後藤家関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 01:14 UTC 版)
後藤 可久士(ごとう かくし) 声 - 神谷浩史(テレビアニメ・アニメPV) 漫画家。目黒区在住。下ネタ漫画『KTMCMC(きんたましまし)』がヒットしたことがあり、その後は『亀の雫』『夏子の豆』を連載。姫10歳編では『週刊少年マンガジン』(豪談社)でゴルフ漫画『風のタイツ』を連載中。かつては翔学館(アニメでは「中学館」)の雑誌で仕事をしていた。姫10歳編では主に可久士の視点で物語が進んでいく構成となっている。 強気と弱気だけで、その中間がない極端な性格のため、周囲を振り回すことがよくある。仕事では熱を入れた部分と世間の評価がしばしば食い違うことに不満気味で、キャラクターデザインを担当したアニメや原作を担当した作品が自分の描いている作品よりも人気が出るなど不本意な結果になることが多々ある(アシスタントの芥子駆によれば「(両方の才能はあるが)先生の描くキャラと先生の考えるストーリーが合っていない」)。アシスタントの描いた作品に対して的確なアドバイスを与えるベテラン作家らしい姿を見せる一方で「二本に一本打ち切られている」など自虐的な発言が多く、サイン会に来てくれたファンをサクラと疑うなど何度も自信を失いかけているが、本当に自分の作品が好きで来てくれたというファンの笑顔を見てからは自信を取り戻し、鎌倉の倉庫にはファンレターを大事に保存してある。 アシスタントの墨田羅砂の提案によって一度原稿のデジタル化に移行しているが、可久士が手描きにこだわったためすぐにアナログに戻っている(そして、手描きで描いていたことが最終盤で可久士が記憶を取り戻すための大きなカギとなる)。 父親としては過保護で常に姫を最優先して行動するが、紛らわしい言動で周囲の女性たちからはアプローチをかけられていると思われている。 目黒区中目黒の平屋建ての家に姫と暮らしており、仕事場として渋谷区のマンションを借りている。かつては鎌倉に平屋建ての家を構えていたが、妻が海難事故で行方不明になったことをきっかけに東京に引っ越す。鎌倉の家は現在は倉庫として使っており、毎週描いた原稿をしまいに行っている。なお、現在の自宅は7年前に鎌倉の家と同じ間取りをオーダーして作った新築物件である。 表向き職業不明であるため、姫のクラスメイトからは貧乏と思われており、それを気にした姫に対して「オレはそこいらのサラリーマンより稼いでるわ!」と発言。姫のためなら金に糸目を付けないが、姫への投資と生活費以外は妻の捜索費用に使っているため(姫やアシスタントなど周囲の人間には決して見せないが)実際は苦しい生活を強いられていた。 本名で漫画家デビューした(10年以上も本名で描いているから今更ペンネームを使えない)ため、何かと不便を感じており、プライベートでは偽名として後藤 和士(ごとう かずし)を名乗っている。 実は高名な歌舞伎役者が妾に産ませた隠し子であり、父と本妻との間に生まれた異母妹(=姫の叔母)がいる。隠し子という素性もあって「父の日を祝ったことが一度もない」というほど実父とは距離を置いているが、家族との関係を完全に絶っているわけではなく、妹には鎌倉の家の鍵を託しており、自分に何かあった時に鎌倉の家を売り、姫の生活の足しにするように頼んでいた。 妻を捜索していることが美談として週刊誌に載り、一部読者の心ない言葉に傷ついて漫画家を引退する。中目黒の家を手放してアパートに移り、肉体労働で姫との生活を支えるが、漫画関係の倉庫作業中の事故で昏睡状態となる。1年後に意識が回復したとき、姫が10歳のころから事故にあうまでの7年間の記憶が失われていたが、隠そうとしていた姫本人に自分の描いた下ネタ漫画の原稿を見せられることによって記憶を回復した。退院後は墨田羅砂の仕事場に居候して、戒潟の援助した病院費用返済と中目黒の家を買い戻す資金稼ぎのため、新作漫画の企画を十丸院に持ち掛けている。アニメ版では「姫ももう大人だ」と下ネタ漫画家だと知られたことを受け入れていたが、原作では姫がそれ以降いっさい漫画の話題を口にしないため、まだバレていないと思い込んでおり、墨田と十丸院からは呆れられていた。 後藤 姫(ごとう ひめ) 声 - 高橋李依 / 安済知佳(アニメPV) 可久士の娘で姫10歳編では小学4年生~5年生。めぐろ川たんていじむしょの一員としても活動。 基本的には父親思いでしっかり者。人を疑うことを知らない無邪気な少女に見えるが、自分が傷つきそうになると思考停止して「見なかったふり」をすることで自己防衛を図る傾向があり、姫10歳編で何度か父親のかくしごとがばれそうになっても、その都度回避している。 姫18歳編では父親との生活が壊れるのを恐れて、父親の仕事を知ろうとしなかった、優しすぎる可久士が血の繋がった本当の父親で安心したと語っている。祖父に父、母と代々画業を生業にしている家系ということもあって絵画の才能に長けており、小学校では似顔絵コンクールの金賞を受賞し、高校では絵画のコンクールに入賞している。 可久士が事故で昏睡状態になった後、父方の叔母から鎌倉の家の鍵を受け取り、父親の隠し事に踏み込むことになる。父の仕事を知ってからは漫画家であると隠していた理由を疑問に思う一方で原稿と一緒に大事に保存された多くのファンレターを見て「案外愛されていた」と可久士の仕事が「描く仕事」だったことを誇りに思い、父親のかくしごとに気付かなかったのは、自分のかくしごとを隠すために漫画の話題を避けていたのも一因だと自己分析した。父の記憶を取り戻すべく、鎌倉の倉庫に保管されている父の漫画の原稿を持っていき、記憶を取り戻させた。 高校では美術部で、作品が大臣賞を受賞するなど優秀な成績を示していることから、周囲からは美大に行くと思われているが、実際には父と同じ漫画家を志望しており、部室でこっそりと少女漫画を描いていることを可久士にも隠している。 後藤 ロク(ごとう ロク) 声 - 花江夏樹 姫の祖父である戒潟魁吏から贈られて後藤家のペットとなった犬。犬種はゴールデン・レトリバー。 戒潟家で代々飼っている犬の四代目にあたるため、仮の名前として最初は「四代目」と呼ばれていた(戒潟家では親犬の「三代目」が飼われている)。愛犬として役所に登録する際に職員から書類確認のため聞かれた「ご登録(ごとうろく)でよろしいですか」という言葉を姫が「後藤ロク」という名前であると勘違いし、言葉の響きを気に入ったため「ロク」と命名された。 平日は可久士も姫も家を留守にしているため、子犬のころは日中は可久士の仕事場で世話をしていた。そのせいで帰巣本能により姫を仕事場に連れて来たためかくしごとがばれそうになったが、その直前に可久士がG-PROの仕事場を隣の部屋に移していた(姫とロクが見たのは空き部屋となった以前の仕事場である)ため秘密は守られた。 姫18歳編ではエピローグで鎌倉の家に戻った姫・可久士と共にいるのが1コマだけ描写。アニメ版では大型犬であるにもかかわらず、姫が暮らすアパートの室内で飼われていた。 戒潟 魁吏(いましがた かいり) 声 - 大塚明夫 日本画の大家。 姫の母親の実父(=姫の母方の祖父)であり度々可久士の前に姿を見せるが、姫はそのことを知らない。 娘との結婚に反対された事情もあって可久士からは「クソみたいな人間」と散々な人物評を受けているが、絵の腕前は「悔しいけどいい絵だと思う」と高く評価している。 資産家であり、可久士に負けない孫煩悩だが、直接顔を見せることは慎んでいる。孫である姫のために「だてなおと」名義でランドセル(毎年新品)や10段飾りの雛人形にグランドピアノ(どちらも元は姫の母親のもの)と様々な物を送りつけているが、場所を取りすぎるなどの理由で愛犬であるロク以外のプレゼントは可久士から嫌がられている。 姫18歳編では可久士の入院費を援助しており、退院後の可久士は「入院費を返済する」ためにも漫画家復活を決意した。 アニメ第06号、第12号では、「日本画協力」として、EDクレジットに名を連ねている。 後藤夫人 声 - 能登麻美子 可久士の妻で姫の母親。下の名前は不明。劇場編集版では後藤 小鞠(ごとう こまり)とクレジットされている。 劇中では回想シーンのみの登場であり、子供のころの姿は姫と瓜二つ。用意周到な性格で、娘と夫のためにその年齢に応じた物品を収めた箱(年齢表記付き)を押し入れに入れていた。 姫18歳編で姫が幼いころに海難事故に遭い、行方不明となっていたことが明らかとなる(遺体が見つかっていないだけで限りなく死亡に近い状況であり、完結後に行われたインタビューで久米田も妻の死に言及した質問を否定せず、彼女が故人であるとほぼ認める発言をしている)。 原作では、生前はカラーコーディネーターを生業にしていたが、色覚が徐々に失われていく病を患い、全ての色が判らなくなる前に、可久士と姫の3人で行った島の「海の青」をもう一度見たいとの希望から姫を可久士に任せて、一泊二日の旅行の際に事故に遭ったことが語られた。 中目黒に新しく作った家の間取りを鎌倉の家と全く同じにしたのは、もし生きて帰ってきて目の病が今後進行しても間取りが前の家と同じなら分かるだろうと心配しての可久士の配慮ゆえのもの。 石川なんとかェ門 声 - 内山昂輝 本名不明。歌舞伎役者石川斎蔵(いしかわ さいぞう)と可久士の異母妹の息子で「歌舞伎界の若きホープ」。 姫18歳編で母が送った鍵が届いたかを確かめるために鎌倉の家を訪れ、姫に可久士の実家の事情を説明する。ほぼ初対面の従姉である姫を「姉さん」と呼ぶ。姫10歳編では、可久士に黙って台東区上野桜木にある石川邸の門前を訪れた姫(詳細は不明だが、後藤姫宛の封書の差出人住所を見て訪れたことが暗示)とすれ違っている。
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