「絶対悪」と「新しい血族」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 08:19 UTC 版)
「魔人探偵脳噛ネウロの犯罪者」の記事における「「絶対悪」と「新しい血族」」の解説
「絶対悪」と呼ばれる人物「シックス」を筆頭とする一族。人間からさらに進化した「新しい血族」を称している。シックスの要求水準を満たす者は「100人」。軍需企業ヘキサクスを核に、世界中のあらゆる組織に食い込み、脅迫やスパイで根を張る。非血族の協力者も多数。 なお、アニメでは登場前に物語が終了したため存在しない。 「シックス」(SIX / SICKS) 魔人探偵脳噛ネウロにとって最大の敵。本作品のラスボス。「絶対悪」と呼ばれている男で、「新しい血族」の最先端に位置する者。 作中ではカギガッコ付きで「シックス」と強調されることが多いが、本記事では省略する。「シックス」とは血族トップの称号込みでの呼称・敬称であり、「様」などはつかない。呼称には、数字の「6(six)」の意味があり、「六面体の箱」ということで、Xとの血の繋がりが暗示される。同時に「病気(Sick)」という意味があり、「人の姿をしていながら、その常軌を逸したその悪逆さゆえに、人間からは病気と恐れられた」という、血族の恐怖を象徴体現した呼称でもある。 表向きの顔は世界最大の兵器メーカー「ヘキサクス」の会長である死の商人ゾディア・キューブリック。世界中に武器を売り込み、裏では非人道的な科学人体実験を指導している。日本の警察・軍事のトップとは「友人」であるため、犯罪を犯してももみ消される。検体11(怪盗X)、笹塚兵士一家、本城刹那らは、全て彼の犠牲者である。 始祖は7000年前の武器職人であるという。人殺しの手段のみを考え続け、最も悪意の強い子に家業を継がせることをくり返していった結果、脳内の悪意が定向進化していき、遂には外見こそ人間なのに、DNAレベルで人間とは異なる生物にまでなったとされている。その悪性は出生直後からの、真に生まれついてのもの。両親も怪死しており、5歳以前の彼に殺されたことが示唆されている。 絶対悪の名に相応しく、極悪非道を絵に描いたような存在。人質をとった上で無理難題を押し付けて相手が苦しむ様を楽しんだり、面白半分に部下を苦しませて自決させるなど、その悪意は止まるところを知らない。だが、その酷薄な行動とは裏腹に語り口は優しく、その落差が異常性を際立たせる。信奉者達はその底知れぬ悪意に恐怖しつつ魅力を感じ、絶対的に崇拝する。 ホモサピエンスがネアンデルタール人を滅ぼして種を確立させたのと同じように、「新しい血族」は既存人類を滅ぼして種を確立させるべきと考える。つまり自らが「新しい血族」と見なした約100人以外の「人」は全て滅ぶべきであると考えている。大量の人間がいることが前提で食糧(謎)を得られるネウロは、シックスを「生物として邪魔」と嫌う。「謎など、脅迫して作らせればいい」と言ってのけるも、ネウロに養殖と否定される。科学力を以て自分の子孫を作ろうとしたが、シックスが異質すぎて検体11以外の全てが失敗に終わっている。その結果産まれたのが怪盗X=XIであるも、愛情を注ぐ子ではなく、道具でしかない。 当然ながら戦闘能力も高く、さらにネウロからも「弱点を的確に突き相手より優位に立つ天才」といわれ、嫌らしい戦い方をする。能力として「合金と強化細胞の結合技術」を体に組み込んでおり、細胞を金属に変質させることができる。おまけにスペックの高さゆえ、五本指やアンドリューの能力を素で使える。さらに生命力も高く、欠損しようが心臓を取られようが、頭部=脳を破壊されない限り絶命しない。他人になりすます際には、拷問で情報を引き出した後に頭皮を剥ぎ取ってかぶる。弥子曰く「何千倍も強化された元人間」であり、ネウロには「フルパワーでもてこずる」とまで言わしめた。 17年前にバイオテクノロジーで検体11を造り出し、10年前に人体実験を嗅ぎ付けた笹塚兵士一家を殺し、数年前に本城刹那に薬品を投与して病死させる。本編登場前には、葛西をスパイとしてXの元に潜入させて情報を得る。本編では国際警察捜査員のアンドリュー・シクソンに成りすまして来日し、日本警察の笹塚を利用してXに近づく。正体を現し、アイを殺して、Xを確保する。魔人ネウロの存在を知り、仲間に引き入れようとするも、思想の違いで交渉は決裂。ジェニュインに人間殲滅及びネウロ討伐の指揮を任せ、日本をかつてないテロで襲う。 その後、兵器商としての仕事のため再来日し、日本の警察・防衛のトップに脅しをかけ、製薬施設での非合法人体実験をもみ消す。さらに遊びで自分の情報を流し、誘われた笹塚を返り討ちに殺す。しかし笛吹により、テロ犯として指名手配される。国外への脱出ルートを封鎖され、やむなく国内にあるアジトに潜伏するが、本城博士の遺言でネウロに居場所を突き止められ、ボディガード達も壊滅する。 廃墟の遊園地で、ネウロ・弥子vsシックス・XIとなる。XIには弥子の始末を任せ、自分もネウロを圧倒する。だが弥子を軽視したことが仇となり、XIがXを取り戻したことで、Xに金属細胞の制御を担っていた心臓を奪われ、劣勢に陥る。XI=Xを捨ててステルス爆撃機で逃げるも、追いついたネウロと、爆撃機の壁面に立ち空中戦を繰り広げる。ネウロの最大技・魔帝7ツ兵器『二次元の刃(イビルメタル)』により肉体をバラバラにされてもまだ戦闘続行できるほどのしぶとさを見せるも、空中に放り出されたところに爆撃機で突撃してきたネウロの超音速の蹴りをくらい(意味としては、靴を全身で舐めさせられるという最大級の屈辱)、脳を粉砕され遂に絶命した。その悪意に満ち溢れた頭脳のため、ネウロの悪意と自身の末路もすぐに悟ってしまい、逃れられぬ死の恐怖と屈辱を人並み以上に味わわされることになり、最期はこれまでの冷静さを崩し本性を表してネウロを罵倒していた。 XI(イレブン) シックスの娘であり、父曰く「完成された生物兵器」。シックスに捕らえられた怪盗Xが、記憶を消され、改造された状態。外見は「シックスのクローン(雌)」という出生を反映してか、シックスによく似た10代後半のロングヘアーの少女に変わっており、シックスを「パパ」と呼ぶ。彼女の名前「XI」は、それまでの名前である「験体11」・“怪物強盗『X.I』をかけたものであり、また「VI」の合わせ鏡(VIを上下対称に組み合わせるとXIになる)という意味もある。 パワーはX以上。観察力もさらに進化しており、他人の顔を見ただけで脳内電流=記憶を読み取れる。記憶を再現しているに等しいため、変身姿と本物は全く見分けがつかない。過去に経験した魔界777ツ能力は克服済。 五本指の活動中はまだ仕上がっていなかったが、ジェニュイン敗北と同じ頃に完成する。シックスへの復讐にやって来た笹塚を、石垣に化けて騙し、致命傷を負わせる。 廃墟の遊園地で、ネウロ・弥子vsシックス・XIとなる。この戦いでは、弥子の記憶を読んで、過去に出会った犯罪者達に変身してオリジナル以上のパワーで攻撃する。パパに弥子の始末を任せられたことで、弥子と一対一になる。ネウロに完璧に化けるという策で近づくが、ネウロと弥子の絆を侮り、弥子に一瞬で偽物と見抜かれ、動揺する。さらに「怪盗Xにだけ化けていない」と看過され、誘導される形で弥子の記憶にダイブし、アイを思い出したことで怪盗Xに戻る。シックスを騙してダメージを与えるが、代償に心臓を爆破される。最期は、笹塚の死に際の記憶から彼を再現し、弥子に笹塚の言葉を伝え、探し続けていた自分を「今」と見出して、命尽きる。その死に姿は「最後の自分像」に重なる。単行本プロフィールも、自らを「怪盗X」と認めたものとなっている。
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