島寿司とは? わかりやすく解説

島寿司

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 06:36 UTC 版)

島寿司(八丈島)
島寿司(小笠原諸島)

島寿司(しまずし)は東京都伊豆諸島にある八丈島郷土料理[1]で、握り寿司の一種である。

概要

寿司種を薄く切り醤油主体のたれに軽く漬けて醤油漬とし、砂糖でやや甘味を強くした酢飯で握る[1]。この際、ワサビの代わりに練りがらし(粉がらしを練ったもの)を使うのが特徴である[1]。なお、伊豆大島では練りがらしではなく、醤油主体のタレに青唐辛子を加えており、その寿司種の色から「べっこうずし」とも呼ばれる。

島で水揚げされるカジキシイライサキカンパチメダイオナガダイ、アオゼ、キンメダイマグロカツオトビウオ等が使用される。伊豆諸島南部及び八丈島からの移住者が多い小笠原諸島でも作られており、小笠原ではサワラを使うのが一般的である。また、戦前には硫黄島でも作られていた(酢の代わりに島で栽培されていたレモンを用いる事もあったという)[2]。島のりと呼ばれるイワノリ佃煮の握りを一人前に一つか二つ添えることも多い。

伊豆諸島では温暖な地域で寿司を食べるために明治以降に独自の技法が発達した。ワサビの代わりにからしを使うのは、八丈島や小笠原諸島でワサビが手に入らなかった時代の名残りである[1]。一方、伊豆大島では醤油に「青とう」と呼ばれる辛味の強い青唐辛子を加えたたれに漬け込む。酢飯の甘みはさほど強くなく、練りがらしは使わない。基本的には握りに作るが、甘酢生姜や島のりを混ぜた酢飯に魚を乗せて、ちらし寿司風に作ることもある。伊豆諸島では刺身を食べる時にもワサビの代わりに青とうが日常的に使われている。

大東寿司

大東寿司(南大東島)

八丈島からの移住者が開拓した沖縄県大東諸島にも(北大東島南大東島を参照)同様の島寿司があり、島では大東寿司と呼ばれている。 材料となる魚はオキサワラやマグロが主流だが、大型のシマアジや白身魚もネタにする。しかし、島民には見た目の良さと味の良さからオキザワラがもっとも好まれている。伊豆諸島とは異なり、和辛子ではなく練りわさびが使用される。これは戦前に製糖産業で大いに栄えた島では当時では貴重だった粉ワサビも買えた名残りとの説もある(島民談)。

また大東諸島には、これとは別に千葉県祭り寿司によく似た太巻き寿司もあり、いずれも那覇空港空弁として販売されている[3][4]

脚注

  1. ^ a b c d 島寿司 - 東京観光財団
  2. ^ 全国硫黄島民の会「第3章 島民の暮らし・風俗」『硫黄島クロニクル ~島民の運命~』、全国硫黄島民の会、2017年3月、21頁。 
  3. ^ 喜作乃島 大東寿司
  4. ^ 喜作乃島 大東まつり寿司

島寿司

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 01:16 UTC 版)

青ヶ島村」の記事における「島寿司」の解説

伊豆各島作られる寿司をこう呼ぶ。青ヶ島では酢飯練り辛子と、醤油漬けにした様々な近海魚刺身をのせる。寿司ネタ としては目近が有名であるが、他にも、勘八間八)、金目鯛飛魚イサキシイラなど。

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島寿司

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寿司」の記事における「島寿司」の解説

詳細は「島寿司」を参照 島寿司は東京都伊豆諸島および小笠原諸島沖縄県大東諸島みられる郷土料理である。握り寿司種として、島で捕れる醤油漬にして使う。島で手に入りにくいワサビ代わりに唐辛子洋がらしを使うなど、島の気候食糧事情合わせた製法作られている。

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