ロイコクロリディウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/31 07:25 UTC 版)
分類
ここでの本属の記述は、ラテン語音写形とする(※それでも、原音準拠の形と慣習的音写形がある[注 7]など、複数の語形を記載することになる。)。そうでないと本属の種小名や近縁種の学名との整合性が取れない不統一な音写形になってしまい、いたずらに混乱を招きかねないからである。
上位分類
下位分類
ブルードサックの色彩や模様に基づいた種別も可能ではあるが、ジストマはほとんど区別がつかないため、DNAバーコーディングによる同定が必要である[7]。
- Genus Leucochloridium Carus, 1835 レウコクロリディウム属
- Leucochloridium caryocatactis (Zeder, 1800) レウコクロリディウム・カリュオカタクティス(カリオカタクティス)
- Leucochloridium fuscostriatum Robinson, 1948 レウコクロリディウム・フスコストリアトゥム
- Leucochloridium holostomum (Rudolphi, 1819) レウコクロリディウム・ホロストムム
- Leucochloridium melospizae レウコクロリディウム・メロスピザエ
- Leucochloridium paradoxum Carus, 1835 レウコクロリディウム・パラドクスウム(パラドクスム):タイプ種。単独解説あり。
- Leucochloridium passeri レウコクロリディウム・パッセリ
- Leucochloridium perturbatum Pojmanska, 1969 レウコクロリディウム・ペルトゥルバトゥム
- Leucochloridium phragmitophila Bykhovskaja-Pavlovskja et Dubinina, 1951 レウコクロリディウム・プラグミトピラ(フラグミトフィラ)
- Leucochloridium vogtianum Baudon, 1881 レウコクロリディウム・ウォグティアヌム(ヴォグティアヌム)
- Leucochloridium variae McIntosh, 1932 レウコクロリディウム・ワリアエ(ヴァリアエ):単独解説あり。
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また、同じレウコクロリディウム科(ロイコクロリディウム科)のウロゴニムス属 (Urogonimus) に分類されている Urogonimus macrostomus Rudolphi, 1802(ウロゴニムス・マクロストムス)(■右列に画像あり)を本属(レウコクロリディウム属)に分類して Leucochloridium macrostomum (Rudolphi, 1802)(レウコクロリディウム・マクロストムム)とする学説もある。
Leucochloridium paradoxum
- レウコクロリディウム・パラドクスウム(ロイコクロリディウム・パラドクスウム)は、タイプ種である。
- ドイツ人医師カール・グスタフ・カルスによって、ドレスデン近くのピルニッツにあるエルベ川の島から採取されたスポロシストに基づき、1835年に記載された[1]。本属を本属として記載したのはカルスによる本属と本種の記載が最初であったが、のちには、1835年より早くに他属名で記載されていた caryocatactis 種(1800年原記載)と holostomum 種(1819年原記載 Distoma holostomum)が本属に再分類されている。
- 本種は、最初の発見地であるドイツのほかにも、オランダ、イギリス、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー[8]、ポーランド、ベラルーシ、ロシアのサンクトペテルブルク地域、日本の北海道[7]で見付かっている[9][10]。また、南半球で唯一の例として、南アメリカのロビンソン・クルーソー島で発見されたレウコクロリディウムは本種と考えられており[11]、セミスラッグを中間宿主にしている[11]。
- 北半球における中間宿主は、オカモノアラガイの1種である Succinea putris [9](■右列に画像あり)とSuccinea lauta [7]が確認されている。また、南半球のものが同種であれば、確認された中間宿主はOmalonyx gayana [11]である (cf. Omalonyx)。最終宿主は鳥類全般であり、キンカチョウから見つかった例がある[8]。
Leucochloridium variae
- レウコクロリディウム・ワリアエ(ロイコクロリディウム・ヴァリアエ)は、北アメリカに棲む。アメリカ合衆国のアイオワ州[12]・ネブラスカ州[13][14]・オハイオ州[15]などで見つかっている。
- 中間宿主は Novisuccinea ovalis [16][12](オカモノアラガイ科の一種)である。最終宿主は、コマツグミ[17]、カモメ[8]、キンカチョウ[8]など。
注釈
- ^ 「トランスリンガル」とは、第1義には、「複数の言語で存在する」または「多くの言語で同じ意味を持つ」ことを意味する。「トランスリンガル」について、インターネット上にはここでの用法とは違った語義で説明しているものが散見されるので、注意すること。
- ^ 生物学、解剖学、化学など。
- ^ cf. Wikt:en:Category:Translingual words suffixed with -idium
- ^ ラテン語形は規定であるが、ラテン語発音すべきとの規定は存在せず、あくまで、それが「道理だ」ということ。
- ^ よく勘違いされているが、和風の名称のみが和名ではない。例えば「ティラノサウルスの和名は『暴君竜』だ」という解説があるとすればそれは間違いで、「ティラノサウルス」が現在の標準和名であり、「ボウクンリュウ」は和名の一つ、「暴君竜」は「ボウクンリュウ」の漢字表記にすぎない。また、古くは「チラノザウルス」が標準和名であった。
- ^ この議論はインターネット上でも散見されるが、いずれかを「正しい」とする回答は、それこそが間違いである。学会が標準和名を決定しない限り、「学会が認めているという意味での“正式な”和名」は存在しないのであり、「いずれが正しいのか」という問いは意味を成さない。「分類学の父リンネの意図に沿っているか無視しているか」の違いと、「どれだけ通用しているか」という観点で「優勢と劣勢」があるのみである。なお、和名(生物の和名)の場合、ズブの素人や分類学には精通していても言語には無頓着な人が、何語の音写でもないテキトーな語感で矛盾だらけの名付けをしてしまい、それが普及してしまうというカオスな現象が頻繁に起きているのであり、本属の「ロイコクロリディウム」もその一例である可能性があることを書き添えておく(本属の研究先進国ドイツの言語に倣った可能性がある。今でもこういうこと、すなわち、当該生物種の原産国や研究先進国の言語発音に準拠しようとする研究者はおり、学名の読み方にカオスを持ち込んでいる。)。
- ^ 例えば、y を「ィュ」、ry を「リュ」と読むのは原音準拠、y を「イ」、ry を「リ」と読みやすく変えているのが慣習的音写形。また、v を u と区別せずに「ウ」と読むのは古典発音で、区別して「ヴ」と読むのは中世以降の発音。
出典
- ^ a b Carus (1835).
- ^ 佐々木 20190702.
- ^ a b 佐々木 20190724.
- ^ Robinson Jr. (1947).
- ^ Wesołowska et Wesołowski (2013).
- ^ Animal Diversity Web[1]
- ^ a b c d e f g Nakao et al. (2019).
- ^ a b c d Bakke (1980).
- ^ a b Casey et al. (2003).
- ^ Ataev et al. (2016).
- ^ a b c Castillo et González (2021).
- ^ a b Fried, Lewis Jr. et Beers (1995).
- ^ Barger et Hnida (2008).
- ^ Bakke (1982).
- ^ Burky et Hornbach (1979).
- ^ Fried, Beers et Lewis Jr. (1993).
- ^ Nolan, Thomas J. (2009年6月). “Parasites of the Robin” (英語). University of Pennsylvania. 2010年7月4日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2022年8月8日閲覧。
固有名詞の分類
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