オオイヌノフグリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/11 13:35 UTC 版)
オオイヌノフグリ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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Veronica persica
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Veronica persica Poir. (1808)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
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和名はイヌノフグリに似てそれより大きいために付けられた。フグリとは陰嚢のことで、イヌノフグリの果実の形が雄犬の陰嚢に似ていることからこの名前が付いた。オオイヌノフグリの果実はハート型で、フグリに似てはいない[4][5]。
形態・生態
越年草[3]。秋に芽を出して他の植物が繁茂しない冬に横に広がって育ち、早春に多数の花をつけ、春の終わりには枯れてしまう。夏の間は種子で過ごす。寒さに耐えるため、細胞内の糖濃度を高める機能を持ち、葉と茎に生える短い毛で雪と霜を遠ざけて保温する[5]。
草丈約10–20cm。葉は1–2cmの卵円形で、鋸歯がある。
花弁は4枚に見えるが基部はつながっている[3]。ただし、それぞれ大きさが少し異なるので、花は左右対称である。色はコバルトブルーだが、まれに白い花をつけることがある[4]。花は太陽の光によって開閉し、1日で落花するが[6]、2日めにもう一度開くものもある[5]。花の中央の1本が雌蕊、その外側の2本が雄蕊で、その先端の葯に白い花粉がついている[3]。花の中心にある蜜でハチ、ハナアブ、チョウなどの虫を誘う虫媒花だが、虫による受粉が失敗しても左右の雄蕊が内側に曲がって雌蕊に触れることで自家受粉も可能で[3]、自家受粉でよく見られる近交弱勢はないか非常に小さい[7]。
自然群落の5個体で、1個体あたり平均545個の種子が生産されたという調査結果がある[8]。
分布
ヨーロッパ原産[9]。アジア(日本を含む)、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに外来種(帰化植物)として定着している[9]。
日本に入ったのは明治初年と推定され、1884年あるいは1887年に東京で見られてから急速に拡大し、1919年には全国的にありふれた草になった[10]。
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Veronica persica Poir. オオイヌノフグリ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年6月11日閲覧。
- ^ 大場秀章編著『植物分類表』アボック社、2009年、217頁。ISBN 978-4-900358-61-4。
- ^ a b c d e 亀田龍吉 2019, p. 4.
- ^ a b 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本:handy & color illustrated book:収録数550種超!』秀和システム、2006年。ISBN 4-7980-1485-0。
- ^ a b c 多田多恵子「早春の青い花の秘めた知恵」
- ^ 鶴内孝之「フラサバソウとオオイヌノフグリの生殖生態」85 - 86頁。
- ^ 鶴内孝之「フラサバソウトオオイヌノフグリの生殖生態」85-89頁。
- ^ 鶴内孝之「フラサバソウとオオイヌノフグリの生殖生態」87頁。
- ^ a b 国立環境研究所. “オオイヌノフグリ”. 侵入生物データベース ―外来種/移入種/帰化動植物情報のポータルサイト―. 2012年8月16日閲覧。
- ^ 鶴打孝之「フラサバソウとオオイヌノフグリの生殖生態」85頁。1887年とするのは国立環境研究所『侵入生物データベース』「オオイヌノフグリ」。
- 1 オオイヌノフグリとは
- 2 オオイヌノフグリの概要
- 3 近縁種
固有名詞の分類
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