W87 (核弾頭)とは? わかりやすく解説

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W87 (核弾頭)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/27 12:52 UTC 版)

W87
W87搭載のMk.21再突入体
タイプ 核弾頭
開発国 アメリカ合衆国
配備先 アメリカ空軍
開発・生産
開発期間 1982年-1986年
生産期間 1986年-1988年
配備期間 1986年-現在
生産数 525発
要目
核出力 300kt、475kt(Mod 1)
弾頭 熱核弾頭
直径 21.8インチ
長さ 68.9インチ
重量 440-600ポンド
テンプレートを表示
W87核弾頭の推定断面図。大きい球がプライマリー、小さい球がセカンダリー。

W87は、アメリカ合衆国が開発した核弾頭ローレンス・リバモア国立研究所が開発したものであり、アメリカ空軍大陸間弾道ミサイル(ICBM)用のものである。

概要

新型のICBMであるLGM-118A ピースキーパー用の弾頭として1982年より開発が開始された。ピースキーパーは、最大11基のMIRVを搭載可能で、W87はMk.21再突入体に搭載される。熱核弾頭であり、アメリカ海軍UGM-133A トライデント II潜水艦発射弾道ミサイル向けのW88核弾頭とも類似した部分がある。サイズは直径21.8インチ、長さ68.9インチ、重量440-600ポンド。核出力は300kt。信管には空中爆発および触発などが用意されている。プライマリーにはプルトニウムを用い、セカンダリーには核融合燃料としてリチウム6同位体を高濃縮した重水素化リチウムのほか、タンパーには高濃縮ウランが用いられている。生産は1986年7月から開始され、1988年12月まで行われた。生産数は525発。

1987年からはミゼットマン単弾頭ICBM用にMod 1の開発が開始された。これは、核出力が475ktに増強されているものであった。Mod 1の開発は1988年に一時中止となり、1992年にミゼットマンと共に完全に開発中止となった。

1994年からは寿命延長の改良が行われている。2005年にLGM-118 ピースキーパーが退役すると、余剰の弾頭はミニットマン III ICBMにW87核弾頭を搭載することとなった。ミニットマン IIIはW62(Mk.12再突入体)やW78(Mk.12A再突入体)などの弾頭を使用しており、弾頭が老朽化していた。W87搭載により器材の更新が行われることとなり、2006年から作業が実施されている。アメリカ軍の核弾頭削減方針と相まって、ミサイル1基につき、W87 1基(Mk.21再突入体)が搭載される。

次期ICBMであるLGM-35 センチネルの弾頭にも、Mk.21再突入体とW87弾頭の改良型が搭載される計画となっている[1]

注釈

  1. ^ LGM-35A Sentinel Intercontinental Ballistic Missile, USA”. Airforce-technology (2022年7月29日). 2023年7月17日閲覧。

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