の国会開会式でのお言葉は国事行為に準じた位置付けであり、閣議で決定される」と指摘し、一義的には内閣で議論すべきとの考えも示した。 習副主席の妻で人民解放軍少将の歌手である彭麗媛が11月に東京・学習院大で公演した際にも、皇太子が私的に会場を訪れて鑑賞し、言葉を交したという。『読売新聞』は、『中国にとって天皇との外交は「政治」そのものであり、中国は今回様々な手を打って準備した』と報じた。
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