コシヒカリ
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コシヒカリの生育特性
一例として、福井県でのコシヒカリの栽培時期を示す。
- 播種日 … 4月25日
- 田植日 … 5月21日
- 出穂期 … 8月9日
- 登熟期間 … 8月19日〜9月18日
注)登熟期間の開始日は、出穂期+10日目の日としている。
コシヒカリBL
コシヒカリBLとは、いもち病に抵抗性を持つように改良された新たな品種群である。BLとは、いもち病抵抗性系統の意味であるBlast resistance Lines(ブラスト・レジスタンス・ラインズ)の略。新潟県で育成・栽培されるコシヒカリ新潟BL1号〜12号の12品種が嚆矢である。2005年から新潟県で作付けされるコシヒカリのほとんどがコシヒカリBLである。なお、富山県でも独自のコシヒカリBLを育成している[17]。
関連品種
祖先品種
姉妹品種(同世代)
いずれも「農林22号」×「農林1号」の交配組合せ。
子品種(+1世代)
一覧については「コシヒカリを親にした品種一覧」[17] を参照。
- 初星[23] - 愛知県農業総合試験場(1977年)
- あきたこまち[18] - 秋田県農業試験場(1984年)
- ヒノヒカリ[19] - 宮崎県総合農業試験場(1989年)
- ユメヒカリ[24] - 農研機構(旧九州農業試験場)(1990年)
- ひとめぼれ[20] - 宮城県古川農業試験場(1991年)
- 森のくまさん(旧称:熊本2号)[21] - 熊本県農業研究センター農産園芸研究所(1996年)
- ヒカリ新世紀[22]
- コシヒカリBL
- 五百川
- はるみ[25] - JA全農 営農・技術センター
- 秋の詩[26] - 滋賀県農業技術振興センター(1998年)
孫品種(+2世代)
以下、交配組合せは「種子親×花粉親」の順である。
- しまひかり[27] - コシホマレ×そらち - 北海道立道南農業試験場(1980年)
- キヌヒカリ[28] - F1(収2800×北陸100号)×北陸96号 - 農研機構(旧北陸農業試験場)(1988年)
- はえぬき - 庄内29号×あきたこまち - 山形農業試験場庄内支場(1990年)
- 夢いずみ[29] - 西海186号(ユメヒカリ)×キヌヒカリ - 熊本県農業研究センター農産園芸研究所(1996年)
- あきげしき[30] - 九系919(西海199号)×ヒノヒカリ - 宮崎県総合農業試験場(1997年)
- つがるロマン - ふ系141号×あきたこまち - 青森県農業試験場(1997年)
- こしいぶき - ひとめぼれ×どまんなか - 新潟県農業総合研究所(2000年)
- 夢しずく[31] - キヌヒカリ×ひとめぼれ - 佐賀県農業試験場(2000年)
- いわてっこ[32] - ひとめぼれ×東北141号(こころまち) - 岩手県農業研究センター銘柄米開発研究室(2001年)
- 天使の詩[33] - 西海201号×関東165号 - 佐賀県農業試験場(2003年)
曾孫品種(+3世代)
- きらら397[34] - 渡育214号(しまひかり)×道北36号(キタアケ) - 北海道立上川農業試験場(1988年)
- ななつぼし[35] - F1(ひとめぼれ×空系90242A)×空育150号(あきほ)- 北海道立中央農業試験場(2001年)
- さがびより[36] - 天使の詩[37]×あいちのかおりSBL[38] - 佐賀県農業試験場(2003年)
- きぬむすめ[39] - キヌヒカリ×愛知92号(祭り晴) - 農研機構 九州沖縄農業研究センター(2005年)
- 萌えみのり[40] - 南海128号×はえぬき - 農研機構 東北農業研究センター(2006年)
- まっしぐら[41] - 奥羽341号×山形40号 - 青森県農業総合研究センター(2007年)
- ゆめおばこ[42] - 岩南8号×秋田58号 - 秋田県農林水産技術センター農業試験場(2008年)
- つや姫[43] - 山形70号×東北164号 - 山形県農業総合研究センター水田農業試験場(2009年)
- 天のつぶ[44] - 奥羽357号×越南159号 - 福島県農業総合センター(2010年)
- みずかがみ[45] - 滋賀66号×滋賀64号 - 滋賀県農業技術振興センター栽培研究部(2012年)
玄孫品種(+4世代)
- おぼろづき[46] - 空育150号(あきほ)×北海287号 - 農研機構 北海道研究センター(2003年)
- ふっくりんこ[47] - 空系90242B×上育418号(ほしのゆめ)- 北海道立道南農業試験場(2003年)
- にこまる[48] - は系626(きぬむすめ)×北陸174号 - 農研機構 九州沖縄農業研究センター(2005年)
- おいでまい[49] - あわみのり×ほほえみ - 香川県農業試験場(2011年)
- 新之助[50] - 新潟75号×北陸190号 - 新潟県農業総合研究所作物研究センター(2015年)
- 雪若丸[51] - 山形80号×山形90号 - 山形県農業総合研究センター農業生産技術試験場庄内支場(2017年)
- いちほまれ[52] - 富山67号(てんこもり)×イクヒカリ - 福井県農業試験場(2017年)
来孫品種(+5世代)
- 銀河のしずく[53] - 奥羽400号×北陸208号 - 岩手県農業研究センター(2015年)
- 青天の霹靂[54] - F1(北陸202号×青系157号)×青系158号 - 青森県産業技術センター農林総合研究所(2015年)
その他
コシヒカリを題材にした楽曲
- 「コシヒカリ音頭」(歌:雪割草[55])
- 1977年発売。1979年に林家こん平がカバーし、日本コロムビアのヒット賞を受賞した[56]。
- 「私こしひかり」(歌:米米CLUB)
- 1991年発表のアルバム「米米CLUB」に収録の楽曲。因みにヴォーカルはジェームス小野田(小野田安秀)。ただし宮城県でのコンサートに限っては「私ササニシキ」として歌われた。
注釈
出典
- ^ “4 コシヒカリBLの品種名に係る法律上の規定”. 新潟県農林水産部 農産園芸課. 2020年10月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g 【はじまりを歩く】コシヒカリ(福井県、新潟県)「発祥」の福井 受け継ぐ誇り/新潟とともに曲折経て輝く『朝日新聞』土曜朝刊別刷り「be」2021年11月6日6-7面(同日閲覧)
- ^ “農業を支える基盤リソース-遺伝資源- 3. 遺伝資源の利活用”. 農林水産研究開発レポート No.25. 農林水産省 (2008年). 2020年10月10日閲覧。
- ^ 2005年(平成17年)「コシヒカリ(越南17号)」の都道府県別作付面積(イネ品種・特性データベース)
- ^ a b 品種情報:越南17号 コシヒカリ(イネ品種・特性データベース)
- ^ コシヒカリの作付面積(イネ品種・特性データベース)
- ^ a b 来歴・特性概要・奨励品種採用の理由(イネ品種・特性データベース)
- ^ “魚沼コシ特A陥落 原因探る 県会常任委 検討会議設置へ”. 新潟日報. (2018年3月8日) 2018年3月12日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “魚沼産コシヒカリの「特A」返り咲きへ一丸 県が対策検討会議”. 産経新聞. (2018年3月15日). オリジナルの2022年4月5日時点におけるアーカイブ。 2022年4月5日閲覧。
- ^ 「※記事名不明※」『読売新聞』2017年6月13日17面
- ^ 2 コシヒカリBLの開発状況と特性(新潟県)
- ^ “イネ品種 データベース 検索システム 「東北54号(ササシグレ)」 品種情報”. 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター. 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b c 品種情報:東北78号 ササニシキ(イネ品種・特性データベース)
- ^ aff(あふ) バックナンバー 2011年 > 11年11月号目次 > 特集1 食の未来を拓く 品種開発(1)農林水産省
- ^ 米の食味ランキング(日本穀物検定協会)
- ^ 新潟米情報センター - 卸売価格 - 平成19年産米の卸売価格(平成20年5月)[リンク切れ]
- ^ a b c コシヒカリを親にした品種一覧(イネ品種・特性データベース)
- ^ a b 品種情報:秋田31号 あきたこまち(イネ品種・特性データベース)
- ^ a b 品種情報:南海102号 ヒノヒカリ(イネ品種・特性データベース)
- ^ a b 品種情報:東北143号 ひとめぼれ(イネ品種・特性データベース)
- ^ a b 品種情報:熊本2号 森のくまさん(イネ品種・特性データベース)
- ^ a b ヒカリ新世紀 交配組合せ(イネ品種・特性データベース)
- ^ 品種情報:愛知26号 初星(イネ品種・特性データベース)
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- ^ “イネ品種 データベース 検索システム 「越南291号(いちほまれ)」 品種情報 ”. ineweb.narcc.affrc.go.jp. 2021年3月31日閲覧。
- ^ “イネ品種 データベース 検索システム 「岩手107号(銀河のしずく) 」品種情報 ”. ineweb.narcc.affrc.go.jp. 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター. 2021年3月31日閲覧。
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- ^ 資料ダウンロード 十日町市観光協会(2021年10月29日閲覧)
- ^ 林家 こん平(はやしや こんぺい)、落語協会 - 2021年10月29日閲覧。
- 1 コシヒカリとは
- 2 コシヒカリの概要
- 3 日本各地への普及
- 4 コシヒカリの生育特性
- 5 参考文献
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