トレント自治県 地理

トレント自治県

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/24 23:59 UTC 版)

地理

位置・広がり

トレント県概略図
トレント県地勢図

トレンティーノ=アルト・アディジェ特別自治州に属する2つの県のうち、南側にある県である。東にヴェネト州、西にロンバルディア州と境を接する。県都トレントは、東西に長い県域のほぼ中央部に位置し、ボルツァーノから南南西へ約51km、ヴェローナから北へ約71km、ヴェネツィアから北西へ約116km、ミラノから東北東へ約165kmの距離にある。

隣接する県は以下の通り。

地勢

トレンティーノは、アルプス山中に位置する山国であり、県域中央を北から南へアディジェ川が流れる。県域東部は、ボルツァーノ自治県およびベッルーノ県にまたがるドロミーティと呼ばれる山地に含まれる。県域南西部はガルダ湖に面する。

河川と谷

アディジェ川は、トレンティーノの中央部、その名にちなむヴァッレ・デッラディジェ (it:Valle dell'Adigeの谷筋を流れ下る。ヴァッレ・デッラディジェは、北ヨーロッパとイタリアを結ぶ歴史的な交通路であり、トレンティーノの主要な都市はこの谷筋に沿って位置している。

谷筋は、広域行政の単位ともなっている(#Comunità di valle参照)。主要な谷筋として、県域北西部にはリンゴの生産で知られるヴァル・ディ・ノンイタリア語版や、ヴァル・ディ・ソーレイタリア語版がある。県域南西部のジュディカリエイタリア語版は、ブレシアとトレントを結ぶ交通路であった。県域北東部にはヴァル・ディ・ファッサイタリア語版ヴァル・ディ・フィエンメヴァッレ・デイ・モケーニイタリア語版などの谷がある。また、県域南部にヴァッラガリーナイタリア語版などの谷が挙げられる。

県域南東部には、レーヴィコ湖イタリア語版カルドナッツォ湖イタリア語版から東へ流れるブレンタ川が形作るヴァルスガーナイタリア語版がある。

県域は全域がアルプス山脈東アルプス山脈)に含まれる。アルプス山脈の山系を分類する国際標準であるSOIUSAによれば、県域はアディジェ川河畔のトレントを中心とする形で4つの山域に区分されている。すなわち、県域北東部はドロミーティ、県域南東部はヴェネツィアン・プレアルプス (Venetian Prealps、県域南西部はプレシア・ガルダ・プレアルプス (Brescia and Garda Prealps、県域北西部は南ラエティア・アルプス (Southern Rhaetian Alpsである。

県の最高峰は、県の北西端(ブレシア県ボルツァーノ自治県との境界)にあるチェヴェダーレ山イタリア語版(3769 m)である。県の北東部にあるマルモラーダ(3343m)はドロミーティの最高峰であり、マルモラーダの氷河もランドマークとなっている。マルモラーダをはじめとする県内のいくつかの山塊は、ユネスコ世界遺産自然遺産)「ドロミーティ」の構成資産に指定されている。また、南西部のレードロ付近のドロミーティ・ディ・ブレンタイタリア語版からガルダ湖までの一帯は2015年にユネスコの生物圏保護区に指定された[18]

その他の山としては、モンテ・バルドイタリア語版カレ・アルトイタリア語版アルペ・チェルミスイタリア語版クロッツォン・ディ・ブレンタイタリア語版チーマ・ステルナイイタリア語版ラテマルイタリア語版パガネッライタリア語版ピッツ・ボエイタリア語版プレザネッライタリア語版プンタ・サン・マッテオイタリア語版ヴェッツァーナイタリア語版が挙げられる。

県内の主要な都市

2001年の国勢調査に基づく居住地区(Località abitata)別人口統計[19] によれば、人口6000人以上の都市・集落は以下の通り。




  1. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Superficie territoriale (Kmq) - Trento (dettaglio comunale) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2013年12月5日閲覧。
  2. ^ a b 国立統計研究所(ISTAT). “Total Resident Population on 1st January 2012 by sex and marital status” (英語). 2013年12月5日閲覧。
  3. ^ Gerenza Trentino”. SETA S.p.A. (2011年). 2011年4月6日閲覧。
  4. ^ Trentino - Google ブックス
  5. ^ Trentino - Google ブックス
  6. ^ Rifugi e bivacchi in Trentino - Google ブックス
  7. ^ Castelli e torri in Trentino - Google ブックス
  8. ^ Guida ai parchi gioco del Trentino - Google ブックス
  9. ^ South Tyrol and Trentino Geocenter Euro Map - Google ブックス
  10. ^ lecce (April 19, 2001), “Why old Italians like a list”, The Economist (London), http://www.economist.com/ 
  11. ^ among many: Karl Müller, An der Kampffront in Südtirol: Kriegsbriefe eines neutralen Offizeirs, Velhagen & Klasing, 1916: Das politische und militärische Ziel des Feldzugs der Italiener im Südtirol ist die befestigte Stadt Trient = The political and military objective of the Italian campaign in South Tyrol was the fortified city of Trento.
  12. ^ ドイツ語の"Welsch" は、「異人」「よそ者」(foreigner, stranger)、「ローマ人」、「ロマンス語話者」、「ケルト語話者」といった意味を含む語。この語義の広がりは、ローマ帝国と接触しその故地に移り住んだ古代ゲルマン人の認識(ゲルマン祖語)に由来する(英語版 Walhaz独語版 welsch参照)。
  13. ^ Flora del Tirolo meridionale: ossia descrizione delle specie fanerogame che crescono spontanee sopra il suolo Trentino e nelle terre adjacenti comprese fra la catena delle Alpi Retiche sino al confini del Lombardo-Veneto loro proprietà ec. ec. - Google ブックス
  14. ^ Erpetologia delle provincie Venete e del Tirolo meridionale - Google ブックス
  15. ^ Repertorio universale della legislazione pel regno d'Italia dell' anno 1802, p. 420, - Google ブックス
  16. ^ Ettore Tolomei - Der Totengräber Süd-Tirols
  17. ^ Official Journals of the Provincia autonoma di Trento/Autonome Provinz Trient: No. 1 (2002), No. 17 (2003), No. 23 (2003), No. 39 (2003), No. 45 (2006) No. 20 (2007) and No. 25 (2007)
  18. ^ Ledro Alps and Judicaria Biosphere Reserve, Italy” (英語). UNESCO (2022年4月). 2023年3月30日閲覧。
  19. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Popolazione residente - Trento (dettaglio loc. abitate) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2012年7月7日閲覧。
  20. ^ The Trentino Campaign of 1916”. historicaleye.com. 2011年4月5日閲覧。
  21. ^ a b c d e f g 15° Censimento della popolazione e delle abitazioni Rilevazione sulla consistenza e la dislocazione territoriale degli appartenenti alle popolazioni di lingua ladina, mòchena e cimbra”. Provincia Autonoma di Trento - Servizio Statistica(トレント自治県統計局) (Giugno 2012). 2016年5月10日閲覧。
  22. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “La lingua italiana, i dialetti e le lingue stranieri” (pdf) (イタリア語). p. 5. 2012年12月10日閲覧。
  23. ^ Cimbrian”. UNESCO Atlas of the World's Languages in Danger. UNESCO. 2016年5月10日閲覧。






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