WPS
読み方:ダビュリューピーエス
WPSとは、Microsoftが開発したプリンタの規格、およびそのプリンタをWindows上で制御するためのドライバ規格の名称である。
WPSでは、通常はプリンタが行っている印刷イメージの展開を、Windowsのプリンタドライバによって行う。これによって、印刷結果と同じ表示がパソコン画面であらかじめ確認できたり、印刷完了の通知や用紙切れなどの異常といったプリンタ側の状況をPC側から把握できたりといった、PCとプリンタの双方向通信機能が実現する。
ただし、WPSはWindowsのみがサポートしており、Windowsの中でもWindows NTはWPSに対応しておらず、次第にプリンタの多くがWPSの目指した機能を自ら実現できていることなどから、現在すでにWPSはほとんど用いられることがなくなっている。
Windows Printing System
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/10/01 10:04 UTC 版)
Windows Printing System(ウィンドウズ プリンティング システム)は、マイクロソフトが提唱していたプリンターの規格、およびそれを構成する一連のソフトウェア(デバイスドライバ)である。WPSと略される。ページプリンター(レーザープリンター)の低価格化と、コンピュータ側での印刷状況の把握を目的として開発された規格である。
通常のページプリンタは、文字や画像のデータを印刷データとして処理するためのCPUとメモリ、フォントデータ(プリンターフォント)などをプリンターに搭載しているが、WPS規格のプリンターでは、コンピュータ側のCPUとメモリ、フォントを利用してWindows上のプリンタドライバがこれらの処理を行うため、プリンター側に高速なCPUや大容量のメモリを搭載する必要がなくなる。コンピュータからの単純な命令を逐一処理できるだけの機能を搭載すればよいため、プリンターを低価格で製造することができる。印刷データの展開にWindowsの描画システムであるGDIを使用するため、GDIプリンターとも呼ばれる。
折りしもMicrosoft Windows 3.1の普及期であり、画面で見たままのフォントで印刷できるWYSIWYGの実現が話題となっていた時期でもあったことから、WYSIWIGの実現に役立たないプリンターフォントの搭載が不要になることには一定の合理性があった。
コンピュータ側で印刷データの展開を行うことから、コンピュータとプリンターの間のデータ転送量が爆発的に増加するため、これに対応するIEEE1284規格の高速な転送モードに対応したプリンターインタフェースの使用が推奨されている。コンピュータ側のインタフェースが双方向通信機能に対応していれば、プリンターの状態(n枚目を印刷中、印刷完了、紙詰まり、トナー切れなど)を、画面上にポップアップ表示されるステータスウィンドウや音声メッセージなどで把握することも可能である。
しかしWPS対応プリンターについてはWindows以外のオペレーティングシステムには対応していないこと、WindowsであってもWindows XPなど後継バージョンのOS用ドライバをプリンターメーカーが開発しなくなったこと、マイクロソフトとメーカーの間に締結された契約条項が原因で、最新版のドライバをインターネットからダウンロードすることはできず、最新版ドライバの入手にはメーカーからのメディア送付しか手段がないことなどから利用者に不評であり、WPS対応プリンターの発売から10年以上が経過した現在、実際の利用現場からも急速に姿を消しつつある。
なお、WPSが実現していた状況把握機能については、現在では各社独自の規格によってプリンターからデータを取得することで実現されている。また、USBやLANなどのさらに高速なインタフェースが搭載されるようになり、メモリ単価も大幅に低下していることから、印刷処理のどの程度をプリンターに行わせ、どの程度をコンピュータ側で行うかについては各メーカーの判断により決定されている。
Windows Printing System (WPS)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 02:40 UTC 版)
「プリンター」の記事における「Windows Printing System (WPS)」の解説
マイクロソフトが開発した制御方式で、印刷イメージ展開などの主な処理をWindowsの機能を用いてパソコン側で行うことで、プリンターの製造コストを下げようとしたもの。Windows 95の全盛期であった1996年 - 1997年頃に発売された低価格のレーザープリンターに多く採用されたが、マイクロソフトとのライセンスの関係などで短命に終わり、また後継OSのWindows 2000やXP、Vistaではドライバの提供などのサポートが中止された。
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