前兆現象
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大正噴火前、南九州周辺では1909年の日向灘地震、1911年の喜界島地震、1913年には宮崎、鹿児島県内で群発地震が発生した。そして1913年11月からは霧島山が噴火しており、南九州一帯は地震、噴火活動が活発な状況下であった。 1913年7月、桜島島内の東桜島村有村の山手にある谷間で、二酸化炭素によるものと推定されるガス中毒事故が発生した。これが大正大噴火前の最初の桜島における異常現象であった。桜島の噴火活動と温泉ガスの二酸化炭素濃度に関連が見られるデータがあり、噴火前の地盤の膨張によって濃度の高い二酸化炭素が噴出した可能性が指摘されている。 1913年12月には桜島の北部、南部の井戸で井戸水の渇水、水位低下が確認された。桜島では噴火活動が活発化する際には地盤が隆起することが確認されており、海の近くにあってほぼ海水面と同じ水位を保っている井戸が、大量のマグマが桜島地下に貫入してきたことによる隆起に伴って、水位が低下したように見られた現象であると推測されている。渇水の状況から隆起量は数十センチメートルに達したと考えられる。 1914年(大正3年)1月9日の16時頃から、桜島島内の東部、北部で有感地震が複数回発生したが、鹿児島測候所では有感地震は観測されなかった。続いて1月10日の夕方からは、桜島全島で体に感じる有感地震が起きるようになったが、やはり鹿児島測候所では観測されなかった。このことから1月9日と10日の地震は桜島の地下ごく浅いところを震源としたマグニチュード2以下であったと推定される。なお、1月7日に桜島の地震が始まったとする文献もある。 1月10日の午前2時頃、桜島の北東沖で漁をしていた人物が、約3分間桜島に火柱のようなものが高く上がる光景を目撃した。また1月7日から8日頃に、夜間、南岳の山頂付近が明るくなる現象を目撃したとの記録もある。これらの現象は火映現象である可能性が指摘されている。 1月11日になると、地震活動の活発化が顕著になる。桜島島内では11日の午前2時頃から地震を立て続けに感じるようになる。午前3時41分には鹿児島測候所で初の有感地震があった。その後、11日午前中だけで18回の有感地震を観測し、午前9時57分には震度5の地震が発生した。11日午前中に発生した地震の規模は、大きいものでマグニチュード5程度であると推定されている。午後、地震の回数は更に増加する。鹿児島測候所では11日12時から24時の間に93回の有感地震を観測し、12時43分には震度5の地震があった。やはり地震の規模は最大でマグニチュード5程度であると推定される。桜島島内では更に多くの有感地震に見舞われたと考えられ、ひっきりなしの揺れで午後4時頃には室内には居られないようになったとの証言もある。これらの地震は噴火開始直前に地下の圧力が高まったことにより地中の割れ目が拡大していったことを示唆している。 11日の午前9時頃からは桜島山頂部からの崩落が確認されるようになった。崩落した岩石は砂塵を巻き上げ、崩落音が島内に鳴り響いた。また11日の昼頃からは桜島の西側から白煙が上る姿が鹿児島市街から確認された。垂水からも白煙を見たとの証言があることから、東ないし南東部からも白煙が上った可能性がある。 1月12日、地震活動は更に活発化する。午前10時頃の噴火開始直前までに鹿児島測候所で観測された有感地震は111回に及び、6時台と7時台にはこれまで無かった緩やかな揺れの地震も観測されている。これは体に感じる程度の低周波地震であった可能性が指摘されている。そして12日朝には桜島島内の井戸では多量の水が溢れ出し、海岸ではあちこちで湯や水が吹き上がり、地割れも見られるようになった。これはマグマが地表近くまで上昇してきたことによって地下水の水圧が高まったために起きた現象とされている。またマグマの急激な上昇に伴う隆起現象と考えられる海岸線が沖へ大きく干上がる現象も見られた。 12日朝からは桜島から白煙のようなものが上っているとの証言が見られる。8時から9時頃からは南岳の山頂から白煙が上がるようになり、9時半頃からは桜島西側中腹から煙が盛んに上がりだした。これは上昇してきたマグマからガスが抜け始めたことによる現象と考えられ、脱ガスによる圧力の低下に伴ってマグマ内で減圧発泡が発生し、本格的な噴火が始まることになった。
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前兆現象
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地震像(本震および余震の起こり方)が似ている1952年と2003年の地震では、同じ様な前兆現象が発生していた。しかし、前兆現象として発生するとされている『プレスリップ』(前兆滑り)は、2003年の地震では検出できなかった。
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前兆現象
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前兆現象
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1983年から1986年および1994年から本震の直前まで震源域を中心に、地震の静穏化現象が生じていた。
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前兆現象
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「2014年の御嶽山噴火」の記事における「前兆現象」の解説
噴火の約2週間前から火山性地震が増加していたが、発生していた地震のタイプは2007年と異なり火山性微動は観測されていなかった。しかし、噴火の約11分前と噴火直後の約30分間に北東に11キロ離れた高感度地震観測網の開田高感度地震観測施設(N.KADH)では火山性微動が観測されていたほか、7分前には傾斜計で山体が盛り上がる変位も観測されていた。 常設の地震計を設置している名古屋大学の観測チームによれば、噴火の前兆として阿蘇山などで観測される特徴的な長周期震動は観測されなかった。 一方、登山ガイドからは「硫化水素が普段より強かった」、山小屋従業員からは「噴気の勢いが強かった」などの証言が報道されている。しかし、別の調査では以前から風向きにより火山ガス臭を感じることがあり、噴火前の状況からは異常を感じなかったとする証言もある。
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前兆現象
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数日前から「動物の異常行動」や本震の数時間前から、「鳴動音」「地鳴り」「地震雲」あったことが報告されている。また、宇佐美の報告によれば、前々日や前日に前震活動があったことが報告されている。
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前兆現象
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震央から60km離れた生野銀山の傾斜計では、地震が発生する6時間ほど前から異常な変動が記録されていたことがわかっており、日本における顕著な地震の前兆現象の事例の1つとして知られている。
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前兆現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 10:03 UTC 版)
地震発生の数日前から、複数の宏観異常現象が観測されていた事が明らかになっている 5月10日、四川省綿竹市西南鎮の檀木村で、数十万匹のヒキガエルの大規模な移動があった。 地震の数日前、四川省に近い湖北省の恩施の池で、8万トンの水が5時間でなくなった。
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前兆現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 22:56 UTC 版)
直前の8月には、尾鷲付近で小規模な群発地震活動が生じていた。また、11月に東北地方の太平洋岸や関東地方の内陸での地震活動がやや静穏であったとされている。しかし、この程度の群発地震活動や静穏化現象は他の時期にも生じており、特段の前兆現象とは考えにくい。ただし、潮位には有意な変化は無かったとする報告がある。また、地震発生直後に実施された名古屋地方気象台による調査報告では、「三日前にネズミがさわいだ」「湾で鰺が良くとれた」といった宏観異常現象とみられる証言が報告されている。
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前兆現象
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群発地震以外の前兆現象としては、近くにある月岡温泉では湧出量の増加や井戸で自噴現象が観測されるなど、本地震前後に地下水・温泉の異常が報告されている。
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