震央
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/20 14:04 UTC 版)
震央(しんおう、英: Epicenter)は、地震または地下の爆発が発生した地点である震源の真上に当たる地表の点である。英語のEpicenterは、古代ギリシア語で「上」を意味するἐπί(epi)[1]と「中央」を意味するκέντρον(kentron)[2]に由来する形容詞ἐπίκεντρος(epikentros)[3]をラテン語化した新ラテン語の名詞epicentrum[4]を語源に持つ。
地震の場合、震央は断層が破壊し始めた地点の真上であり、多くの例で最も被害が大きい。しかし、巨大地震では断層破壊距離が長く、被害は破壊域に沿って広がる。例えば、2002年にアラスカ州で起こったマグニチュード7.9の地震の場合、震央は破壊域の西端であったが、最も被害が大きかったのは、破壊域の東端から330 km離れた地点であった[5]。
震央距離
地震の間、地震波は震源から球状に伝播する。液体の外核が縦波のP波を屈折し、横波のS波を吸収するため、震央から地球の真裏の地点は地震波の影となる。この領域の外側では両方の波が検出されるが、その速度と地球内部を通過する経路が異なるため、異なった時間に到着する。この時間差を地震計で測定することで、地震の震央からの距離を計算することができる。この距離は震央距離と呼ばれ、地震学では通常°(度)の単位で測定し、Δ(デルタ)の記号で表す。
少なくとも3点の地震計での震央距離が測定されると、三角法を用いて震央の位置を特定するのは容易である。
震央距離は、地震のマグニチュードを計算するのにも用いられる[6][7]。
出典
- ^ ἐπί, Henry George Liddell, Robert Scott, A Greek-English Lexicon, on Perseus
- ^ epicentre, on Oxford Dictionaries
- ^ ἐπίκεντρος, Henry George Liddell, Robert Scott, A Greek-English Lexicon, on Perseus
- ^ “epicenter”. Merriam-Webster Online Dictionary. (2009) 2009年10月19日閲覧。
- ^ Fuis, Gary; Wald, Lisa. “Rupture in South-Central Alaska—The Denali Fault Earthquake of 2002”. USGS. 2008年4月20日閲覧。
- ^ Tyler M. Schau (1991). The Richter Scale(ML). USGS 2008年9月14日閲覧。.
- ^ William L. Ellsworth (1991). SURFACE-WAVE MAGNITUDE(Ms) AND BODY-WAVE MAGNITUDE(mb). USGS 2008年9月14日閲覧。.
震央
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 08:27 UTC 版)
この地震の震央の位置は研究者によって見解が異なっている。おもな説は、 相模湾のほぼ中央部を震央とする説今村明恒[1924] .mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯34度58.6分 東経139度21.8分 / 北緯34.9767度 東経139.3633度 / 34.9767; 139.3633(右図 Im)、 ハーバート・ターナー[1927] 北緯35度00分 東経139度30分 / 北緯35.0度 東経139.5度 / 35.0; 139.5(右図 Tu)、 宇津徳治[1979] 北緯35度06分 東経139度30分 / 北緯35.1度 東経139.5度 / 35.1; 139.5(震源域の中心)(右図 Ut)、 相模湾の北部を震央とする説松澤武雄[1928] 北緯35度16分 東経139度20分 / 北緯35.267度 東経139.333度 / 35.267; 139.333(右図 Ma)、 ベノー・グーテンベルグ、チャールズ・リヒター[1954] 北緯35 1/4度 東経139 1/2度(右図 Gu)、 宇佐美龍夫[1966] 北緯35度12分 東経139度18分 / 北緯35.2度 東経139.3度 / 35.2; 139.3(右図 Us)、 山梨県の河口湖付近の東1里(4km)余(北緯35度30分3 東経138度48分7)を震央とする説(平野烈介[1924])(右図 Hi)、 神奈川県西部を震央とする説金森博雄、宮村摂三[1970]の北緯35度24分 東経139度12分 / 北緯35.4度 東経139.2度 / 35.4; 139.2±15km(右図 Ka)、 浜田信生[1986]の北緯35度20.8±1.8分 東経139度8.9±1.4分(右図 Ha) 理科年表による北緯35度20分 東経139度08分 / 北緯35.33度 東経139.13度 / 35.33; 139.13 気象庁による北緯35度19.8分 東経139度08.1分 / 北緯35.3300度 東経139.1350度 / 35.3300; 139.1350座標: 北緯35度19.8分 東経139度08.1分 / 北緯35.3300度 東経139.1350度 / 35.3300; 139.1350 などがある。 震源の深さは、金森と宮村によれば0-10kmとされているが、浜田(1986)は震源断層が出現しなかった事から10km以浅は考えに難く25kmとしている。
※この「震央」の解説は、「関東地震」の解説の一部です。
「震央」を含む「関東地震」の記事については、「関東地震」の概要を参照ください。
震央(震源地)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/22 19:59 UTC 版)
「震央」も参照 震源直上の地表部分を震央(epicenter)と呼び、これには深さのパラメータはない。マスコミなどで俗に震源地と言われているものである。 震源の深さの決定は難しいが、震央は比較的簡単に求められる。震央が海上にあった場合、津波の危険があるため津波警報発令等の対策を取るなど、まず震央を求めることが重要になる場合もある。
※この「震央(震源地)」の解説は、「震源」の解説の一部です。
「震央(震源地)」を含む「震源」の記事については、「震源」の概要を参照ください。
震央と同じ種類の言葉
- >> 「震央」を含む用語の索引
- 震央のページへのリンク