Q数制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 14:41 UTC 版)
写真植字機で利用される単位として、文字サイズはQ数、送り量は歯数で指定する。Qとは英語のquarter(=1/4)の意であり、1Qは1/4mm(0.25mm)である。このQに同音の漢字をあてて級と表記することが多い。しかし写真植字機では、文字を使用頻度によって分類する単位として「級」が使用されるので、両者の混同を避ける意味もあり、文字サイズについては「Q」と表記するほうが正確だとされる。また歯数は、文字盤を歯車で機械的に操作していた時の移動量に由来しており、1歯は0.25mmである。歯数はQに倣ってHと略記されることがある。 そもそも初期の写真植字機において、文字のサイズは、レンズ番号(最小が4.5ポイントに近似する1、最大が31ポイントに近似する10)で指示するか、または号数制やポイント制など、既存の単位系の相当値を用いることで表されていた。送り量も当初は縦横共に0.5mmであったが、1935年にまず縦送りだけが0.25mmに改良された。(当時の印刷物の多くが縦組みであったので、これをより精密に組むことが優先されたためである。)そして1938年に縦横の送り量が共に0.25mmとなるよう改良された時、送り量(歯数)をもとにした、文字サイズを表す新しい単位として、Q数制が確立された。すなわち、ある送り量でベタとなる文字サイズのQ数は、その歯数と等しい。例えば10歯送りでベタとなる文字サイズが10Qである。後に送り量を0.25mm以下のさらに小さな数値で制御できるようになってからも、単位としての歯に変更はなかった。 Qと歯は同一の量であるが、文字サイズについてのみQ、送り量については歯と使い分けることで、版面体裁の指定で混同を避けられるという利点がある。また送り量の単位に当初からメートル法が採用されていた結果として、Q数制もメートル法に基づく単位となったが、戦後になると、同様にメートル法で規定されている日本国内の紙の寸法に合わせやすいという利点が生じた。このような特長から、Q数制は電算写植やDTPの時代においても利用されている。(ポイント活字、号数活字を参照) 追記:広告用に写植が使われるようになると文字の間隔を詰める(カーニング)の流行があり0.25mmより詰める必要もあり自在に詰められるように細かいピッチでも字詰めができるように機械的に改善されブラウン管モニターがついたパボでは画面で状態を見ながら作業・印字できるようになった。
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