阿蘇山とは?

あそさん 【阿蘇山】

熊本県北東部外輪山数個中央火口丘阿蘇五岳という)からなる活火山最高峰高岳標高一五九二メートルアソ名はクマソ熊襲)と関係するとか、火を噴く山を意味するアソオマイからだとか諸説がある。噴火口御池神霊池)と呼ばれ、そこの神が健磐龍命阿蘇神社祭神でもある。同社には火振神事があり、末社神社阿蘇町)には火焚神事がある。→ 阿蘇神社

阿蘇山(熊本県)

1592m 北緯325304秒 東経1310614秒 (高岳) (世界測地系
1506m 北緯325301秒 東経1310549秒 (中岳) (世界測地系

阿蘇山写真阿蘇山地図



概 要

 東西17km、南北25km のカルデラ内に主峰高岳など玄武岩から流紋岩にわたる十数座 の中央火口丘がほぼ東西方向配列する。カルデラは約30 万年前から9 万年前までの4 回の大規模火砕流流出伴って形成され、カルデラ周囲には広大火砕流台地が発 達する。中央火口丘のうち、中岳有史後も噴火繰り返している。中岳安山岩玄武 岩の成層火山であり、有史後の活動玄武岩安山岩(SiO2 5254% )を噴出中岳山頂 火口は、数個火口南北連なる長径1100m の複合火口で、近年北端の第1 火口が活 動している。第1 火口は非活動期には「湯溜り」(火口湖)が形成され、活動期には湯溜りが なくなって黒色砂状火山灰(地方名ヨナ)を放出し、赤熱噴石スコリア放出を伴う ストロンボリ式噴火も起き、時には強い水蒸気爆発マグマ水蒸気爆発起こすカル デラ内湯の谷等に温泉地獄がある。



最近1万年間の火山活動

 中央火口丘構成する噴出物のうち、約6300 年前のアカホヤ火山灰堆積以降噴出物 は、赤水溶岩(年代不明)、準プリニー式噴火によって形成された杵島岳(きしまだけ)(約 3400 年前)、スコリア主体とする往生岳(約2700 年前)、溶岩流出とスコリアによる米塚 (約2700 年前より新しい)と中岳構成している堆積物である。このうち中岳では、約4800 年前に溶岩流出したあと、約3800~ 3600 年前頃に火山灰放出活発化し、その後も歴 史に残っている噴火はじめとして、現在でも活発な火山活動継続している(宮縁・渡 辺,1997)。



記録に残る火山活動

1988(昭和63)年 噴火
3~ 12 月 土砂噴出5 月 微動多発。7~ 12 月 鳴動1012月 火口赤熱12 月 降灰(3 年ぶり)。
1989(平成元)年 噴火
1~ 6 月 火口赤熱。4~ 6 月 火山灰噴出6 月11 日 891 火孔開口7 月16 日 噴火活動はじまる(4 年ぶり、翌年12 月まで続く)。 9~ 12 月 噴石活動10 月9 日 892 火孔開口1011 月 噴火活発、降灰多量農作物被害鳴動大。
1990(平成2)年 噴火
(前年からの噴火続く)1、2、4~ 6、12 月 噴火9 月17 日 901火孔11 月24 日 902 火孔12 月6 日 903 火孔開口
1991(平成3)年1~ 2 月 噴火
時々火山灰噴出前年からの活動終了3 月以降 火口湯だまり(92 年6 月まで)。
1992(平成4)年 噴火
年間微動大。4 月から土砂噴出次第活発化7 月 有感微動多発。8~ 9 月 活発な噴出噴煙最高2500m。12 月 921、922 火孔開口火炎
1993(平成5)年 噴火
前年からの継続で、1~ 2 月スコリア噴火3 月以降 湯だまり、翌年8 月まで比較静穏
1994(平成6)年 噴火
9 月噴火。9~ 10 月土砂噴出活発。12 月大き土砂噴出
1995(平成7)年 噴火
3 月噴火年間土砂噴出断続
1996(平成8)年
火口底は全面湯だまり状態が続く。4 月27 日6 月22 日 南側火口壁赤熱現象7 月 土砂噴出
19971999(平成9~ 11)年
火口底は全面湯だまり状態が続く。時折土砂噴出や噴湯現象
2000(平成12)年
火口底は全面湯だまり状態が続く。11 月から南側火口壁赤熱現象
20012002(平成1314)年
火口底は全面湯だまり状態、南側火口壁赤熱現象続く。
2003(平成15)年 噴火
中岳第1 火口の南側火口壁下の温度及び湯だまりの温度は高い状態が継続7 月10 日土砂噴出中岳第1 火口東北東約6km に微量降灰(ごく小規模噴火)。湯だまりの量は、6 月から徐々に減少11 月には約5 割となった。
2004(平成16)年 噴火
1 月14 日土砂噴出中岳第一火口東南東約8km で微量降灰(ごく小規模噴火)。
2005(平成17)年 噴火
4月14日 午前にごく小規模噴火2041分頃ごく小規模噴火土砂噴出発生)が発生火山灰火口北東側約2kmの仙酔峡まで達した。
2006(平成18)年
小規模土砂噴出7月以降全面湯だまり。
2007(平成19)年
火口底は全面湯だまり。9月から南側火口壁赤熱現象
2008(平成20)年
火口底はほぼ全面湯だまり。南側火口壁赤熱現象続く。12月にごく少量火山灰火口内で噴出。南側火口壁火炎現象



 

<「概要」、「最近1万年間の火山活動」、「記録に残る火山活動」については日本活火山総覧(第3版)(気象庁編,2005)及び最近観測成果による。>

火山観測

 気象庁では,中岳第1火口の西1.5kmの地点O、 西0.8kmの地点A,西南西 2.6kmの地点B,北西 2.2kmの地点C,南東 1.2kmの地点D,北東 2.1kmの地点Eに地震計設置,また空振計3点,GPS3点,傾斜計1点,遠望カメラ1点をそれぞれ設置し, さらに,京都大学地球熱学研究施設火山観測センター地震計分岐し,阿蘇山の火山活動監視観測を行っています。


火山活動解説資料

 気象庁実施した火山観測データ解析結果や,火山活動診断結果掲載します。毎月1回,上旬公表します。

 



阿蘇山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/18 21:31 UTC 版)

阿蘇山(あそさん)は、日本九州中央部、熊本県阿蘇地方に位置する活火山外輪山と数個の中央火口丘から成り、外輪山は南北25km、東西18kmに及び世界最大級の面積380km2の広大なカルデラ地形(鍋型)を形成する[1]




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  1. ^ 第四紀火山 活火山 阿蘇 産業技術総合研究所 阿蘇火山地質図
  2. ^ 深田久弥 『日本百名山』 新潮社1964年ASIN B000JAFKT2。(改訂1991年。ISBN 4103184051)、(新潮文庫 1978年、ASIN B000J8KTOU。)、(改版2003年。ISBN 4101220026。)
  3. ^ 阿蘇山 国土地理院 (PDF)
  4. ^ 河野義禮、昭和七八年の阿蘇火山活動概況 岩石礦物礦床學 Vol.11 (1934) No.6 P274-282
  5. ^ 島野安雄、名水を訪ねて (3) 熊本県の4名水 地下水学会誌 Vol.30 (1988) No.3 p.177-184_1
  6. ^ 阿蘇山ロープウェー
  7. ^ 国土地理院 基準点成果等閲覧サービス
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 出典 : 日本の火山 阿蘇火山地質図 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター、2016年4月閲覧
  9. ^ 出典 : 阿蘇火山の過去8万年の噴火史と1989年噴火 - 早川由紀夫、井村隆介(1991)、2016年4月閲覧
  10. ^ a b c d e 出典 : 阿蘇のジオサイト紹介以下 - 阿蘇ジオパーク、2016年4月閲覧
  11. ^ a b c 出典 : 日本活火山総覧(第4版)Web掲載版 阿蘇山 (PDF) - 気象庁、2016年4月閲覧
  12. ^ a b 出典 : 阿蘇山[ - 気象庁、2016年4月閲覧
  13. ^ a b c 阿蘇山 観測史上1〜10位の値 気象庁
  14. ^ a b c d 古川邦之ほか:阿蘇カルデラ北西壁に分布する先阿蘇火山岩類の地質学・岩石学的研究:先カルデラ火山活動における噴火活動とマグマ供給系 地質学雑誌 Vol.115 (2009) No.12 P658-671
  15. ^ 阿蘇山 気象庁
  16. ^ 流紋岩溶岩流の内部構造 : 阿蘇カルデラ内,高野尾羽根溶岩の例 日本火山学会講演予稿集 2004, 168, 2004-10-19
  17. ^ 長岡信治、奥野充、阿蘇火山中央火口丘群のテフラ層序と爆発的噴火史 地学雑誌 Vol.113 (2004) No.3 P425-429
  18. ^ a b 阿蘇火砕流 熊本県高等学校教育研究会 地学部会
  19. ^ a b c d 阿蘇カルデラ 産総研 (PDF)
  20. ^ a b 下山正一、低平地地下における阿蘇3火砕流堆積物(Aso-3)の年代について 佐賀大学低平地防災研究センター編 低平地研究 Vol.10 p.31-38
  21. ^ 高橋正樹「破局噴火」祥伝社新書126 p68
  22. ^ 噴火による堆積物の見かけの量である噴出量は、火山灰や軽石などの比重が軽い噴出物が多い場合、DRE(マグマ噴出量)より大きな値となる。
  23. ^ 藤井純子ほか、山口県に分布する阿蘇4テフラの古地磁気方位 第四紀研究 Vol.39 (2000) No.3 P227-232
  24. ^ 町田洋ほか、阿蘇 4 火山灰 : 分布の広域性と後期更新世示標層としての意義 日本火山学会 火山. 第2集 30(2), 49-70, 1985-07-01
  25. ^ 国立天文台編:理科年表 平成20年度版(2007年) 丸善 p688 「日本列島およびその周辺地域の第4紀後期広域カルデラ」より
  26. ^ 阿蘇火山中央火口丘群のテフラ層序と爆発的噴火史 地学雑誌 Vol.113 (2004) No.3 P425-429
  27. ^ 大森房吉、阿蘇山噴火概表 地学雑誌 Vol.32 (1920) No.3 P116-124
  28. ^ 阿蘇山 有史以降の火山活動 気象庁
  29. ^ 噴火予報(阿蘇山)平成19年12月1日10時16分 気象庁
  30. ^ 噴火警報(火口周辺)(阿蘇山)平成26年8月30日9時40分気象庁
  31. ^ 噴火に関する火山観測報(阿蘇山噴火) 2015年09月14日09時50分発表 気象庁
  32. ^ 阿蘇山 噴火警報(火口周辺)平成27年9月14日10時10分 福岡管区気象台 (気象庁)
  33. ^ “阿蘇山噴火は土砂崩れ噴き上げか 京大火山研が現地調査”. 西日本新聞. (2016年4月19日) 
  34. ^ 噴火時等の対応事例』<資料・第二回(平成19年1月10日)配布資料> - 火山情報等に対応した火山防災対策検討会、P19
  35. ^ いのちを守る 熊本・阿蘇山の噴石への備えを取材しました。(14/10/01)
  36. ^ 阿蘇火山西火口規制情報 阿蘇火山防災会議協議会
  37. ^ 鍵山恒臣、阿蘇山 国交省 日本の活火山(17) (PDF)
  38. ^ “阿蘇山の米塚に亀裂”. 西日本新聞. (2016年4月20日) 







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