Ζ計画 Ζ計画の概要

Ζ計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/10 22:48 UTC 版)

なお、本項では解説の都合のため、一部のMSの名称と型式番号を併記する。

概要

アナハイム・エレクトロニクス社とエゥーゴによる共同開発計画とされるが、詳細ははっきりしていない。エゥーゴの主力MSを開発する計画との説もあれば、次世代の可変MSを開発する計画との説もある。Ζ計画という名称がつけられた時期も明確ではなく、また、どこからどこまでがΖ計画の範囲なのか、いつまで続けられたのかなどは不明である[注釈 1]

判明しているのはΖガンダムを開発するための計画だったことと、原点はリック・ディアスの開発計画であること、主要なMSにはギリシア文字によるコードネームとガンダムの名がつけられ、後にアナハイム・ガンダムと呼ばれるようになったことである。

開発経緯

γ開発計画

宇宙世紀0085年当時、アナハイムはデラーズ紛争およびガンダム開発計画に伴う事件により地球連邦政府の不信を買っていたものの、独自に新規のMS開発は続けていた。

リック・ディアスもそのひとつである。この計画にはのちのエゥーゴ創設者であるブレックス・フォーラも関わっていた。

「MSA-099」には地球連邦からエゥーゴの動きを欺くための型式番号として「RMS-099」が与えられた(試作機の「RX-098」プロトタイプ・リック・ディアスも開発されている)。

そこに新素材ガンダリウムγを持参したクワトロ・バジーナ大尉がエゥーゴに参加。「MSA-099」にはコードネームとしてガンダリウムγを使用したガンダム「γガンダム」(ガンマガンダム)の名がつけられ、実機の開発が行われた。さらに、γガンダムは完成の際にクワトロ・バジーナ大尉により「リック・ディアス」と名づけられた。

リック・ディアスの開発を担当したのはかつてガンダム試作1号機ガンダム試作3号機ステイメンを開発した先進開発事業部「クラブ・ワークス」と、ガンダム試作2号機ガンダム試作4号機を開発した旧ジオン系の技術者が在籍している「第二研究事業部」であった。[1]

γガンダムの名はガンダリウムγにちなんだものであるが、αをファーストガンダムたるRX-78と位置づけ、3番目のガンダムの意でγガンダムであるという二重の意味が含まれているとしている場合もある。その場合、βガンダムはガンダムMk-IIかGPシリーズであるという[2]

可変MS開発計画

リック・ディアスの完成直前である宇宙世紀0086年、エゥーゴはアナハイムに対し可変MS (TMS) の開発を要求した。当時、実質的にティターンズの支配下にあった地球連邦軍は既に可変モビルアーマー (TMA)・アッシマーの開発に成功しており、これに対抗するためには20m級以下の可変MSが必要と考えたのである。一年戦争時代にはガンタンクガンキャノンガンダム(型式番号:RX-78)などのRXタイプMSに代表される「合体MS」は既に完成していたが、モノコック構造の組み合わせで実現された合体MSと違い、ムーバブルフレーム構造を必要とする可変MSの開発は辛苦を極めることとなった[1]

エゥーゴの要求は以下の4点だった。

  1. MS形態時に20m以下の頭頂高であること。
  2. 変形所要時間が0.5秒内であること。
  3. 宇宙・地球問わず全領域で運用可能であること。
  4. オプション無しで大気圏突入可能であること。

アナハイムはこれに従い、宇宙世紀0086年1月に開発計画を開始する。総合オブザーバーに旧ジオン系技術者のアレクサンドロ・ピウツスキ博士、可変機構及びムーバブルフレーム担当にゲルハルト・グルック博士、ジェネレーターおよび熱核ジェット・ロケットエンジン担当にオスカー・ライエル博士などを招集した。この時点で「Ζ計画」の名称が付けられていたとされる(『アナハイム・ジャーナル』の記述に従う設定。他資料と矛盾している場合あり)。

δ開発計画

アナハイム社は可変MS開発計画の遂行にあたりM.ナガノ博士を招聘、Δプロジェクト(デルタプロジェクト)として本格始動する。一年戦争後アナハイム社の傘下となったハービック社の可変戦闘機の資料やガンダム開発計画の資料を基に可変のプラットフォームである基本機構と変形後の形状を模索するが、データ上ではうまくいったものの実機の制作によってセミモノコック構造に一部フレームを採用するだけでは無理があることが判明、デルタプロジェクトで作成されていたガンダム(δガンダム)は、可変機構を取り除かれ、再設計を受けることとなった。[3]

このMSはM.ナガノ博士により「百式」と名づけられ、また型式番号は MSN-100 (MSA-100) とMSN-001 (MSA-001) のダブルミーニングで「MSN-00100」となった。

しかし、実質的に可変機構を完成することができなかったため、Δプロジェクトは失敗の烙印を押されることとなった。

そのため、急遽技術提携していたアクシズの技術も参考にあらたな可変技術のみを検証するプロジェクトが立ち上がることになる。


量産機の開発

一方、Ζ計画と直接の関係があるかどうかは不明だが、この時点で量産機の開発が行われている。

当時のエゥーゴの主力はジムIIだったが、その活動が拡大するに従い戦力の不足が問題となっていった。いくらコストを抑えたとはいえ、リック・ディアスは高性能すぎるため量産には不向きだった。そこでエゥーゴは大量生産向きの機体の開発を発注し、アナハイムはハイザックをベースにマラサイ(型式番号:MSA-002)を、ジムIIをベースにネモ(型式番号:MSA-003)を、それまでの開発で培った技術をスピンオフして開発した。

マラサイがちょうど完成した頃である宇宙世紀0087年3月2日、エゥーゴは「ガンダムMk-II強奪事件」を引き起こしグリプス戦役が勃発。ティターンズはアナハイムの事件への関与を疑い、その追及をかわすために先に完成していたマラサイはティターンズ側に譲渡され、エゥーゴ側にはネモが提供されることとなった。これにより、ガンダリウムγに関する技術もティターンズに渡る。

その後、ネモの改修機・ネモII(型式番号:MSA-004, MSK-004)も開発されている。

ζ開発計画

強奪したガンダムMk-IIの解析により従来の自社製と全く異なる構造のムーバブルフレーム技術を入手したアナハイム社は、Δプロジェクトの失敗を踏まえ、ゲルハルト・クック博士によって「単純な変形機構ながら機体形状を大きく変えることができる」プラットフォームであるメタスフレームを開発した。

この初期の可変MS開発計画は可変機構の実証を目的として「メタスプロジェクト」と呼ばれるようになり、宇宙世紀0087年上旬には、アナハイム初の可変MSであるメタス(型式番号:MSA-005)が完成した。メタスは簡易型の可変用フレームを導入した実験機であり、MA形態はAMBAC機能がほとんど無い宇宙戦闘機形態だったものの、可変機構の実現を成功させた機体である。さらに、メタスは更なる発展性を求められ複数のコンセプトチームに分かれて開発実験が続けられることとなる[3]

同時期にδガンダムの再生機である百式も完成したが、百式はムーバブルフレームの耐久性に問題があり、結局可変MSとして開発することは断念され、次の「ζガンダム(Ζガンダム)」(ゼータガンダム)の開発に移る。ここで初めて "MSZ" で始まる型式番号が使われるようになった。

Ζ計画ではまず百式系のフレーム(TMS用素体MS)を流用したプロトタイプΖガンダムが開発され、Ζ計画を意味する "Z" の文字が含まれた型式番号「MSZ-006X」が与えられた。プロトタイプΖガンダムはメタスの実験データなどが導入されて開発が続けられていたが、ここでエゥーゴは「ガンダムMk-II強奪事件」を引き起こし、ガンダムMk-IIを入手。ティターンズのムーバブルフレーム技術を入手できたことでフレーム構造の問題が解決された。また、「ガンダムMk-II強奪事件」以降エゥーゴに参加した少年カミーユ・ビダンは、Ζ計画の一員だったアストナージ・メドッソと共にΖガンダムの開発を知ると、Ζガンダムの大気圏突入装備の一案であるフライングアーマーや、可変機構などのアイディアを提出した。

宇宙世紀0087年7月、ピウツスキ博士、グルック博士、ライエル博士らによりこれらの技術が結集され、軽装甲・高機動の高級可変MS「Ζガンダム」(型式番号:MSZ-006)が完成。Zガンダムの1号機はその後1ヶ月のテストを終え、カミーユ・ビダンの乗機として実戦に投入されている。

Ζ計画のスピンオフ

Ζガンダムの完成後も「Ζ計画」の名称で開発が進められた。Ζガンダムは量産に向かないフラグシップ機で、戦力の中心は量産機である。そのため、Ζガンダムの量産機へのスピンオフとして、量産型Ζガンダム(型式番号:MSZ-007)が計画された。しかし、変形機構を省略したため性能の低下を招き、競合して計画されていた量産型百式改(型式番号:MSR-00100S)に敗れ、開発は中止された。

またカラバが独自に計画したΖプラスシリーズ(型式番号:MSK-006)は、その性能の高さから高性能量産機としてエゥーゴ・地球連邦軍内でも「MSZ-006A1」の型式番号で一定数が採用された。さらにカラバはリック・ディアスを基にしてディジェ(型式番号:MSK-008)も開発し、少数を量産している。

Ζガンダムの後継機はΖII(ゼッツー)(型式番号:MSZ-008)の名称で開発が進められた。Ζガンダムの開発チームによるMSZ-008は航宙戦闘機への変形機構を備え、大型ビームライフルを機体ジェネレーターに外付けすることで高火力を実現した機体であり、Ζガンダムの正常進化型である。同機は変形機構を簡略化し総合的な運用性も向上されると期待されたが、設計が完了した時点でエゥーゴ上層部がθガンダム(ΖΖガンダム)の開発を優先する方針を採ったために廃案となった。ただし、実機が製作され実戦に参加した記録も残っているため、機体の開発計画自体が中止になったのかは不明である。

また、百式の改良型として百式改(型式番号:MSR-100)という機体も開発されており、ここからさらに前述の量産型百式改をはじめとした数種類の機体が派生している。

この他、宇宙世紀0087年中に開発されているアナハイム製ガンダムとしては、ガンダムMk-III(型式番号:MSF-007)やル・シーニュ(型式番号:MSS-008)があるが、これらがΖ計画に含まれているかは不明である。

θ開発計画

Ζガンダムの完成後、MSは一年戦争以来の連邦とジオンの技術融合の成果もあり、単機あたりの性能が飛躍的に向上していく。変形、大出力火器、サイコミュの搭載といったそれまでは不可能と考えられていた機能の実現が可能となり、1機のMSに万能的な能力を要求する傾向が助長されていった。また、人的資源の観点からいずれの勢力も少数精鋭体制を採らざるを得ず、実効的な戦力である量産機の開発よりもフラグシップ機の開発が優先される体制が容認されたことがMSの高級・高額化に拍車を掛けた。これらの要因が重なり、この時期MSのスペックは爆発的なインフレーション化を迎えることとなる。

Ζガンダムは変形機構による破格の汎用性と機動力を備えた優秀な機体だったが、宇宙世紀0087年以降、MSは特に出力・火力の面において性能向上が著しく、その性能的な優位性は長くは続かなかった。グリプス戦役末期にはアクシズのキュベレイやティターンズのジ・OといったΖガンダムを凌駕する性能の機体が出現し、エゥーゴはこれらに対抗する新型MSの開発をアナハイムへと打診する。

Ζガンダムの後継機としては、以前よりΖII (MSZ-008) の開発が進められていたが、別部署によって開発された分離・合体機構を有するMSZ-009(後にプロトタイプΖΖガンダムと呼ばれる機体)の設計案に敗れ、廃案となった。MSZ-009は、可変MSとしてのΖガンダムの特性を受け継ぎ、さらに分離・合体という新機構の可能性を検証するために試作された機体である。雛形であるA型は問題なく完成し、次いで出力向上型であるB型が製作されたが、これらの機体はΖガンダムを超えるスペックを達成したものの、エゥーゴが要求する性能水準を満たすことは出来なかった。

アナハイムはエゥーゴの要請に応じ、Ζガンダムの変形機構にコア・ブロック・システムを加えた新機軸の機体、θガンダム(型式番号:MSZ-010)およびιガンダム(型式番号:MSA-0011)を開発。

開発計画には装甲・火力を強化させたフルアーマーシステムも含まれていたため、その評価機体としてFAZZ(ファッツ・形式番号:FA-010-A)を開発、増加装甲の脱着、分離・変形機構はオミットされ一部の武装はダミーの為ロールアウトはZZガンダムの半年前だった、その後火力支援機として連邦軍に配備、0088年1月に勃発した「ペズンの反乱」で3機が実戦投入されている。

θガンダムはΖガンダムの直系の発展型だが[4][5]、RX-78 ガンダムに近い設計思想を有しており、単機での戦闘能力を追求した機体である。超高出力メガ粒子砲と全身に多数のロケットモーターを搭載し、火力と運動性ではιガンダムに勝る。携行火器は戦艦の主砲に匹敵する威力を有し、装甲も非常に堅牢であった。大気圏突入能力は持たないが、地上/宇宙はもとより木星圏や砂漠、水中と環境を問わず機体能力を発揮することが可能。管制システムにはバイオセンサーが導入されている。分離・変形システムはオプションを必要とせず、一騎の戦闘システムとして完結している。頭頂高はΖガンダムと同等の19.86m、全高22.11mに抑えられ、エゥーゴの艦艇規格にも適合した。θガンダムは総じて万能性の高い機体だったが、操縦難度は高く、パイロットへの負荷は大きい。また、単独の兵器としては過剰性能気味であり、その設計コンセプトを疑問視する声も存在した様である。

ι開発計画

一方、ιガンダムは究極のガンダムを目指した機体と言われ[6]、θガンダムと同時開発[7][8]や、再設計機[9][10]とする資料もあるがθガンダムより先に完成し配備された。予め全ての機能を1つの機体に盛り込むのではなく、追加パーツによって運用方針に特化した形態に変更することによりMSの多機能性を模索した機体。

Ζガンダムの一撃離脱の運用コンセプトを継承し、直線機動時の速力ではΖガンダムやθガンダムを上回り、専用のサポートパーツを装着して大気圏脱出も可能な巡航形態から強化型MS形態に変形する強化装備モ-ドを持つ。装甲は既存のΖ系MSよりも上級のガンダリウム・コンポジットが使用されているが、運用コンセプト上、増加パーツ装着時にはIフィールド発生装置が装備され対ビーム兵器に対する防御に重きを置いている。武装は長射程のものを中心とし、遠距離レンジからの狙撃能力に秀でる。自律制御コンピューター「ALICE」によるフルオートの火器管制システムやインコムを搭載する。また、それぞれのパーツにはコクピットがあるためコア・ファイターを必要とせず独立した運用も可能になっている。各パーツのコクピットは合体時に一体化し、コア・ブロックのみでの大気圏突入も可能だが、突入後の減速を自力で行うことは不可能で、外部からのサポートを必要とする[注釈 2]。設計思想の面ではθガンダムよりも先進的ではあるが、頭頂高21.73m、全高25.18mに達しており、MSとしては大型機の部類に入るため運用面での困難さを抱えている。

完成・配備

ιガンダムは順調に開発が進み、宇宙世紀0088年初頭には試作機が完成したが、グリプス戦役への投入には間に合わなかった。θガンダムは開発スケジュールの遅れから、ιガンダムより遅い宇宙世紀0088年3月に試作機が完成した。θガンダムは調整が不十分な状態のままロールアウトしたため、完成後も機体のアップデートが長期に渡って継続されている。

先行して完成したιガンダムは合計4機が製作された。その内の1機がグリプス戦役の終結時に発生した連邦軍教導団の反乱事件『ペズンの反乱』の鎮圧部隊であるアーガマ級巡洋艦ペガサスIIIに急遽編入され、Sガンダムの名称で実戦投入された。反乱軍の鎮圧に大きく貢献したものの、機体は戦闘によって喪失している。この他には地上に配備されている機体もあった。

θガンダムの完成はそれと前後しており、アクシズの先遣部隊の前に苦境に立たされていたエゥーゴの残存戦力である巡洋艦アーガマへと配備され、同組織の最高位機種としてΖΖガンダムの名称を与えられた。ただし、エゥーゴのエースであったクワトロ・バジーナカミーユ・ビダンといったパイロット達はこの時点で既に失われていたため、非正規のメンバーであった民間人の少年ジュドー・アーシタがθガンダムのパイロットを代行。θガンダムは新たに勃発した第一次ネオ・ジオン抗争へと投入され、最終的にエゥーゴを勝利に導いた。

θガンダムとιガンダムは当時のMSの恐竜的進化の頂点に位置する超高性能MSであり、総合的な機体スペックでは拮抗していた。しかし、両機は競合機として開発された経緯もあり、ともにΖ計画の末端にありながらも機体コンセプトの相違が明確に顕れており、当時のMS開発の混沌とした状況を象徴する存在でもあった。また、高性能化の反面、機体構造の複雑化や高コスト化といった運用面での問題点が顕在化し、MSの技術的な限界が見え始めていたため、以後のMSはスペックのインフレーションに歯止めが掛けられ、シンプルな機体設計へとコンセプトが絞られていくこととなった。

なお、同時期の宇宙世紀0088年中に、アナハイムの中央技術研究室NT部門によって、強化人間専用の可変MSであるガンダムディフォルティータとガンダムアイロティアの開発が行われている[11]が、これらがΖ計画の一部であるかは定かではない。

その後

ギャプラン以前にアナハイムとジャブロー基地との共同で開発されていたMSに「Σガンダム」(型式番号:RX-183)があり、カラバの要望で「MSK-009」の型式番号を与えて開発が続けられていた。さらにエゥーゴの要望でΖΖガンダムの後継機としてコードネーム「κガンダム」(カッパガンダム)と「MSA-014」の型式番号が与えられている。ただし、ΖΖガンダムのプロトタイプとする異説もあり、詳細は不明である。

なお、ΖΖガンダムの量産計画もあり、量産型ΖΖガンダム(型式番号:MSZ-013)が設計されたが、量産型Ζガンダムと同じく、大してメリットが見出せなかったため、中止されている。

また、Sガンダムの後継機として、ニュータイプ専用MSの開発が計画され、「λガンダム」(ラムダガンダム)のコードネームと「MSA-0012」の型式番号が与えられた。Sガンダムが複雑になりすぎたため、λガンダムは分離合体可変MSではなく簡易的な可変MSとして開発されていたとされ、その技術をスピンオフした高級量産機ネロ(型式番号:MSA-007)もSガンダムの完成と同時期という早いうちに完成している。しかし、λガンダムが実際に開発されたかどうかは不明である。

さらに、ティターンズが進めていた「TR計画」を基に、Ζ計画の後継となる「AOΖ(アドバンスド・オブ・ゼータ)計画」が行われており、宇宙世紀0091年時には、TR計画によって開発されたガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]にΖ計画由来の技術を投入したΖΖΖガンダムユニット(型式番号:MSA-0012)が部隊配備されている。このΖΖΖガンダムには、型式番号やネロとの技術的関連性がある点などに、λガンダムとの共通項が見られる。

この頃になると、エゥーゴは地球連邦と一体化しており、さらに第一次ネオ・ジオン抗争も終結したため、Ζ計画自体が立ち消えとなっている。しかし、Ζガンダムの量産計画も再度検討されており、変形機能を廃し新たにバック・ウェポン・システム (BWS) を導入したΖプラスR型(型式番号:MSZ-006R, RGZ-006)が開発された。その発展型として宇宙世紀0092年の第二次ネオ・ジオン抗争の頃にはリ・ガズィ(型式番号:RGZ-91)も開発されているが、BWSという概念自体の欠点により、量産には至っていない。一方、ΖII(ゼッツー)を設計ベースにジェガン(型式番号:RGM-89)との共用規格を持つリゼル(型式番号:RGZ-95)が開発され、RGM系では初の可変量産型MSとして連邦軍に採用された。

また、同時期にはデルタガンダム系列の機体の開発も進められており、宇宙世紀0090年にはデルタプラス(型式番号:MSN-001A1)が、宇宙世紀0094年にはガンダムデルタカイ(型式番号:MSN-001X)が開発されている。

ただし、AOΖ計画以降の機体開発計画が、Ζ計画に含まれるか否かは定かではない。

Ζ計画の発展によって開発された主なモビルスーツ

ギリシア文字コードネームを冠するガンダム
γガンダム系列
δガンダム系列
εガンダム系列
ζガンダム系列
ηガンダム系列
  • MSZ-007 レイピア(コードネーム:ηガンダム
θガンダム系列
ιガンダム系列
λガンダム系列
  • MSA-0012 λガンダム(コードネーム:λガンダム
    • MSA-007 ネロ
κガンダム系列
  • MSA-014 (MSK-009, RX-183) Σガンダム(コードネーム:κガンダム
ギリシア文字コードネームを冠さないガンダム
ガンダム以外のMS

  1. ^ 『MISSION ΖΖ』ではΖガンダムが開発された時点でプロジェクト終了としている。
  2. ^ 『ガンダム・センチネル』劇中ではガルダ級輸送機に空中収容された。
  3. ^ 「PROJECT Ζ」8頁の原文は『「FIXED BRAM RIFLE」×2』。
  4. ^ ナラティブガンダムは映画制作発表直後の設定では「νガンダムの試験機」とされていたが[20]、公開直前のインタビューでプロデューサーの小形尚弘はこれを明確に否定し、「νガンダム以前に作られたサイコフレーム試験機」であると述べている[21]
  5. ^ 模型作例は「MG MSZ-010 ダブルゼータガンダム」を改造したもの。
  6. ^ ただし、レオンが登場する漫画『機動戦士ガンダムReon』は、ガンダムシリーズの公式設定に適合していないパラレル的な設定のもとに描かれている。
  1. ^ a b エンターブレイン『アナハイム・ジャーナル』より。
  2. ^ 『データコレクション 機動戦士Ζガンダム 下巻』51頁より。ムック『MSヒストリカ Vol.4』ではβガンダムはGP-02Aと推測している。
  3. ^ a b 矢立文庫 アナハイムラボラトリーログ 第五回 第3話:MS新時代に向けた飛翔①
  4. ^ メディアワークス『データコレクション(6)機動戦士ガンダムΖΖ』67頁より。
  5. ^ 「MG ΖΖガンダム」組み立て説明書より。
  6. ^ 大日本絵画『ガンダム・センチネル』76頁より。
  7. ^ ホビージャパン「機動戦士ガンダム ガンダムウェポンズ ニュージェネレーション編」30頁。
  8. ^ プラモデル「マスターグレード Sガンダム」取扱説明書より。
  9. ^ バンダイ『機動戦士ガンダムMS大図鑑PART.3アクシズ戦争編』95頁より。
  10. ^ バンダイ『機動戦士ガンダムMS大図鑑PART.8SPECIALガンダム大鑑』94頁より。
  11. ^ 漫画『強化人間物語 ANOTHER Ζ GUNDAM STORY』より。
  12. ^ 『ガンダムセンチネル』大日本絵画、1989年9月初版発行、73頁。(ISBN 978-4499205306)
  13. ^ a b c d e 『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』大日本絵画、1986年、27頁。ISBN 978-4-499-20525-2 
  14. ^ a b c 『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1988年、17頁。ISBN 978-4-499-20526-9 
  15. ^ a b 『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』大日本絵画、1986年、9頁。ISBN 978-4-499-20525-2 
  16. ^ 『機動戦士Zガンダム完全収録 学研ムック 特別復刻版 アニメディア編集部』学研パブリッシング、2010年、104-105頁。ISBN 978-4-056-06024-9 
  17. ^ 『モデルグラフィックス1985年8月号』大日本絵画、1985年、80-91頁。 
  18. ^ 『ガンダム・センチネル』大日本絵画、103頁。
  19. ^ 「特集 機動戦士ガンダムNT」『グレートメカニックG』2018 WINTER、双葉社、2018年12月18日、6頁、ISBN 978-4-575-46513-6 
  20. ^ “『ガンダムUC』続編『NT』主役機はνガンダムの試験機ナラティブガンダム”. マイナビニュース. (2018年4月21日). https://news.mynavi.jp/article/20180420-619394/ 2018年12月6日閲覧。 
  21. ^ “『ガンダムNT』が破る"ロボットアニメのお約束"、なぜ次回作は『閃光のハサウェイ』に? - サンライズ小形Pを直撃”. マイナビニュース. (2018年11月29日). https://news.mynavi.jp/article/20181129-gundam/ 2018年12月22日閲覧。 
  22. ^ a b ANAHEIM 2002 CALENDAR, p. 7.





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