覆水盆に返らず
覆水盆に返らずとは、覆水盆に返らずの意味
覆水盆に返らずとは、1度起きてしまったことは2度と元に戻らない、という意味のことわざ。覆水盆に返らずの言葉は中国の故事に由来する。呂尚という男は本ばかり読んで仕事をせず、妻は呆れて彼の元を去って行った。その後、彼が斉国を建国すると元妻は一転復縁を願い出る。呂尚は盆の中に入っていた水を床にこぼし、これを元に戻すことができれば復縁すると彼女に告げる。もちろんそれはできず2人が復縁することはなかった。覆水盆に返らずの類語
覆水盆に返らずは、四字熟語では「覆水不返」と書く。また、類語には「後悔先に立たず」「時すでに遅し」「後の祭り」などの表現がある。使い方の例文としては「大事な書類を誤って処分してしまい、覆水盆に返らずである」や「覆水盆に返らずではあるが、あんなことを言って傷つけてしまい後悔している」など、起きてしまったことに対して取り返しがつかないと自覚し、それでも深く悔やんでいる、といった状況で使われることが多い。深刻で取り戻せない事態を嘆く言葉として使用するのに適したことわざである。「It is no use crying spilt milk」は、「こぼれたミルクを嘆いても無駄だ」という意味を持ち、英語圏でよく使用されていることわざである。このことわざには「ミルクはまた注げばいいので嘆かなくてもいい」といった前向きな意味合いも含まれているため、覆水盆に返らずと似ていても微妙にニュアンスが異なる表現である。
覆水(ふくすい)盆(ぼん)に返(かえ)らず
覆水盆に返らず
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/10 02:06 UTC 版)
覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)は、ことわざの一つ。下の由来から、「一度離婚した夫婦は元に戻ることはできない」、転じて「一度起きてしまったことは二度と元には戻らない」と言う意味。覆水収め難し、
由来
周に仕官する以前のこと、呂尚はある女と結婚したが、いつも仕事もせず、呑気に本ばかり読んでいた。それを見た女は呂尚に失望し「この呂尚と一緒にいてもいいことはない」と思い、女は呂尚と離縁した。
その後、呂尚は、周の王の目に留まって仕えることになった。やがて、呂尚は「太公望」として周から斉の国に封ぜられ、身分の高い大人物になった。
そんな呂尚の大出世を知って、昔、呂尚を捨てた女が呂尚の前に再び現れた。そして、女は、「どうか私ともう一度、一緒に暮らしてほしい」と復縁を申し出た。
そこで、太公望となった呂尚は水の入った盆を持ってきて、水を床にこぼし、「この水を盆の上に戻してみよ。」と女に言った。
女はこぼれた水を元に戻そうとやってみたが当然できなかった。太公望・呂尚はそれを見て、「一度こぼれた水は二度と盆の上に戻ることはない。それと同じように、私とお前との関係も昔のような元の関係に戻ることはありえないのだ!」と言って、女の復縁の申し出を断った。
中国語の「盆」(拼音: )は日本語の「お盆」ではなく、鉢・ボウル状の容器のことである。
この話は太公望の数多くの伝説の一つであって、必ずしも史実とは限らない(理由:前漢の人物である朱買臣について、同様の逸話がある。太公望が生きていた当時は、まだ書物がほとんどない時代である)。
他言語の類義語
英語のことわざに、"It's no use crying over spilt milk."(こぼしたミルクを嘆いても無駄)があるが、これはどちらかと言えば「過ぎたこと悩んでも仕方がない」「くよくよするな」と言った前向きな意味合いになるため、必ずしも同義ではない[1]。
脚注
- ^ “it is no use crying over spilt milkとは 意味・読み方・使い方”. weblio英和・和英辞典. 2023年7月18日閲覧。
関連用語
覆水盆に返らず
出典:『Wiktionary』 (2019/05/28 09:20 UTC 版)
成句
由来
- 古代中国周の重臣であった太公望が、昔の妻から復縁を迫られた時に盆の上に水を持ってきて下に撒いた後で「この水を盆の上に戻す事は出来ないように、私たちの仲も元に戻る事は無い」と言ったという故事から。元の文は「覆水難収」(覆水収め難し)。(出典『拾遺記』後秦(384年 - 417年)において390年頃までに成立)
類義句
対義句
他国語の同義句
「覆水盆に返らず」の例文・使い方・用例・文例
覆水盆に返らずと同じ種類の言葉
漢書に由来する故事成語 | 百薬の長 美禄 覆水盆に返らず 名有りて実なし 錦を着て夜行くが如し |
拾遺記に由来する故事成語 | 舌耕 覆水盆に返らず |
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