しんか‐しゅぎ〔シンクワ‐〕【進化主義】
進化主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 07:40 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動進化主義(しんかしゅぎ、evolutionism)は、世界中の未開社会の情報を網羅すれば、人類の文化がどのように進化したかを描くことができるとする考え方のことである。
- 社会の進化にはスピードの差がある
- 未開社会から近代西欧社会への一元的進化
- 現在の異文化の姿は過去の社会の姿である
という3つの仮定を理論の前提としている。
後に機能主義の人類学に「アームチェア・アンソロポロジスト」と揶揄される。
古典的進化主義
一線的文化進化論ともいう。ハーバート・スペンサーの社会進化論は、進化という言葉を広く普及させた。法学者のJ・J・バッハオーフェンは『母権論』(1861)で、人類の最初の社会は乱婚とし、そこから母権社会が生まれ、やがて父権社会に移行すると考えた[1]。『古代法』(メーン 1861)は古代ローマを事例に、血縁社会から地縁社会への発達を考えた。
タイラー
エドワード・バーネット・タイラーはアニミズムを宗教の原初段階とし、精霊崇拝、多神教、一神教へと発達すると考えた。また文化には発展し、機能を失っても残存する部分があるとして、文化進化の前段階を再構築するための手がかりと考えていた[2]。
モーガン
ルイス・ヘンリー・モーガンは、親族名称の体系に着目して組織原理について研究し(『人類の血族と婚姻の諸体系』)、さらに政治集団・財産の所有・生産文化を総合的に関連させた社会史を構想した[3]。
新進化主義
多線的文化進化論ともいう
関連項目
参考文献
- 村武慶,大貫良夫 (1991). “文化の変動”. In 村武精一、佐々木宏幹. 文化人類学. 有斐閣
- Andrey Korotayev, Artemy Malkov, Daria Khaltourina, 丘雄二/訳「社会のマイクロダイナミクス:世界システムの成長とコンパクト・マクロモデル」情報社会学会誌 Vol.2 No.1
脚注
- ^ JJ バッハオーフェン『母権論―古代世界の女性支配に関する研究 その宗教的および法的本質』岡道男, 河上倫逸訳、みすず書房、1991年。
- ^ E.B.Taylor (2007) [1871]. Primitive culture: researches into the development of mythology,philosophy, religion, art, and custom.. Kessinger Pub Co. pp. 1. ISBN 142863830X
翻訳:E.B.タイラー『原始文化』比屋根安定訳、誠信書房、1962年。 - ^ L.H.モーガン『古代社会』青山道夫訳、岩波書店〈岩波文庫〉。
進化主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/06 05:35 UTC 版)
ハーバート・スペンサーらによる社会進化論(進化を進歩と混同したもの。)の強い影響を受けて、19世紀後半にイギリスやアメリカで隆盛した人類学におけるアプローチであり、そこでは適者生存・優勝劣敗の思想が打ち出されている。代表的な人類学者としては、エドワード・タイラーらがいる。自由主義的な要素が濃い反面、帝国主義や人種差別の正当化に用いられる要素も含んでいる。 スペンサーの著作および社会進化論は加藤弘之らによって紹介され、明治初年以降の日本の社会思想全般に大きな影響を与えた。当時の日本で石器時代研究が人類学教室のなかでおこなわれたり、縄文時代の文化を「先住民族の文化」とみなしたことにも、社会進化論的発想の強い影響がみてとれる。 進化主義的な人類学および民族学はまた、人類の文化に共通する現象として進化をとらえ、人類が基本的心性においては同一であるという点に注意を向けさせる側面があった。
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