虚栄の市とは? わかりやすく解説

きょえいのいち【虚栄の市】


虚栄の市

作者北村薫

収載図書街の灯
出版社文藝春秋
刊行年月2003.1
シリーズ名本格ミステリ・マスターズ

収載図書ザ・ベストミステリーズ―推理小説年鑑 2003
出版社講談社
刊行年月2003.7

収載図書街の灯
出版社文藝春秋
刊行年月2006.5
シリーズ名文春文庫

収載図書殺人格差―ミステリー傑作選
出版社講談社
刊行年月2006.11
シリーズ名講談社文庫


虚栄の市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/10 10:41 UTC 版)

サッカレー自身が描いた表紙絵。サッカレーは当初挿絵画家を目指していた

『虚栄の市』(きょえいのいち、原題:Vanity Fair)は、サッカレーの長編小説である。1847年1月から翌年7月まで雑誌に分冊の形で発表された。副題「主人公のいない小説」(A Novel without a Hero)。

19世紀初頭のイギリスとヨーロッパ大陸を舞台に、上流を目指す富裕層社会に生きる人々を諧謔と諷刺に富んだ文章で描き痛烈に批判。作者自身の挿絵が挿入され、また作者自身が作中に登場するといった手法がとられている。作者が作中に登場し説教めいたこと述べたりするのは批判されたが、中心(視点)となる人物がいないことを思えば、作者が顔を出すことによってはじめて、作品に深みと奥行きを与えることができたと言えそうだと、訳者の中島賢二は述べている[1]。この作品は作者の出世作となり、無名であった作者を一躍有名作家にした[2]。

あらすじ

生れの卑しいレベッカ・シャープと富裕な家庭に生まれたアミーリア・セドリーは女学校を去り、セドリー家へ向かう。そこでレベッカはアミーリアの兄・ジョーゼフと出会い結婚することを望むが、ジョーゼフの愚かな振る舞いを見て家を出る。そしてレベッカはクローリー家の家庭教師になりピット卿の好意を獲得すると、秘密のうちにクローリー家の次男であるロードンと結婚した。これに資産家である伯母のクローリーは怒り、ロードンを廃嫡する。

アミーリアは父が破産し、恋仲である幼馴染のジョージ・オズボーンとの結婚が取り消しになりそうになる。だがジョージは密かにアミーリアに恋している親友のウィリアム・ドビンに説得されて、ジョージの父親の猛烈な反対にもかかわらずアミーリアと結婚する。

一方社会はナポレオン戦争に向かって動いていた。

主な登場人物

レベッカ(ベッキー)・シャープ
貧しい画家とオペラ歌手の子[3]。持ち前の美貌と才気で上流社会への進出を目指す。女学校を出たあと、準男爵家のガヴァネス(家庭教師)の職を得、その家の次男(ロードン・クローリー)と駆け落ち結婚する。嘘吐きで貪欲な女だが、処世術に長け、天性の女優性からその本性を見抜く者はほとんどいない。
アミーリア・セドリ
レベッカの学友。父親は株屋だが、のちに破産する。心優しい性格で非常に繊細な心の持ち主。美人というわけではないが、性格のよさから男性にもてる。夫となるジョージ・オズボーンを非常に愛しているが、ジョージは妻を顧みず、ベッキーと浮気をしている。
ジョーゼフ・セドリ
アミーリアの兄。東インド会社に勤めており、金持ちだが(ネイボッブ)、デブでうぬぼれ屋。ベッキーに魅かれている。
ジョージ・オズボーン
アミーリアの幼馴染で許婚。富裕な商人の子。陸軍中尉になるが、のちに戦死する。放蕩息子であり、不誠実な遊び人。
ウィリアム・ドビン
ジョージの親友。富裕な商人の子。陸軍大尉。密かにアミーリアに恋をしている。誠実で実直。唯一、ベッキーの本性を見抜いている。
ロードン・クローリー
ベッキーと結婚する。準男爵家の息子で軍人だが、カード賭博でいくばくかを稼いでいる。

日本語訳

映像化

この作品は何度も映画やドラマとして映像化されていて、最初のものは1911年のサイレント短編である。以下、主な作品を記す。

脚注

  1. ^ 岩波文庫 『虚栄の市(四)』訳者解説 pp.401-402
  2. ^ 岩波文庫 『虚栄の市(四)』訳者解説 p.395
  3. ^ 各メディア絶賛、ヒロイン、オリヴィア・クックが光る『Vanity Fair』 サッカレー「虚栄の市」が原作 - ライブドアニュース

外部リンク


虚栄の市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 07:46 UTC 版)

「街の灯 (小説)」の記事における「虚栄の市」の解説

初出:『別冊文藝春秋』2002年1月号掲載 士族の出である花村家に新しく雇われることになった運転手は、別宮みつ子、何と女性だった。花村家の長女・英子は進歩的な父の決定を大いに喜び、サッカレーの「虚栄の市」に因んで彼女にベッキーさんとあだ名を付ける。 ある日、早稲田の大学生・権田が自分で掘ったと思しき穴で死んでいた。飲んだ酒に殺鼠剤が混入していたらしい。その数日前、権田と同じ下宿で暮らしていた男・尾崎が下宿近くで水死体で発見される。前夜、酒乱だった尾崎が下宿を飛び出すところを下宿の女中が目撃していた。 2つの事件の記事を読んだ英子は考えを巡らせ、尾崎の妻を巡るトラブルが原因だと推測する。それからしばらくして英子は、ベッキーさんから権田が愛読していたという江戸川乱歩の短編集を渡される。その内の一編を読んだ英子は事件の真相に気づく。

※この「虚栄の市」の解説は、「街の灯 (小説)」の解説の一部です。
「虚栄の市」を含む「街の灯 (小説)」の記事については、「街の灯 (小説)」の概要を参照ください。

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