薬力学
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薬力学 (やくりきがく、英語: pharmacodynamics)は、薬物の動物、微生物、もしくはその中の寄生生物に対する生化学的、生理学的影響、生体内での薬物の作用の機構、または薬物の濃度と作用の関係などを研究する学問である [1]。
- ^ Lees P, Cunningham FM, Elliott J (2004). “Principles of pharmacodynamics and their applications in veterinary pharmacology”. J. Vet. Pharmacol. Ther. 27 (6): 397–414. doi:10.1111/j.1365-2885.2004.00620.x. PMID 15601436.
- ^ freepatentsonline.com
薬力学
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セレギリンはMAO-Bの選択的阻害剤であり、共有結合することにより不可逆的に阻害する 。ドーパミンの分解をブロックすることにより効果を発揮し、それによりドーパミン活性を増加させる。セレギリンの神経保護特性の可能性は、MAO-B作動によって放出される遊離酸素ラジカルから近くのニューロンを保護することによるかもしれない。高用量では、セレギリンはMAO-Bに対する選択性を失い、 MAO-Aも阻害する 。 セレギリンはCYP2A6も阻害し、結果としてニコチンの効果を高めることができる。セレギリンは、σ1受容体もまた活性化するようである。これらの受容体に対して比較的高い親和性を有し、約 400 nM 。
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薬力学
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抗菌薬殺菌作用PAE体内動態パラメータβラクタム系 時間依存性 なし T>MIC カルバペネム系 時間依存性 あり T>MIC グリコペプチド系 時間依存性 あり T>MIC マクロライド系 時間依存性 あり T>MIC アミノグリコシド系 濃度依存性 あり Cmax/MIC ニューキノロン系 濃度依存性 あり AUC/MIC 殺菌性と静菌性 殺菌性とは菌を殺してしまう作用をもつこと、静菌性とは菌を殺してはいないが、分裂して増殖することを抑える。一般に細胞壁に作用するものは殺菌性であることが多く、蛋白合成に作用するものは静菌性である。殺菌性、静菌性はターゲットとなる細菌によって異なる。例えば、βラクタム剤、アンピシリンは腸球菌には静菌的に働く。静菌性でも、細菌を免疫細胞が破壊するのでin vivoでは問題ない。一般に、抗菌薬の選択において殺菌性か静菌性かを気にする必要はない。感染性心内膜炎、好中球減少時の発熱、髄膜炎などが殺菌性の抗菌薬を必須とする数少ない例外である。 MICとMBC MIC(最小阻止濃度)とはディスク法で測定される増殖しなくなる濃度で静菌能力を示す。MBC(最小殺菌濃度)とはディスク法で測定する99.9%かそれ以上の細菌を24時間以内に殺すことができる濃度であり殺菌能力を示す。 一般的に殺菌性抗菌薬のMICとMBCには大きな差はない。もし殺菌性の抗菌薬の血中濃度がMICより高い場合、この抗菌薬は殆どの菌に対して殺菌的に作用するであろうということが経験的にいえる(MICを超えるとMBCも超えるから)。静菌的抗菌薬にせよ、殺菌的抗菌薬にせよ、その効果を充分に発揮するには抗菌薬の濃度が感染部位でMIC以上になっていることが大切である。 注意点としてMICそのものの数値の大小を異なる抗菌薬の効果の比較に用いてはならない。一般にMICが低ければ低いほど効果があると考えられる。しかしPKも考えないと誤った結論を導いてしまう。MICが小さくても髄液に移行しない抗菌薬、感受性OKは治療には使えない。また、濃度依存性の抗菌薬ならともかく、時間依存性の抗菌薬なら4MIC位の血中濃度を保っていれば、効果は変わらない。 トレランス トレランスとはMICとMBCが解離している状態である。MBCがMICよりも遥かに高くなってしまう状態。感受性検査では感受性ありとなってしまう(MICしか調べないため)。連用で起こりやすい。何故、生じるかというメカニズムは不明であるが、心内膜炎、骨髄炎、髄膜炎で感受性のある抗菌薬を選んだにも拘わらず、治療効果がない場合は考えるべき状態である。 イーグル効果 大量のペニシリン投与をおこなうと逆に薬効がおちることがある。MICを遥かにこえる濃度のペニシリン投与は細菌の分裂を止めてしまうため、分裂時に効果が高いペニシリンの薬効はおちてしまうと考えられている。 シナジー いわゆる、相乗効果のことである。 ポストアンティビオティックエフェクト(PAE) 抗菌薬がMIC以下の濃度になっても臨床効果を持つ効果のこと。蛋白合成阻害や核酸合成阻害の抗菌薬ではこの時間が非常に長い。抗菌効果はMIC以上の場合よりも小さいと考えられている。PAEがある場合は体内動態パラメータが変化する。 タイムキリングカーブ タイムキリングカーブとは実験室である菌の量に様々な濃度の抗菌薬を投与して、それが時間と共にどのように細菌を殺していくかプロットしていく。X軸は時間でY軸は菌の量である。タイムキリングカーブの傾斜が左上から右下に移っていく線が見られた場合、その濃度の抗菌薬は効果があると考えてよい。傾斜が急であればあるほど菌を早く殺していることを意味し、抗菌薬の効果はより高いということになる。静菌的抗菌薬ではタイムキリングカーブが横に一直線である。抗菌薬の蛋白結合は薬理学的には重要な項目であるが、臨床現場ではそれほど考慮する事項ではない。例えば、重症感染症では低蛋白血症を伴ったり、感染症でグロブリンが増加したりするが薬効に影響は感じられない。 時間依存と用量依存 用量依存の薬物は抗菌薬の血中濃度を上げれば上げるほど菌を殺す効果は高まる。タイムキリングカーブは濃度が高まるたびにカーブが急になる。時間依存の薬物は一定濃度に達するとタイムキリングカーブが殆ど変化しなくなる。時間依存では一定濃度(大体4MICといわれる)を越える時間がどれだけ長いかにより効果がきまる。用量依存では時間だけでなく、濃度の時間積分で効果が決まる。
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薬力学
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モメタゾンフランカルボン酸エステルは、いくつかの薬理作用により炎症を軽減する: 炎症性タンパク質の活性化の逆転 抗炎症タンパク質の分泌の活性化 細胞膜の安定化 炎症細胞の流入の減少 モメタゾンフランカルボン酸エステルの糖質コルチコイド特性に加えて、プロゲステロン受容体の非常に強力なアゴニストであり、ミネラルコルチコイド受容体の部分アゴニストである。
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薬力学
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「3,4-メチレンジオキシアンフェタミン」の記事における「薬力学」の解説
MDAは、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン、小胞モノアミン輸送体の基質となり、TAAR1のアゴニストである。これらの理由で、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの再取り込み阻害剤、放出剤として作用する(つまりSNDRAである)。また、5-HT2A、5-HT2B及び5-HT2Cセロトニン受容体のアゴニストとして作用し、α2A-、α2B-及び2C-アドレナリン受容体、5-HT1A、5-HT7セロトニン受容体とのアフィニティを示す。 MDAの(S)-光学異性体は、(R)-光学異性体よりも精神刺激薬としての作用が強く、3つのモノアミン輸送体とより高いアフィニティを持つ。 MDAの主観的、行動的な影響については、エンパソーゲン/エンタクトゲンにはセロトニン放出、精神刺激作用にはドーパミン及びノルアドレナリン放出、多幸感(報酬系と嗜癖)にはドーパミン放出、精神異常発現作用には5-HT2A受容体のアゴニスト作用が直接影響していると考えられている。
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薬力学
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C1位とC2位の間の二重結合のため、メテノロンは3α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(英語版)(3α-HSD)による代謝に対する抵抗性がある。DHTや、その誘導体であるメスタノロン(英語版)(17α-methyl-DHT)やメステロロン(英語版)(1α-methyl-DHT)とは異なり、メテノロンはかなりのアナボリック作用を示す。
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薬力学
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「mTOR阻害剤」も参照 似た名称のタクロリムスとは異なり、シロリムスはカルシニューリン阻害剤ではないが、免疫系に対して同様の免疫抑制作用を有する。シロリムスはmTORに作用し、T細胞とB細胞の活性化を妨げることによって、IL-2およびその他のサイトカイン受容体依存的シグナル伝達機構を阻害する。タクロリムスとシクロスポリンはカルシニューリンを阻害することによってIL-2の分泌を阻害する。 シロリムスの作用機序はタクロリムスと同じく、細胞質タンパク質FK結合タンパク質12(FKBP12)への結合である。カルシニューリン(PP2B)を阻害するタクロリムス-FKBP12複合体とは異なり、シロリムス-FKBP12複合体は、mTOR複合体1(mTORC1)に直接結合することによって、mTOR (mechanistic Target Of Rapamycin) 経路を阻害する。
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