プラットトラス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 06:27 UTC 版)
プラットトラス (Pratt truss) とは、斜材を橋中央部から端部に向けて「逆ハ」の字形状に配置したものである。垂直材に圧縮力、斜材に引張力が生じる。この力の作用の仕方は、ハウトラスと逆である。斜材がK字形、Y字形となるものもあり、それぞれKトラス、Yトラスとも称する。端柱(端部の斜材)の有無は問わないが、端柱がある場合は端柱が、ない場合は端部の斜材だけ「ハ」の字形状になる。これも「逆ハ」の字形状になるものはトレリストラスといい、構造が異なる。 ピン結合に適した構造で、日本では明治時代によく採用されたが、やがてより部材が節約でき軽量化を果たせるワーレントラスに移行した。アメリカでは長さ250フィート(76.2メートル)までの鉄道橋を、木橋から鋼橋に架け替える際によく採用された。 マサチューセッツ州のトーマス・プラット (Thomas Willis Pratt) とその父、ケイレブ・プラット (Caleb Pratt) により考案され、1844年に特許が取得された。 径間が長いプラットトラスでは、部材が長大化することによる断面増・重量増、また圧縮材が長大化することにより部材が座屈する可能性が増すことから、部材が長大にならないように格点を追加し、そこから補助的に部材を挿入することで格間を短くしたものがある。それを分格トラスと総称し、さらにいくつかの種類に分かれる。 闇川橋梁(会津鉄道会津線) 吉野川橋梁(近鉄吉野線) 第二飛騨川橋梁(高山本線) 木曽川橋梁(太多線) 上淀川橋梁(東海道本線) 第三長良川橋梁(長良川鉄道越美南線) 紀ノ川橋梁(南海本線) 境川橋梁(日豊本線) 長谷川橋梁(磐越西線) 阿賀野川深戸橋梁(磐越西線) 嘉麻川橋梁(平成筑豊鉄道伊田線) 最上川橋梁(左沢線) - 中山町側3連 鬼怒橋(栃木県宇都宮市)
※この「プラットトラス」の解説は、「トラス橋」の解説の一部です。
「プラットトラス」を含む「トラス橋」の記事については、「トラス橋」の概要を参照ください。
- プラット・トラスのページへのリンク