墜落までの動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/27 09:17 UTC 版)
「イースタン航空663便墜落事故」の記事における「墜落までの動き」の解説
事故当日、出発地であるマサチューセッツ州ボストンのローガン国際空港から第一経由地のニューヨーク州クイーンズ区のジョン・F・ケネディ国際空港までの飛行は何事もなく正常に終了した。663便は東部夏時間18時20分にジョン・F・ケネディ国際空港を出発し、バージニア州リッチモンドのバード飛行場(現:リッチモンド国際空港)へ向かって計器飛行方式で飛行していた。離陸は正常に進行し、空港管制塔はロングアイランドのニューヨーク航空路管制センター (ARTCC) に管制を引き継ぐ準備を行った。663便はニューヨーク市上空を避けるために大西洋上でターンを行う"Dutch seven departure"を使用していた。ニューヨークARTCCはパンアメリカン航空212便(ボーイング707)が同じ空域で4,000フィート (1,200m) まで降下しているという情報でJFK空港管制に応答した。 ニューヨーク航空路管制センターとJFK管制塔との無線会話送信者内容原文脚注ニューヨーク航空路管制センター Dutchの北3マイルにいるクリッパー(パンアメリカン航空)212便は4,000フィートまで降下している。 All right, at three miles north of Dutch is Clipper 212 descending to 4,000. 彼(663便)はどのように入ってきたその男(212便)と態勢を整えるのか...彼(663便)は1時の位置にいますか? How does he shape up with that boy coming in . . . the guy at his 1 o'clock position? JFK管制塔 私たち(663便)は彼(212便)の上にいます。 We're above him. 管制塔は663便は212便よりも高い高度にいると答えたが、実際にはそれよりも低かった。その後、管制塔は212便に対し自機より南東11時の方向6マイル先に3,000フィート (910m) 付近を上昇中の別機がいることを知らせた。212便の乗員はこれを視認した。この後に管制塔は663便に対しても同じ機が自機より北東2時の方向5マイル先にいることを知らせた。この時点で212便は5,000フィート (1,500m) から降下中で663便より上にいた。カーソン機長は初期上昇を終えDutch seven departureに移り始めたため「おやすみなさい」と言ってサインオフした。 JFK管制塔とイースタン航空663便、パンアメリカン航空212便の無線会話送信者(送信先)内容原文脚注JFK管制塔(パンアメリカン航空212便) 南東11時の方向、6マイル先、3,000フィートを上昇中の機がいる。 Traffic at 11 o’clock, six miles, southeastbound, just climbing out of three [thousand feet]. パンアメリカン航空212便(JFK管制塔) 機体を視認した。 We have traffic. JFK管制塔(イースタン航空663便) 北東2時の方向、5マイル先、貴機の下に別機がいる。 Traffic, 2 o’clock, five miles, northeast-bound, below you. イースタン航空663便(JFK管制塔) 了解。機体を視認した。方位170へ旋回する。663便...おやすみなさい。 Okay. We have the traffic. Turning one seven zero, six six three . . . good night. JFK管制塔(イースタン航空663便) おやすみなさい。 Good night, sir. 663便から18時25分に送信された「おやすみなさい」が663便からの最後の通信であった。
※この「墜落までの動き」の解説は、「イースタン航空663便墜落事故」の解説の一部です。
「墜落までの動き」を含む「イースタン航空663便墜落事故」の記事については、「イースタン航空663便墜落事故」の概要を参照ください。
- 墜落までの動きのページへのリンク