x86システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 10:20 UTC 版)
「x86仮想化」も参照 高い利益を誇るサーバハードウェア市場分野へ興味をもっていることから、従来のデスクトップPCを含むインテルのx86命令セットのマシン用のハイパーバイザの開発が行われている。初期のPC向けハイパーバイザの一つは1998年に発表された商業用VMwareである。パラレルスはParallels Workstationを2005年に発表したが、その主な用途はPC上で使うことであった。2006年にはMac OS X上で動作するParallels Desktop for Macを発表した。 たいていのPCシステムで使われるx86アーキテクチャはとりわけ仮想化が難しい。x86上の(標準ハードウェア一式という幻想を表現する)完全仮想化は、ハイパーバイザがあまりにも複雑になりすぎ、実行時パフォーマンスに重大な問題が生じる。 別の方法では、ハイパーバイザによってシミュレートされるマシンのI/O命令を実行するよりも、ハイパーバイザにシステムコールを発行するようにゲストOSを変更することを要求する。これはXenで使われている準仮想化と呼ばれるものであり、Parallels Workstationでは「hypercall」と呼ばれるものであり、IBMの仮想機械では「診断コード」と呼ばれるものである。VMwareはゲスト用のデバイスドライバをつけることで、仮想化時の最も処理に時間がかかるところを補っている。これらすべては同じことでシステムコールをハイパーバイザに渡している。MachやL4マイクロカーネルファミリーのようなマイクロカーネルはゲストOSの準仮想化を行うには十分柔軟である。 CPUベンダは製品に仮想化支援機構を追加してきた。インテルのバーチャライゼーション・テクノロジー (Intel VT) およびAMDのAMD-Vは、元来仮想化を行うのには難しくかつ非効率なx86アーキテクチャを拡張し、ハイパーバイザの実現を支援する機構である。この仕組みは仮想化コードをより単純にし、完全仮想化においてより高いパフォーマンスを可能にするものである。 Xenのような他のものについては、仮想機械をソフトウェアのみで実装している。XenはLinuxのような普通のホストOSの上で動作するし、準仮想化ないしはIntel VTを使った(OSの変更をしない)完全仮想化のどちらも動作させることができる。Xenは無変更のWindows XPを動作させるデモに成功した。Xenの配布物には変更済みのFreeBSDやLinux、NetBSD、ベル研究所のPlan 9版がすでに含まれている。ユーザプログラムは変更なしにXen上で動作が可能である。 2006年には、マイクロソフトは新しいType1のハイパーバイザシステムであるコードネームViridianの開発を始め、2008年6月30日正式版をHyper-Vとして公開した。このシステムは最下層でOSと統合する設計がされている。Windows VistaをはじめとしたWindowsの新バージョンはViridianハイパーバイザの上で動作させた場合にパフォーマンスをあげる拡張を含んでいる。
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