écriture 新人作家・杉浦李奈の推論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:16 UTC 版)
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23歳の新人ラノベ作家・杉浦李奈は三重県から上京し、阿佐谷で一人暮らしをしている。これまで三冊のラノベ(『雨宮の優雅で怠惰な生活』他)を角川文庫で出してきて、初めての一般文芸『トウモロコシの粒は偶数』の発売を控えていた。芥川龍之介と太宰治に心酔していたことから、世間で話題の流行作家である岩崎翔吾との対談が、講談社の『小説現代』で企画される。 岩崎翔吾は直木賞と芥川賞にダブルノミネートされた『黎明に至りし暁暗』の作者だった。対談が縁で岩崎は李奈の『トウモロコシの粒は偶数』の初版本の帯に推薦文を提供してくれる。喜ぶ李奈だったがKADOKAWAの担当編集者である菊池からは、著者に送った見本から帯だけを送りかえすよう指示が伝えられる。 驚いたことに岩崎に盗作疑惑が持ち上がっていた。岩崎の新作『エレメンタリー・ドクトリン』が、約一週間前に刊行された嶋貫克樹著『陽射しは明日を紡ぐ』にそっくりだというのだ。実際両作は部分的な違いがあるだけで、中身は太宰治の『斜陽』の劣化コピーという有様だった。 岩崎は家族にも黙って行方をくらましてしまう。KADOKAWAの菊池は李奈に、岩崎の盗作に関する分析と、現在の居場所の解明のため、取材とノンフィクション本の執筆を依頼する。 出版社からの依頼を断り切れず、李奈は取材を開始。嶋貫は『陽射しは明日を紡ぐ』を、岩崎の『エレメンタリー・ドクトリン』より、僅か3日だけ早く完成させ、出版社に送っていたことがわかった。しかも嶋貫は日本文藝家協会の副理事や『週刊文春』『週刊新潮』の記者を呼び集め、確実に岩崎より先に原稿を編集部に送っていたことを、当日に確認させていたのだ。
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