LMFの歴史
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「Lexical Markup Framework」の記事における「LMFの歴史」の解説
語彙資源や辞書の標準化は、GENELEX, EDR, EAGLES, MULTEXT, PAROLE, SIMPLE, ISLE といった一連のプロジェクトにおいて研究開発されてきた。これらの経緯や蓄積を踏まえ、ISO/TC37の各国代表は、自然言語処理用の辞書に関する標準を定めることとした。LMFの制定作業は、米国代表により2003年の夏に提示された提案により開始され、2003年の秋にはフランス代表により自然言語処理用の辞書に関するデータモデルの技術的な提案がなされた。これらの実績に基づき、2004年の前半に開催されたISO/TC37の委員会は、Nicoletta Calzolari (CNR-ILC、イタリア)を議長、Gil Francopoulo (Tagmatica、フランス) と Monte George (ANSI、米国) をエディタとする 標準化プロジェクトを立ち上げることを決定した。 LMFの標準規格開発の最初の段階は、既存の辞書における様々な特徴を調査し、全体的な枠組みをデザインすること、また、これらの辞書における各要素を記述するのに必要な用語体系を定めることに費やされた。次の段階においては、これらの辞書の詳細を最もよく表現する包括的なモデルが定められた。この作業においては、60人に及ぶ多くの専門家が自然言語処理用の辞書の多くのタイプをカバーするために求められるLMFの要求条件の規定に寄与した。LMFのエディタは、これらの専門家グループと密接に協力することにより、LMFの設計に関するコンセンサスを達成した。この過程で特に注意が払われたのは、従来から扱いが困難であるとされてきた諸言語における形態論的な問題を扱うための枠組みの開発であった。LMFのエディタが最終的なUMLモデルにより表された仕様を規定するには 5年の作業期間を要し、この間に多くの対面会議、電子メールの交換が行われた。結果的にLMFは、自然言語処理用の辞書の領域における最新技術を結集したものとなったと言えよう。
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