進化倫理学の展望
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/27 17:27 UTC 版)
現在の知識の状態を考えれば、「なぜ我々が善と呼ぶものが悪と呼ぶものよりも好ましいか」というハクスリーの宣言は人間個人の性向と性質に関して未だ正しい。それでも霊長類学や進化心理学といった分野の研究は、我々の種が繁栄し、次におそらく幸せになるために何が好ましくて何が好ましくないかを、一般的なケースについて明らかにし始めている。進化心理学の主要な焦点は、特に狩猟採集文化や霊長類の深い分析を通して、一般的な人間の性質についてもっとも正確な説明を示すことである。そしてこの理解が発展することで、社会を構成する人間にとってより「ユーザーフレンドリー」なかたちで文化そのものを再設計することが可能になる。結局のところ、文化はユーザーに貢献する「道具」である。 著名な霊長類学者フランス・ドゥ・ヴァールは主張する。「エドワード・ウィルソンの言葉では、生物学は我々を”ヒモに繋がれた”状態に止める......。我々は我々が望むどんな方法でも我々が望むように生き方を設計することができる。しかし我々の成功は、その生き方がどれだけ人間の本性にあっているか次第である」
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