反応度
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反応度(はんのうど、reactivity)は、原子炉制御の重要なパラメーターのひとつである。
- ^ “遅発中性子 - ATOMICA” (日本語). ATOMICA. ATOMICA用語集. 日本原子力研究開発機構 (1998年2月). 2019年9月5日閲覧。
- ^ “ドル - ATOMICA” (日本語). ATOMICA. ATOMICA用語集. 日本原子力研究開発機構 (2006年7月). 2019年9月5日閲覧。
- ^ もちろん原子炉スクラムにおいては下限に関係なく投入できる最大の負の反応度を投入する。
ボイド係数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 11:05 UTC 版)
炉心を冷却する液体に含まれる気体の割合の変化により、炉心の反応度は影響を受ける。この現象を係数化したものをボイド係数と呼ぶ。ボイド係数が正の場合、冷媒に占める気体の割合が増えると冷媒としての性能が低下すると共に反応度が増大し、炉心の異常な発熱につながる。 軽水炉において、減速材と冷却材を兼ねる軽水は炉心付近で常に沸騰が発生しており、理論的には気泡混じりで本来の水よりも密度が低下した流体として扱われる。ボイドの割合が増えると減速材としての性能が低下するため、反応度は低下する(ボイド係数は負)。 一方、ナトリウム高速増殖炉で用いられる液体金属は通常の運用では沸騰しないが、万一発生した場合はボイド係数は正となる。このため、ボイド係数が負となるような炉心設計が強く求められる。高速増殖炉もんじゅの場合、炉心の一部の領域についてボイド係数が正になっていると分析されている。 一方で沸騰によるボイド係数は正となった場合でも、炉心の外へ漏れだす中性子の増加(中性子が逃げるため核分裂連鎖反応が起こしづらくなる)や、核燃料の熱膨張による密度の低下など、ボイド係数以外の反応度効果があるため、原子炉全体としての反応度は負となるように設計されている。これは原子炉設計における重要な基本であり、これにより異常な反応度が原子炉に加わらないようになっている。 鉛ビスマス高速増殖炉の場合、鉛は原子番号が大きく断面積が大きい上、中性子を吸収せず反射するために、気泡が発生すると中性子が炉内から洩れる確率があがるため、ボイド効果は負に設計しやすい。
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