economyの訳語としての「経済」の定着とは? わかりやすく解説

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economyの訳語としての「経済」の定着

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/26 06:28 UTC 版)

経世済民」の記事における「economyの訳語としての「経済」の定着」の解説

幕末期になり、新たに交流始まったイギリスなどから古典派経済学文献輸入されるうになると、「経済」の語は新たに"economy"の訳語として用いられるうになるが、それにはいくつかの段階がある。まず、1862年文久2年)に刊行され堀達之助らの『英和対訳袖珍辞書』では"economy"を「家事する、倹約する」とし、"political economy"(古典派経済学において「経済学」を意味する語)に「経済学」の訳語与えている(西周によると後者津田真道執筆)。ついで日本における最初西洋経済学入門書として知られる神田孝平訳の『経済小学』(1867年慶応3年)刊)では「経済学」を「ポリチャーエコノミー」と読ませており、同年末に刊行され福沢諭吉の『西洋事情 外篇』巻の3でも同様の用法として「経済学」の語が見える(なお前年1866年慶応2年)刊の『西洋事情 初篇』巻の1には「経済論」の語がある)。 しかし「経済(学)」がエコノミーもしくはポリティカル・エコノミーの訳語として定着するには若干問題があり、例え西周は『百学連環』(1870年明治3年)刊)で、エコノミーとポリティカル・エコノミーの区別重視して前者に「家政」、後者については国家の「活計」を意味するものであり、津田訳語経済学」では活計の意味尽くしていないとして「制産学」の訳語与えている。このように個人もしくは企業)の家計会計国家規模の経済運営分けて考え立場はしばらく影響力持ち後者については「理財」の訳語用いられることもあり(1881年刊『哲学字彙』では"economics"の訳語明治初期大学専門学校学科名としては「理財学」がしばしば用いられた。しかし国家レベル個人・企業レベルエコノミー包括して経済」とする用法次第普及することになり、現在に至っている。また江戸時代以来の「貨殖興利」という用法存続したため、本来の「経済」の語に含まれていた「民を済ふ」という規範的な意味は稀薄となったまた、この新し用法本来の意味の「經濟」という語を生み出した中国(清)にも翻訳通じて逆輸出され、以後東アジア文化圏全域定着した

※この「economyの訳語としての「経済」の定着」の解説は、「経世済民」の解説の一部です。
「economyの訳語としての「経済」の定着」を含む「経世済民」の記事については、「経世済民」の概要を参照ください。

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