墜落の過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 10:08 UTC 版)
「1994年のフェアチャイルド空軍基地でのB-52機の墜落事故」の記事における「墜落の過程」の解説
事故調査は事故機のB-52が管制塔回りの最後の旋回に入った時の指示対気速度 (IAS)が182 ノット (337 km/h, 209 mph)であったことに気付いた。旋回を始めた後にホランド機長がエンジン出力を増加させたが、当機のジェットエンジンはスロットルレバーの動きに反応するまでに最大8秒間を要するものであったため、対気速度を維持するには遅すぎた。対気速度計が乗員4名全員の座席に備わっていたにもかかわらず対気速度は減少するままにまかされ、激突の8秒前にはIASは145 ノット (269 km/h, 167 mph)まで低下し、バンク角度は60°以上にまで増加していた。この時点でホランド機長かマクギーハン副操縦士が右スポイラーを全開、右方向舵をあて、昇降舵で機首上げ操作を行い、機体は旋回時失速(accelerated stallと呼ばれることも)に陥った。これは、旋回の影響で設計上の失速速度(直進水平飛行を想定したもの)よりも高い速度で失速する現象である(図を参照)。バンク角度が60°かそれ以上だったため、この事故機のその瞬間の失速速度は147 ノット (272 km/h, 169 mph)であった。それ故にIASで145 ノット (269 km/h, 167 mph)で飛行する機体は、回復操作のための十分な高度もないままに失速し、地面に激突した。
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