名人・クイーン
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名人・クイーン(めいじん・クイーン)とは、小倉百人一首を用いて、一般社団法人全日本かるた協会が定めた規則に則って行う競技である競技かるたにおいて、男性の名人戦、女性のクイーン戦の予選を勝ち抜き、さらに前年の優勝者との対戦に勝利し、男女それぞれに於ける日本一となった者に与えられる称号である。
- ^ 全日本かるた協会 (2005) には両表記が見られ、全日本かるた協会 (2007) には「クイーン」の表記のみ見られる。
- 1 名人・クイーンとは
- 2 名人・クイーンの概要
- 3 名人位決定戦・クイーン位決定戦
- 4 参考資料
名人・クイーン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:54 UTC 版)
若宮 詩暢(わかみや しのぶ) 声 - 中道美穂子 / 演 - 松岡茉優 現クイーン。左利きで、競技スタイルは守りがるた。京都府・津咲高校の生徒で、千早とは同学年。美人だが、服をはじめとするファッションセンスは良くないため、千早と別の意味で「残念」だと思われている。小学6年生までは京都明星会に所属していた。真夏でも温かい飲み物を飲む。 小学4年生でA級に昇進し、中学3年生のときに史上最年少でクイーンになった。一札だけに触れる、正確で美しい取りが持ち味。百首すべての札との特別な繋がりを持ち、札を擬人化してそれぞれと対話しながら戦う。モデルは中学校3年生(15歳)で史上最年少クイーンになった楠木早紀である。作者の末次曰く「途中で詩暢ちゃんが負ける展開を考えていたが、楠木さんのあまりに強い防衛戦をみて、『詩暢ちゃんは負けないわ』と展開を変えてしまったこともある」とのこと。 試合では美しく圧倒的な強さを見せ、高校選手権の個人戦では対戦相手をほぼ20枚差以上で降している。好選手であっても、須藤が12枚差で負けて準優勝、逢坂が14枚差で準決勝敗退、理音が9枚差で準決勝敗退、3年生時の千早が7枚差で4回戦敗退している。ただ一人、新だけが2年時2枚差で、3年時1枚差で2年連続の優勝を奪っているのみである。 小学生全国大会において数年に亘り毎年一回戦で全敗していることから、綿谷新を特別視しており、それゆえの再戦を強く望んでいる。新と再戦できるのなら頭を下げることも厭わない。新の参戦までは格の違う存在として高校競技かるた界では無敗を誇っていたが、2年生時、3年生時でのA級個人戦決勝でも惜敗し、新への雪辱は果たせていない。そんな新に高校選手権団体戦で千早が土をつけたことについては「カタキとったる」と妙なモチベーションで個人戦に挑むなど屈折した愛情を見せる。公式戦では新に勝てていないが、第41巻でYouTubeの企画で新に初勝利した際、号泣するほど喜んだ。 全国大会のA級個人戦で対戦して以来、少なからず警戒心を持って千早を意識するようになるが、ことさら自分の服装について千早に褒められると一女子高生らしく照れを見せるといったツンデレな面がある。挑戦者の猪熊遙(旧姓 千原。元クイーン4期)にクイーン戦で初めて1勝を奪われて激しく動揺するが、名人戦に臨む原田の応援で会場に来ていた千早から襷(後述のダディベアのレアもの)を急造で用意されて送り出されると、接戦を制して防衛した。なお襷はその後、愛用していることを高校選手権個人戦での対戦時に千早にバレた。少なからず千早を友達だと意識しているが同時に有力なライバルでもある複雑な関係で本人も素直に認めない。瑞沢高校とも府中白波会とも無関係なかるた選手の中で千早を下の名前で「千早」と呼ぶ数少ない選手である。 本性は絵に描いたような京女でかなりの「いけず」。高慢で人を人とも思わない独善的で自己中心的な性格だが、表面には極力出さないようにしている。周防から頻繁に連絡があっても電話に出ることはほぼない。普段はクールで落ち着いた性格だが、競技において彼女の闘争心を揺さぶる強者が現れると一変、威圧的な様相に転じ、周囲が「クイーンスマイル」と称する含みある妖しい微笑み、表情を見せる。 その生い立ちやかるたの師とも言うべき伊勢の方針から、同年代の友達がいない孤独な学生時代を過ごしてきた。誰かと切磋琢磨したり、競い合って強くなるタイプではなく、自己を突き詰めて一人で強くなるタイプ。前述したスタイルである「擬人化した札たちとの対話」を突き詰めることで無類の強さを手にした。こうしたタイプであるため、友達や仲間といったものにコンプレックスを含めた嫌悪感を持っている。そのため、団体戦には新とは全く違う意味で興味が無く、「団体戦はかるたを好きではない人がやることだ」と思っている。 マスコットキャラクターの「スノー丸」が大好き。限定グッズを獲得するために、景品応募券つきのアイスを食べ続けたせいで激太りし、体重が10kg近くも増加した状態でクイーン戦(対山本由美戦)に出場することになり、TV中継を観戦していた千早達を驚かせた。数カ月後には元の体型に戻した(正確にはアイスが発売終了になったために、自然に痩せた)が、短期間に体型が激変したことで、新に出会った際すぐに認識してもらえないということもあった。 かるた以外の事が何一つ上手く行かない。アルバイトはすぐクビにされてしまい。対人関係も苦手。既に女子選手として頂点にあっても将来について真剣に悩むが、祖母の助言により「競技かるた界初のプロ選手」を目指すようになる。本性を見せなければ可愛らしく見えるため、母親の後押しでTVをはじめとするメディアへの露出を積極的に図るようになる。しかし理解のない周囲からはタレント気取りと嫌味を言われている。テレビ出演するようになってからはスノー丸の恋人のスノー姫を真似た個性的な髪型としている。第40巻からはYouTuberを始めている(親が学校に呼び出されたことと掲示板にアンチスレが立って悪口を書かれて凹んだことで一旦休止するが、しばらくして復活した)。 初めて一人で新幹線に乗った時はもの凄く緊張していたが、同じボックスに座っていた女性がテレビに出ていたかるたクイーンだということに気づき、助けられる。 鳥人間コンテストの観戦を毎年楽しみにしている。左目付近に泣き黒子がある。 千早の夢に出てきた時はスノー丸詩暢とダディベア千早の着ぐるみ対決を考えていた。 男子の目の前でも平気で着替えをする。 周防 久志(すおう ひさし) 声 - 東地宏樹 / 演 - 賀来賢人 現名人。東京大学を4年連続で留年。現在はバイト先であった予備校の講師をしている(現代文と小論文を教えている)。 「一字決まりの札が27枚ある」と発言しているほど登場人物の中でも天性の「感じの良さ」を持っているがその外見(サングラスに無精ヒゲ)や強い人としか戦いたくない、との理由で名人戦以外の公式戦には参加していないこと、またかるた協会にも非協力的な態度を取るなど、作中ではもっぱら「感じの悪い人物」として描かれ「かるた界きっての問題児」と言われており、かるた界関係者からは平たく言えば「早く負けてとっとと引退して欲しい」とすら思われている。 「感じの良さ」の才能だけで戦っていると誤解されがちであるが、実際には専任読手7名の100首の読み上げデータを揃えているなど研究熱心である。専任読手の中では山城今日子のファンで、「キョコタン」と呼んでいる。新との名人戦で山城が読手を務めた第4戦で勝利し、「あなたの声をずっと覚えているから、あなたには最強の僕を覚えていてほしかった」と述べている。山城からは「周防名人の強さを見てて、らしくもなく思っちゃったわ。読手じゃなくて、40年前に戻って、あなたとかるたをしてみたかった」と賛辞を送られている。 競技かるたをはじめたきっかけは、大学で好みのタイプである上級生に勧誘されたから。その上級生に彼氏ができ、かるたへのモチベーションが下がっていたころに遺伝性の眼の病気(年齢が進むにつれて視野が狭くなり、時には失明することもある)を発症。「感じの良さ」という最大の武器にもピークがあると感じており、永世名人位を得ての早期引退についてはそうした身体的事情が密接に関わっている。 幼少期、親元を離れ連れてこられた本家で親代わりである叔母・兼子(ゆきこ)に面倒を見てもらっていた。上京の日、兼子に言われた「ひとかどの人間になりなさい」という一言が病気に絶望していた周防を救い「かるたでならひとかどの人間になれると思って」とたった3年で名人位を獲得、以後連覇を成し遂げている。 5連覇を果たし、永世名人になって引退することを宣言し第26巻で達成したがその表彰式で新から「自分が来年倒しに来るから辞めないでくれ」と宣言され「じゃああと一年オマケ」とあっさり撤回している。 詩暢が「邪魔な河」と呼んだ新に対して、いつかは名人になるが次ではない、見ててもテンションがあがらないと告げる。 声が小さく、和菓子を好んで食べている。よく大会に顔を出して、出場選手に和菓子を配っている(ただしA級に限る)。予備校でマイクを使っても聞こえないほど声が小さい。それは自身の最大の武器である「耳」(聴力)を大事にしているがためで、雑音(かるたに無関係な音のすべてが彼にとっての雑音)を嫌って常に耳栓をして生活している。 千早と知り合って一目惚れするが、太一から「ボクの彼女です」と嘘をつかれて失恋している(後に嘘だったと真相を明かされた)。詩暢にも好意を持ち頻繁に電話しているがほとんど相手にされていない。若干、相手にされていないのを楽しんでいるフシもある。 予備校で偶然再会した太一を気まぐれで東大かるた部に誘い、対戦して負けても心が折れる様子がないことで気に入って練習相手にしてシゴいている。結果的に太一を通じて謎だらけだった周防の実像が浮かび上がることになった。 母親を煙たがる太一に、金銭的に恵まれた環境を与え、怖じぬ精神面を育んでくれた存在だと戒めている。 詩暢も出演すると知ってTVの検証番組に参加(現場で詩暢の「引き立て役」だと悟り、検証実験の引き立て役に太一を利用)。そこで周防の持つ抜群の聴力で発声音の僅かな違いを聞き分け、即座に動作に移すという超絶能力が解析された。 実家は長崎県大村市。大学入学以降一度も帰省していないが、故郷の親戚には今の自分の姿を見て欲しいと思ってテレビ出演した。しかし、テレビに出ることを知らせておかなかったため、かるた関係者以外の知り合いは誰も観ていなかった。実家は「すおうファーム」という野菜の直売をしており親戚が大勢集まって暮らしているが、久志の父は離婚してハワイかグアムに住んでいて実家にはいない。 太一からは「かるたが好きではない周防さんよりもかるたが好きな新が勝ってほしい」という見解が述べられているが、新は「かるたが好きではない」というのは嘘であると思っており、名人戦で対戦した際に「(視力が落ちてきたため)這いつくばって札の確認をする人が、かるたを嫌いなわけがない」と述べている。
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