対気速度計 速度と範囲を色分けして表示

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 対気速度計の解説 > 速度と範囲を色分けして表示 

対気速度計

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/03 06:09 UTC 版)

速度と範囲を色分けして表示

ASIには、航空機の制限内で安全な操作を示すために、標準の色分けされたマーキングが標準装備されている。パイロットは一目で、推奨速度(V速度)または速度調整が必要かどうかを判断できる。単発機と多発機には共通のマーキングがあり、たとえば、緑色の円弧は、 VS1からVNOまでの航空機の通常の動作範囲を示している。

白い円弧は、アプローチと着陸に使用されるフラップ動作範囲( VSOからVFE)を示している。

黄色の円弧は、この範囲では滑空時のみ飛行するよう注意し、黄色の円弧の上部にある赤い線(VNE)は、それ以上の速度では損傷または構造上の故障を起こす可能性があることを示している[1]:8–9

多発機のASIには、エンジン故障の可能性に関連した赤と青の2つの放射状のマーキングが追加されている。緑色の円弧の下側にある赤い線は Vmcを示し、重要なエンジンが作動していない状態で航空機を制御できる最小表示対気速度である。青い放射状の線はVYSEで、重要なエンジンが作動していない時に最も良い上昇率になる速度を示している[2]

動作

ASI コンポーネント

ASIは、静圧システムとピトーシステムの両方を使用する唯一の航空計器である。静圧はASIケースに入り、全圧は機械的リンケージを介してASIの指針に接続されたダイヤフラムを屈曲させる。航空機が地上で静止しているときの圧力は等しいため、読み取り値はゼロになる。航空機が前進しているとき、ピトー管に入る空気は静的ラインよりも高い圧力にあり、ダイヤフラムを屈曲させ指針を動かす。離陸前にASIの値がゼロであることを確認し、離陸時には値が適切に増加していることを確認する[1]:8–10[3][4]

ピトー管は、虫や汚れ、ピトーカバーの外し忘れなどにより、閉塞することがある。閉塞すると、ラムエアーがシステム内に侵入できなくなる。ピトー開口部がふさがれていても、ドレンホールが開いていれば、システム圧力は周囲圧力まで低下し、ASI指針はゼロの読み取り値に低下する。開口部とドレンホールの両方が塞がれている場合、ASIは対気速度の変化を示さない。ただし、ASI指針は、関連する静圧の変化に応じて高度の変化を示す。ピトー管と静圧システムの両方が閉塞している場合、ASI指針はゼロを示す。静圧ポートが閉塞していても、ピトー管が開いていれば、ASIは作動するが不正確である[1]:8-10, 8-11

対気速度の種類

左-航空機の対気速度計。指示対気速度は黒い背景に表示される(この場合、ノット (kn) とマイル/時 (mph) の両方)。パイロットは、トップウィンドウの気圧高度と気温をツマミで設定する。これに基づいて、左下のウィンドウの白い背景スケールが移動して、真の対気速度を示す。
右:マッハメーター付き対気速度計。ベゼルの可動式ポインター(バグ)。

対気速度には4つの種類があり、ICE-Tという頭文字で覚えることができる。

  • 指示対気速度(英語: Indicated air speed (IAS))は、ASIから直接読み取られ、空気密度の変動、設置、計器のエラーに対する補正はない。
  • 較正対気速度(英語: Calibrated air speed (CAS))は、設置および計器の誤差を補正する。
  • 等価対気速度(英語: Equivallent air speed (EIS))は、校正対気速度 (CAS) を、自明でないマッハ数での空気の圧縮率を補正する。
  • 真対気速度(英語: True air speed (TAS))は、CASを高度と非標準の温度に対して補正する。TASは、飛行計画に使用される。TASは、高度が上がり、空気密度が減少するにつれて増加する。TASは、E6Bなどのフライトコンピュータを介して決定することができる。一部のASIにはTASリングがある。または、高度が 1,000フィート (300 m) 増加するごとにCASに2%が追加されるという経験則もある[1]:8-8,8-9



「対気速度計」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  対気速度計のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「対気速度計」の関連用語

対気速度計のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



対気速度計のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの対気速度計 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS