エスカー エスカーの概要

エスカー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/17 22:25 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ワシントン州に存在するエスカー

概要

エスカーは、氷河衰退(退氷)時に形成される地形である。氷河を形成しているの中には、それが流れてくる過程で岩盤から削り出した砂礫(ティル)が多量に含まれている。このティルが氷河が後退する時に残される(堆積する)ことによってできる地形としては、他にモレーン氷堆丘などが挙げられるが、このエスカーもそんな地形の1種である。したがって、モレーンや氷堆丘などと同様に、エスカーも主に砂礫(ティル)によって形成されている。エスカーのサイズは様々であり、周囲よりも5m - 50m程度高く、幅は10m - 200m程度、長さは500m - 50000m(50km)程度の範囲にあるものが一般的とされる。ただし、中には途中途切れる場所こそあれ、長さ500kmに及ぶ長大なエスカーも存在する。エスカーの形状は、ちょうど河川に作られる人工の堤防のように、側面は急峻な斜面であるのに対し、頂部は平坦になっている。エスカーの形成され方は、主に2通りあると考えられている。1つは、後退中の氷河の前方にできる氷河の氷が融解した水の流れに沿って形成される場合。もう1つは、同じく後退中の氷河の下の氷に囲まれたトンネル(氷河底)に、やはり氷河の氷が融解した水が流れる場所に形成される場合である。いずれにしても、これら氷河が溶けつつある時にできる水流によってエスカーは形成される。典型的なエスカーはヨーロッパ北部カナダなど、かつて氷河が広範に存在していた場所にしばしば見られる。

関連項目

  • 斜交葉理 - エスカーを形成している砂礫は、斜交葉理を呈している。



「エスカー」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エスカー」の関連用語

エスカーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エスカーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエスカー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS