トレント川とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > トレント川の意味・解説 

トレント川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/04 14:22 UTC 版)

トレント川
River Trent
ノッティンガムを流れるトレント川
延長 298 km
平均流量 84 m3/s
(Colwick)
流域面積 10,435 km2
水源 ビダルフ・ムーア英語版
水源の標高 275 m
河口・合流先 ハンバー川[1]
流域 イングランド
テンプレートを表示

トレント川(トレントがわ、River Trent)は、イギリスイングランド中部の河川。イギリスで3番目に長い河川であり、総延長は298km[1]

流路

ウェスト・ミッドランズにあるペナイン山脈南西部、スタッフォードシャービダルフ・ムーア英語版を源流とする。ストーク=オン=トレントを通過した後、南東、北東へと円弧を描くように流れる。途中でダーウェント川英語版ソアー川英語版などの支流を合わせながらダービーシャー南端、ノッティンガムシャーを経由したのち、下流部はヨークシャー・アンド・ザ・ハンバーにてウーズ川英語版と合流し、ハンバー川と呼ばれる三角江になる[1]。ハンバー川は東に流れ、キングストン・アポン・ハルを経由して最後は北海に注ぐ[2][3]

流域

1766年のトレント・アンド・マージー運河の計画書。右側の青で示された河川がトレント川で、中央下部から左側へ赤で示されているのが運河。ダービーシャーからスタッフォードシャーチェシャーを経てマージー川に至る。左上に入江状に書かれているのがマージー川で、流域にリバプールマンチェスターといった地名が見える。

イングランド中央部の炭田地帯・工業地帯を流れる重要な河川である。上流部のストーク=オン=トレントを中心とする地域は陶磁器をはじめ窯業が盛んで、中流部には工業都市のダービーノッティンガムが栄える。またレスターも支流のソアー川英語版を介して近い位置にある[2][4]。流域には多くの発電所も設けられている。1960年代にはバートン・アポン・トレント英語版下流に8つの発電所が設けられ、コタム発電所英語版は当時ヨーロッパ最大の200万kWの発電量を誇った[3]

上流からアルルーワス英語版付近までは狭い谷を流れるが、それより下流域は幅広い氾濫原となっている。ニューアーク=オン=トレントより下流は平野となり、市場園芸が盛んな農業地帯となる。ニューアーク付近から海面までの落差が非常に小さいため、感潮区間が河口から約85kmまで達する感潮河川である。そのためニューアークの近くまで潮汐の影響を受けることがあり(海嘯)、ゲインズバラ英語版より下流には高い防潮堤が設置されている[2][3][5]

古くから運河が発達しており、トレント・アンド・マージー運河英語版はじめ、多くの運河が開削されている。これら運河やテイム川英語版などの支流を通じ、テムズ川セヴァーン川マージー川、またバーミンガムなどの諸都市と結ばれている。水上交通も盛んであり、ソーレー英語版まで遡航が可能。120t以下の船舶であればノッティンガムまで航行が可能である[2][5]

主な支流

河川名の由来

脚注

  1. ^ a b c 本項ではトレント川をハンバー川の支流として扱っているが、トレント川とハンバー川で一体の河川と見なす見解もある。一体の河川とした場合の延長は357kmとなりセヴァーン川を上回ってイギリス最長となるが、2位のテムズ川にも同様の議論があるためテムズ川を最長とする見解もある。詳細はen:Longest rivers of the United Kingdom参照。
  2. ^ a b c d 『世界大百科事典 20』、平凡社、2007年改訂新版、547頁「トレント川」項(長谷川孝治著)。
  3. ^ a b c 『ブリタニカ国際大百科事典 4 小項目事典』、TBSブリタニカ、1991年第2版改訂版、868頁「トレント川」項。
  4. ^ 『日本大百科全書 17』、小学館、1987年、326頁「トレント川」項(小池一之著)。
  5. ^ a b 三省堂編修所編、谷岡武雄監修 『コンサイス 外国地名事典〈第3版〉』、三省堂、1998年、652頁「トレント川」項。
  6. ^ 蟻川明男著 『三訂版 世界地名語源辞典』、古今書院、2003年、262頁「トレント川」項。

関連項目


「トレント川」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「トレント川」の関連用語

トレント川のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トレント川のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトレント川 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS