武蔵御嶽神社 祭神

武蔵御嶽神社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/10 14:26 UTC 版)

祭神

由緒

崇神天皇7年(紀元前91年)の創建とされ、天平8年(736年)に行基蔵王権現を勧請したといわれる。

文暦元年(1234年)に大中臣国兼が荒廃していた社殿を再興し、以降は修験場として知られ、関東武家政権や武士から多くの武具が奉納される。江戸時代には、慶長10年(1605年)に大久保長安を普請奉行として本社が、元禄13年(1700年)には幣殿と拝殿が建立された。

明治に入ると神仏分離によって、それまでの御嶽大権現(御嶽蔵王権現)から大麻止乃豆天神社に改称した。これは当社が延喜式に載せられている「大麻止乃豆天神社」に比定されたためであるが、同様に大麻止乃豆天神社であると比定される神社が他にもあったため(東京都稲城市大丸の大麻止乃豆乃天神社)、御嶽神社と改称した。昭和27年(1952年)に現在の武蔵御嶽神社に改称した。

境内外

本社本殿
本社
拝殿は五間社入母屋造の大き目の社殿で、朱塗りで鮮やかに彩られており、唐破風の向拝には彫刻がある。現在の本殿は一間社神明造で明治10年(1877年)に造営された。酉年に行われる酉年式年大祭で、本社の内陣に祀られている秘仏の蔵王権現が12年に一度御開帳される。
二柱社
伊弉諾尊伊弉冉尊を祭る。本社玉垣内にあり、本殿の向かって左側に鎮座している。社殿は一間社流造の見世棚造である。
八柱社
本社玉垣内にあり、本殿の向かって左側に鎮座している。春日社八幡社、䗝養社、八雲社座摩社、月乃社、国造社、八神社を祭る。
北野社
菅原道真を祭る。本社玉垣内にあり、本殿の向かって左側に鎮座している。社殿は一間社流造である。
巨福社
埴山姫命を祭る。本社玉垣内にあり、本殿の向かって左奥に鎮座している。流造の小さな社殿が覆殿に納められている。
神明社
天照大神を祭る。本社玉垣内にあり、本社の後方に位置している。社殿は神明造である。
大口真神社
大口真神社(おおくちまがみ しゃ)
大口真神を祭る。本社玉垣内にあり、神明社の後方に瑞垣に囲まれて鎮座している。御嶽神社の眷属であるを祀っている。古くは神饌を供える台のみであったが、江戸時代末期に社殿が建てられた。現在の社殿は昭和14年(1939年)に建てられた一間社流造の社殿で豪華な彫刻が全体に施されている。社殿後方は奥宮遥拝所となっている。
常盤堅盤神社(東京都指定有形文化財)
常磐堅磐社(ときわかきわ しゃ)
本社玉垣内にあり、本殿の向かって右奥に位置している。祭神は境内案内によると、崇神天皇景行天皇安閑天皇清和天皇狭依比売神ほか96柱とあるが、神社頒布物によると、諸国一宮祭神となっている。社殿は永正8年(1511年)以前に造営された旧本殿であり、東京都指定有形文化財に指定されている。一間社流造で漆黒に塗られ荘厳な装飾が施されている。
皇御孫命社
皇御孫命社(すめみまのみこと しゃ)
瓊々杵尊を祭る。本社玉垣内にあり、本社の向かって右側に位置している。瑞垣に囲まれており、社殿は朱塗りの一間社入母屋造で千鳥破風唐破風がついている。元々は東照社の社殿であったため、徳川将軍家三つ葉葵なども見られる。
東照社
東照社
東照大権現を祭る。本社玉垣内にあり、本社の向かって右側に位置している。現在の社殿は一間社流造の簡素なものであるが、元々は現在の皇御孫命社の社殿が東照社であった。
宝物殿
本社玉垣に向かって右側に建ち、国宝の赤糸縅大鎧などを見ることができる。クラウドファンディングにより費用を賄い、温度・湿度管理や防犯性能を高めた新しい展示ケースを導入予定である[1]
畠山重忠の像
国宝の大鎧を奉納した武者の騎馬像で、宝物殿の前庭に立つ。北村西望の作で昭和56年に建立された。
奥宮参道
奥宮
奥宮
日本武尊を祭る。本社の南西の山奥の本社より徒歩40分のところにある。境内碑によると征夷高祖御社とある。
産安社の性神
産安社
木花開耶毘売命石長比売命息長帯比売命を祭る。富士峰に鎮座している。安産・子育ての神として祀られている。拝殿が三間社流造で、本殿が一間社切妻妻入の社殿となっている。神木には性神が祀られている。
随身門
鳥居の先にあり、朱塗り一層の造りとなっている。
稲荷社
随身門のやや奥にある。
三柱社
随身門のやや奥にある。
(神社)
随身門の傍らに流造の神社がある。
(神社)
瀧本駅そばに神社がある。
(神社)
滝本駅そばの参道入り口に小がある。

祭事

一の鳥居
現在も続く宿坊
立ち並ぶ講碑
  • 1月1日:元旦
  • 2月3日:節分
  • 3月8日:春季大祭
  • 5月7日・8日:日の出祭(例大祭)
  • 6月30日:大祓
  • 9月29日:流鏑馬
  • 10月体育の日前の土日:薪神楽
  • 11月8日:秋季大祭

  1. ^ 「国宝展示ケース整備に支援を 青梅・武蔵御嶽神社」東京新聞』朝刊2022年9月15日(都内面)2022年9月22日閲覧
  2. ^ 重要文化財指定名称は「紫裾濃甲冑」。学術書、図録等では「紫裾濃鎧 兜・大袖付」のように表記するのが普通である。尾崎元春「甲冑」『日本の美術』24(至文堂、1968年)p.63。
  3. ^ 山上(1974)、p.111
  4. ^ 青梅市役所秘書広報課発行『広報おうめ』No.1,152「ふるさとの文化財111」(2010年6月15日)による。参照:広報おうめ


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