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ザ・ランナウェイズ

(the runaways から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/27 03:51 UTC 版)

ザ・ランナウェイズ
左からジョーン・ジェット、ジャッキー・フォックス、リタ・フォード(1976年、イングランド・バーミンガム公演)
基本情報
出身地 アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス
ジャンル
活動期間 1975年 - 1979年
レーベル
公式サイト therunaways.com
旧メンバー
ロゴ

ザ・ランナウェイズThe Runaways)は、1970年代に活躍したアメリカ合衆国ロックバンド。約5年間の活動期間中に、スタジオ・アルバム4作とライブ・アルバム1作を発表した。

本国では大きな成功に恵まれなかったが、1977年のシングル「チェリー・ボンブ(Cherry Bomb)」の大ヒットにより、主に日本で高い人気を博した

概要

ボーカリスト、リード・ギタリスト、リズム・ギタリスト、ベーシスト、ドラマーの5人編成。メンバーは全員女性で、デビュー当時の平均年齢は16歳。シェリー・カーリー(ボーカル)の衣装はコルセットガーターベルトのほとんど下着姿という過激なものだった。

本国よりも高い日本での人気を背景に、1977年には日本公演が行なわれ[注 1]篠山紀信がカーリーを題材に「激写」を敢行した。

歴史

結成

ザ・ランナウェイズの歴史は1975年終盤、カリフォルニア州ロサンゼルスサンディ・ウェスト(ドラムス)とジョーン・ジェットが(リズム・ギター)が、プロデューサーのキム・フォーリーの紹介で知り合ったところから始まる。ウェストの自宅で対面した2人は意気投合し、フォーリーにメンバー探しの支援を依頼。ミッキー・スティール(ボーカル、ベース)を迎えてパワー・トリオとして活動を開始し、ロサンゼルス近辺のパーティ会場やクラブで演奏した。

まもなくリタ・フォード(リード・ギター)が加入。スティールは脱退し、地元のベーシストであるペギー・フォスター[6]が加入したが1カ月で脱退。地元のナイトクラブ「シュガー・シャック」で歌っていたシェリー・カーリーがスカウトされ、フォード加入時のオーディションに応募したギタリストのジャッキー・フォックス英語版がベーシストとして迎えられた。こうしてデビュー時のラインナップが揃った。

デビューから人気グループへ

フォーリーのマネージメントの下、1976年マーキュリー・レコードと契約し、直ちにデビュー・アルバム『悩殺爆弾〜禁断のロックン・ロール・クイーン』(The Runaways)をリリースする。シングルカットされた「チェリー・ボンブ (Cherry Bomb)」はビルボード106位(Billboard Hot 100)を記録。カーリーはデヴィッド・ボウイ、ジェットはスージー・クアトロ、フォードはリッチー・ブラックモアジェフ・ベック、ウェストはロジャー・テイラー、フォックスはジーン・シモンズをそれぞれイメージして、自らのキャラクターを育てていった[7]

1977年、セカンド・アルバム『クイーンズ・オブ・ノイズ』(Queens of Noise)をリリースし、ワールド・ツアーを敢行する。折しも勃興したパンク・ムーブメントにも後押しされグループの勢いが加速する。同年夏に初来日。彼女たちは当時の日本におけるレコード売上げでアバキッスレッド・ツェッペリンと肩を並べるセールスを誇る人気グループであり[注 2]、空港には大勢のファンが押しかけ、現場は大混乱に陥った。この時の喧騒をジェットは後に「まるで『ビートルズ旋風[8]』」と回顧している。日本では特集番組をはじめ数多くのテレビ番組に出演。東京公演を収録した『ライヴ・イン・ジャパン』はゴールドディスクに認定された。しかし滞在中にフォックスが脱退を表明。後任にヴィッキー・ブルー英語版を迎えたが、続いてグループの看板であるカーリーまでもが脱退し[5]、それまでもカーリーとボーカルを分け合っていたジェットがフルタイムのシンガーとなる。

体制を立て直したバンドは4枚目のアルバム『ウェイティン・フォー・ザ・ナイト』(Waitin' for the Night)を発表し、ラモーンズとともにワールドツアーを行う。カーリーはソロ・アルバムをリリースし、単独でのツアーを行った。

解散

1978年、金銭問題など様々な意見の不一致が原因で、結成以来のパートナーであったフォーリーと袂を分かち、マーキュリーとの契約も破棄。ブロンディやスージー・クアトロを手がけたトビー・マミズとマネージメント契約を結ぶ。同年11月、ブルーが健康問題で脱退。ローリー・マカリスター英語版に交代。この間、彼女たちは荒れたロックンロール的ライフスタイルを満喫する。同年、シン・リジィのプロデューサーであるジョン・アルコックを迎えて制作したアルバム『クレイジー・ナウ』(And Now... The Runaways)をリリース。

1979年、よりパンク・ロック的なアプローチを主張するジェットとハードロックを追求したいフォード、ウェストの意見の不一致などもあり[9]、ザ・ランナウェイズは解散した。

メンバーのその後

ジェットは1982年にソロで「アイ・ラブ・ロックンロール」の大ヒットを放つ。フォードもソロ活動で成功を収めている。デビュー前にウェスト、ジェットとトリオで活動したスティールは、1983年にマイケル・スティールの名でバングルスに加入した。

フォックスは芸能界引退後にUCLAを卒業し、ハーバード大学法科大学院[注 3]を経て弁護士に転身した。

2004年、フォックスの後任だったブルーの製作・脚本・監督によるドキュメンタリー映画『Edgeplay: A Film About The Runaways[10]が公開。

2006年10月21日、ウェストが肺癌で死去。47歳。

2010年、カーリーの自叙伝『Neon Angel: The Cherie Currie Story』(1989年)を原作とする映画『ランナウェイズ[11]がアメリカで公開。

2015年、キム・フォーリー病没。

タイムライン

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

  • 悩殺爆弾〜禁断のロックン・ロール・クイーン』 - The Runaways (1976年、Mercury) ※ビルボード194位
  • 『クイーンズ・オブ・ノイズ』 - Queens Of Noise (1977年、Mercury) ※ビルボード172位
  • 『ウェイティン・フォー・ザ・ナイト』 - Waitin' for the Night (1977年、Mercury)
  • 『クレイジー・ナウ』 - And Now... The Runaways (1978年、Mercury/Cherry Red)

ライブ・アルバム

コンピレーション・アルバム

  • Flaming Schoolgirls (1980年、Cherry Red)
  • Little Lost Girls (1981年、Rhino)
  • The Best of the Runaways (1982年、Mercury)
  • I Love Playin' with Fire (1982年、Cherry Red)
  • Born to be Bad (1991年、Marilyn) ※公式デビュー前の1975年に録音された音源
  • Neon Angels (1992年、Mercury)
  • The Runaways featuring Joan Jett and Lita Ford (1997年、PolyGram)
  • 『ベスト・オブ・ザ・ランナウェイズ』 - 20th Century Masters - The Millennium Collection: The Best of the Runaways (2005年、Universal)
  • 『ジャパニーズ・シングル・コレクション』 - Japanese Singles Collection (2008年、Cherry Red)
  • The Mercury Albums Anthology (2010年、Hip-O)[12]

脚注

注釈

  1. ^ 今日よりも自由な表現が認められていた当時のマスメディアは、彼女たちを「例の下着集団」と呼び、カーリーを「下着姿で大またびらき」と表現した[5]
  2. ^ 「チェリー・ボンブ」はオリコン10位(総合)・1位(洋楽部門)。
  3. ^ 同級生には第44代アメリカ合衆国大統領になるバラク・オバマがいた。

出典

  1. ^ Goldsmith, Melissa Ursula Dawn (2019). Listen to Classic Rock!: Exploring a Musical Genre. Santa Barbara, California: ABC-CLIO. p. 127. ISBN 978-1-440-86579-4 
  2. ^ a b Huey, Steve. The Runaway Songs, Albums, Reviews, Bio & More - オールミュージック. 2024年2月9日閲覧。
  3. ^ Popoff, Martin (2019). Satisfaction: 10 Albums That Changed My Life. Penguin Publishing Group. p. 126. ISBN 9780593190920 
  4. ^ Levine, Elana (2007). Wallowing in Sex: The New Sexual Culture of 1970s American Television. Durham, North Carikuba: Duke University Press. p. 76. ISBN 978-0-8223-3919-9 
  5. ^ a b 「オフステージ ランナウェイズばらばら」『週刊文春』1977年9月22日号、文藝春秋、25頁。 
  6. ^ Peggy Foster”. www.discogs.com. 2025年12月20日閲覧。
  7. ^ Edgeplay: A film about The Runaways, Sacred Dogs LLC, Los Angeles, 2005(from interviews with Fowley, Currie)
  8. ^ notes and information from Edgeplay: A film about The Runaways - IMDb(英語)
  9. ^ Sherman, Dale. 20th Century Rock And Roll : Women In Rock. Collector's Guide Publishing, inc, p53
  10. ^ Edgeplay”. www.imdb.com. 2025年12月17日閲覧。
  11. ^ The Runaways”. www.imdb.com. 2025年12月17日閲覧。
  12. ^ Deusner, Stephen M. (2010年3月15日). “Born to Be Bad: The Runaways, 'The Mercury Albums Anthology'” (英語). Washington Post. ISSN 0190-8286. https://www.washingtonpost.com/express/wp/2010/03/15/the-runaways/ 2021年7月22日閲覧。 

外部リンク


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